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島津製作所
40組80本の光ファイバで脳の働きをくまなく可視化できる
新型近赤外光イメージング装置を発売

(2012/8/27)

●価格
2,897万5,000円〜
(本体・光ファイバモジュール4組・ホルダを含む,税別)
●問い合わせ先
(株)島津製作所
医用機器事業部マーケティング部販売促進グループ
TEL 075-823-1271
www.med.shimadzu.co.jp

 

島津製作所は,言語・視覚・聴覚・運動などに伴う脳活動を,非侵襲かつリアルタイムで観測できる近赤外光イメージング装置の新製品「SMARTNIRS(スマートニルス)」(医療用)/「LABNIRS(ラボニルス)」(研究用)を,8月23日に発売した。

*近赤外光イメージング装置は,生体透過性の高い近赤外光を頭部に照射し,生体内で散乱・吸収されながら反射される光の一部を検出することで,脳表面の活動状態をリアルタイムに可視化する装置。
安全かつ自然な状態で脳の活動状態を測定することができるという特長があり,医療分野をはじめ発達心理学や教育学,認知科学や工学分野などの幅広い研究分野において用いられている。

日本における精神疾患患者数は約300万人,向精神薬の処方件数は日本の総人口数を超えており,精神疾患の診断,治療は社会的な大きな問題となっている。効能の高い向精神薬の開発や精度の高い精神疾患の診断には,脳の活動状態を,より広範囲に,より高精度に,かつより高速度に測定する必要がある。
同社は,最大40組80本(従来比2.5倍)の光ファイバを搭載でき,かつ従来機と比べて5倍もの高速(最短6ミリ秒)でデータの収集ができる新型近赤外光イメージング装置を開発した。これにより,これまでの限られた関心領域の脳機能計測に加えて,全頭計測や複数名の同時計測,関心領域の高密度測定,脳血流測定の精度を高めてこれまで以上に素早い神経活動を捉えるなど,日々進化する脳機能研究のあらゆるニーズに応えることができる。

本装置は,医療分野においては,脳卒中患者のリハビリテーション効果の評価や精神疾患の解明,そしてこれらに対応した治療方法の確立など,基礎研究から臨床応用まで幅広く貢献する。産業応用分野では,ロボット工学への応用研究や感性評価の側面から商品開発を科学的に支援する。
同社は最先端の脳機能研究を強力に支援する本装置を市場に投入することにより,売上の拡大を図る。
なお,本装置は,文部科学省脳科学研究戦略推進プログラムの成果を一部利用している。

●主な特長

(1)脳全域を高密度に測定
40組80本(従来比2.5倍)の光ファイバを搭載し,脳表面の測定数を増量かつ高密度化することにより,脳全域をくまなく計測することができる。

(2)データ収集の高速化
最短6ミリ秒毎という高速データ収集により,高速に変化する信号も観測することができる。

(3)頭皮血流による影響の低減
頭皮血流による影響を低減することで,脳血流をより正確に測定することができる。

(4)優れたアップグレーダビリティ
光ファイバモジュールを4組から最大40組まで拡張することができる(従来機は最大16組)。初期の導入費用を抑えるとともに,モジュールを増設することでチャンネルを簡単にアップグレードすることができる。

(5)「かんたん操作,かんたん表示」(精神科対応)
うつ病の鑑別診断補助への応用が期待できる解析ソフトウェアを追加し,ワンクリックでデータ解析することができる。