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GEと独アスクレピオス病院グループ,
病院業務の環境影響削減に向けた欧州初の協業を発表

(2009/7/6)

●問い合わせ先
日本GE コーポレート・コミュニケーション本部
03-3588-9500
http://www.ge.com/jp/

※2009年7月3日 ドイツ・ミュンヘン発 プレスリリース全訳

  • ドイツ・ハンブルク市のモデル病院から協業をスタート
  • エネルギー効率の高い医療施設の環境設計に焦点を当て,再生エネルギー利用の拡大というEU(欧州連合)の目標を反映
  • GEは,世界中の病院で環境コンセプトの展開に向け,ドイツ以外のヨーロッパ各国,南北アメリカ,アジア太平洋,中東などでも積極的にお客様との協業を推進

 GEとアスクレピオス病院グループは本日,ドイツのヘルスケア業界における環境課題の解決に向けた総合的な取り組みとして,両社にとって初めての共同プロジェクトを立ち上げる契約に合意した。「グリーン・ホスピタル」プロジェクトとして知られる今回の取り組みは,アスクレピオスが所有・運営する施設のひとつであるドイツ・ハンブルク市の病院をヨーロッパ初のパイロット施設とし,エコロジー(環境)の視点に立った改築や拡張の計画立案,設計を病院全体に展開していく。

  ハンブルグ市のアスクレピオス病院は,特にこの「グリーン・ホスピタル」プロジェクトに適している。エネルギー効率の視点から,既存建物の改装,設備新設を行い,プロジェクトの完了は2013年を予定している。

 ドイツのGE グローバル・リサーチ・センター(GRC)の5周年記念式典の一環として開催された協業契約の調印式にて,GEの会長兼CEOのジェフ・イメルトは「地球環境の保全なくしては,人間の健康は有り得ません。医療施設の環境コンセプトや設計について,お客様やパートナー各社と協力することで,エネルギー消費の削減,水資源の保全,病院施設内での再生エネルギー生成,大気環境の保全,廃棄物削減,スタッフの生産性向上,そして患者様の満足度向上を目指します」と述べている。

 世界各国のヘルスケア業界は,新たな病院や医療施設の設立に関して,新たな課題に直面している。天然資源が枯渇し,コストが上昇するなか,医療サービスの提供による環境の影響を極小化するための道筋をつくることが,これまで以上に求められている。今回の共同プロジェクトでは,エネルギー効率の高い病院を実現し,こうした課題に対応していく。これにより,様々な環境保護の施策との相互依存性をすべて考慮したうえで,概念計画の策定・設計を行うヨーロッパ初の病院となる。アスクレピオスとのドイツにおける緊密な協業以外にも,GEはヨーロッパ各国,南北アメリカ,アジア太平洋,中東などのお客様とも積極的に協力しており,世界中の病院における環境コンセプトの展開を推進している。

 本プロジェクトの完遂という目標のためには,階層別の実施という概念が必要。GEは,多岐にわたる事業部門から様々なニーズに応じた革新的ソリューションを提供し,アスクレピオスに対して病院構築・運営および設計効率の最適化に向けた独創的なコンセプトを提案する。イメルトは,「GEのグローバル・リサーチ・センターがミュンヘンにあるため,新製品のコンセプト立案や評価試験において,アスクレピオスと積極的に連携できるというメリットがあります」と続ける。評価対象となるGEの技術は,熱交換によるコジェネレーション(熱電併給)システム,太陽熱冷暖房,高エネルギー効率の医療機器・照明および浄化した水の再利用システムが含まれる。

●統合コンセプト

 「グリーン・ホスピタル」プロジェクトは,エコロジー(環境),エコノミー(経済),病院内の人々の健康・安心などの要素が組み合わさった多面的アプローチに基づいている。アスクレピオスのCEOであるDr. Tobias Kaltenbachは,「今回の協業は統合的コンセプトの展開であり,イノベーション,技術の進化,天然資源の責任ある利用という観点において相乗効果を生み出すものです」と述べている。

 GEヘルスケアドイツ社長兼CEOのDr. Rolf Lucasは,「環境への影響,およびコスト削減と同時に,患者様へのケアの質を改善できる素晴らしい機会」と強調しています。また「建物の設計,エネルギー管理から照明,制御システム,衛生面に至るまで,全ての領域が密接に関連しています。一連の取り組みは,革新的かつ信頼性やコスト効果の高いものとなるでしょう。結果として,今回必要となる投資金額は,今後3年から6年の間で償却される予定です」と述べている。

●ハンブルク市ハールブルク区のアスクレピオス・クリニックでの試験的プロジェクト

 Dr. Kaltenbachは,「今できることの限界を超え,様々なことを可能にしていきたいと考えています。ヘルスケア業界は,持続可能な施設づくりの先駆けとなるべきであり,今回のプロジェクトはこの使命を全うするための重要なマイルストーンとなると信じています」と述べている。また「グリーン・ホスピタル・プロジェクトの一部として我々は,エネルギー効率を30%改善すると同時にエネルギー消費を30%削減し,エネルギー構成比のなかで再生エネルギーの比率を最大30%まで拡大することを目指しています。我々の目標である30-30-30(%)というモデルは,再生エネルギー拡大というEUの目標にも適合していますし,実際EUより高い目標となっています」と話している。

 GEは4年前に,環境関連の課題解決に向けたグローバルの取り組みとしてエコマジネーション(ecomagination)イニシアティブを開始。アスクレピオスは,医療施設の構築・運営において包括的な専門知識を有する医療事業運営グループ。