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IT VISION No.20
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インナービジョン2010年2月号付録
IT VISION No.20


特集
地域連携に効くPACS

情報共有と連携を成功させる画像データの処方せん

 

INTERVIEW

水沼仁孝(大田原赤十字病院副院長・放射線科部長に聞く。)
画像データ連携にどのように取り組む?
キーパーソンとなる放射線科医の存在が画像データ連携の成功のカギを握る
連携の中心になるか,それとも連携に参加するのか,その見きわめが重要

画像データ連携をどのように行うかは,自施設だけでなく,地域全体の状況を踏まえた十分な検討が必要である。そして,それを成功させることが地域住民へメリットをもたらし,病院経営の観点からも大きな効果を生むことになる。そこで,地域中核病院として,ネットワークや可搬型媒体によるデータ提供,遠隔画像診断を行っている大田原赤十字病院の水沼仁孝副院長・放射線科部長に,どのように画像データ連携に取り組むべきか,インタビュー取材した。

水沼仁孝(大田原赤十字病院副院長・放射線科部長)
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CONTRIBUTION−地域連携における画像データ連携のキホン

画像データの連携の手法と標準化の現状
江本 豊(京都医療科学大学)
<はじめに>
日本の医療は,患者が比較的低い費用で自由に医療施設を選び,医療施設は点数で定められた診療報酬を得て経営するため,「よろず屋」的な診療体制があったと思う。しかし,昨今の医療崩壊や医療改革などを経て,今後は医療施設の機能分化と連携が進むものと考えられる。
放射線検査においては,2008 年度の診療報酬改定で画像のフィルムレス化やデジタル化が促進された。放射線検査の高度化により画像情報は増える一方であり,従来のフィルムのみでは対応しきれなくなっている。
地域連携パスの推進も相まって,今後はデジタル画像による情報連携が進んでいくと思われる。さらに,教育や研究にもデジタル画像の利用が進むであろう。臨床現場で得られた情報を患者のプライバシーを守りつつ医療の発展に利用する必要がある。そのためにはIT技術をうまく活用することが大切である。こういった状況で重要となるキーワードの1つが「標準化」である。本稿では,放射線画像の広域連携における標準化の手法について紹介する。

図4 ネットワークを利用した医療連携。
図4 ネットワークを利用した医療連携。
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地域中核病院を中心とした地域連携におけるPACS
近藤克幸(秋田大学医学部附属病院医療情報部)
<はじめに>
近年,わが国でも地域医療の崩壊が叫ばれている。産婦人科や小児科,麻酔科,救急医療の各分野で特に医師不足がクローズアップされているが,他分野でも専門医の不足や地域的偏在による医療提供体制の崩壊は深刻な課題である。医学部入学定員増加や奨学金制度の整備など,医師不足解消の方策も打たれつつあるが,効果が見えるまでには一定の時間が必要と思われる。
MRIやCTなどの放射線画像読影に関しても,特に地方においては読影医(放射線科専門医)の不足や地域的偏在が医療提供体制構築における大きな課題である。図1に各国のMRI,CT普及率を示したが,わが国の普及率は突出して高い1)。これは,患者にとってはわざわざ遠方の施設に赴かなくともすむメリットはあるものの,読影医が不足している状況下では読影・診断体制に課題を残していることは明らかである。
そこでしばしば話題に上るのが,ITによる遠隔読影支援である。2008年時点で個人のインターネット人口普及率は75.3%に達し,企業のインターネット利用率は99%(図2),うち,76.8%がブロードバンド回線となっており,通信インフラに関する障壁は著しく低下している2)。また,放射線画像データの相互運用性についても,DICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)規格の普及により,ほかの医療情報システムに比べて連携の障壁は相当に低くなっている。
さらに,2008年度の診療報酬改定での電子画像管理加算(フィルムレス加算)新設をきっかけに,フィルムレスPACSも一層の普及が予想されており,デジタルデータを活用した医療連携へのインフラ整備は,今後さらに加速されていくであろう。
しかし,地域連携への活用という視点で最も肝要なのは,人と人(医師と医師)の連携である。診療における医師同士の連携は,各々の専門知識を背景とした緊密なコミュニケーションの下に成り立ち,遠隔診断はあくまで補完的に機能すべきものと考えている。最新の撮影機器が整備された医療機関に読影医がいて,各診療科医師との間で十分な情報交換とディスカッションが行いうる状況こそ,本来の理想であって,単に相互連携可能なシステムが複数の医療機関に整備され,通信インフラを利用してオンライン接続されればそれですむ,という単純なものではないはずである。読影医という画像診断に最も重要な人的資源が不足している現況を解決するためにITを活用するのが前提なら,読影医の負荷を減らし,効率的に多数の医療機関を支援できる仕組みこそ,地域連携に求められるシステムであろう。このことを踏まえ,本稿ではわれわれの施設で開発・運用しているシステムの開発経緯の紹介を含めて述べていきたい。

図5 遠隔画像診断支援システムの改良項目
図5 遠隔画像診断支援システムの改良項目
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遠隔画像診断サービス(ネットワーク画像診断)を活用した地域連携におけるPACS
河上 聡(京都プロメド株式会社)
<ネットワークを介してのPACSと画像診断の利用>
院内での画像管理,保存,配信を目的として開発運用されてきたPACSであるが,近年のネットワーク技術の発展は,場所にとらわれないPACSの利用を可能としている。現在われわれが京都プロメドとして行ってきている診断サービスも「遠隔画像診断」と言うよりは「ネットワーク画像診断」と呼ぶ方が適切かと考えている。本稿では,これらの現状を紹介するとともに将来展望や現状での問題点などを紹介し,地域連携に対する「ネットワークPACS」の可能性を検討したい。

図4 ネットワークPACSと地域連携,今後の展望
図4 ネットワークPACSと地域連携,今後の展望
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CASE STUDY−事例から学ぶ画像データ連携の実際

1. 東京北社会保険病院  牧田幸三
へき地・離島医療を支援するための遠隔画像診断
連携形態:地域中核病院・ネットワーク方式
使用するPACS:Plissimo (パナソニック メディカルソリューションズ)
2. ひがしやま病院   岡崎宣夫
DICOM送受信を利用したオンライン画像連携の試み
連携形態:地域中核病院・ネットワーク方式
使用するPACS:RapidEye Core (東芝メディカルシステムズ)
3. 大分大学・豊後高田市・豊後高田市医師会
友成健一朗・瀧上 茂
大分大学・豊後高田市・豊後高田市医師会により構築された遠隔画像診断システム
連携形態:地域中核病院・ネットワーク方式,遠隔画像診断サービス
使用するPACS:ドクターPACS (ドクターネット)
4. 埼玉県済生会川口総合病院  伊藤直記
PACS読影のすべてを連携施設で再現する
連携形態:地域中核病院・可搬型媒体方式
使用するPACS:EV Insite (ピー・エス・ピー)
5. 東邦大学佐倉病院  寺田一志
地域医療連携に欠かせないCD入出力システム
連携形態:地域中核病院・可搬型媒体方式
使用するシステム:AOC (アレイ)
6. 岡崎市民病院  奥田保男
PDIによる画像情報の連携
連携形態:地域中核病院:可搬型媒体方式
使用するPACS:NEOVISTA I-PACS (コニカミノルタヘルスケア)ほか
7. ワイズ・リーディング  中山善晴
遠隔画像診断による新時代の地域医療連携をめざして
連携形態:遠隔画像診断サービス
使用するPACS:SYNAPSE (富士フイルム)
 
 
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【バックナンバー】
No. 内容 発行時期
No.7 実践×実戦 IT化への道 ITはあなたのパートナー
[部門システム編] ベストな選択をするために
2005年2月号 別冊付録

No.8 実践×実戦 IT化への道 ITはあなたのパートナー
[導入のマネープラン] 予算・コスト・評価
2005年7月号 別冊付録

No.9 DPCと情報システム
医療経営のプラスになる院内のIT化戦略
2005年10月号 別冊付録

No.10 地域医療連携の新ステージ
ITを活用した医療ネットワークのいまと未来
2006年2月号 別冊付録

No.11 診療所向け電子カルテのいま
導入から運用まで,ユーザーとの良い関係を考える
2006年7月号 別冊付録

No.12 ITで変わる院内の物品・物流 マネジメント
医療安全と経営効率化のためのシステム構築と運用
2006年10月号 別冊付録

No.13 中小規模病院のPACS
円滑な導入と運用のための方策を探る
2007年2月号 別冊付録

No.14 ITクリニックをめざす
電子カルテを中心とした一歩進んだ診療環境づくり
2007年7月号 別冊付録

No.15 フィルムレス時代のPACS選び
院内の画像配信環境を構築するためのノウハウ
2008年2月号 別冊付録

No.16 特集1 "カイゼン"に生かす部門システム
課題解決のための最新システム活用事例
特集2 プロジェクトマネジメントという視点
IT化を成功に導くためには,何が求められているか
2008年7月号 別冊付録

No.17 特集 1 PACS style 2009
最適・快適なフィルムレス環境を手に入れる
特集 2 いま求められる人材力・組織力
IT導入を成功させるための人づくり,組織づくり
2009年2月号 別冊付録

No.18 特集 1 迷わない,困らない,失敗しない
幸福の医療IT導入術
特集 2 貴院の医療を「見える化」せよ!
医療の質を可視化し経営に生かす
2009年7月号 別冊付録

No.19 地域連携はどこまで進んだか 2009年11月号 別冊付録

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