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MRI  MRI

GEヘルスケア・ジャパン
「Signa甲子園 2012」を開催
−MRIの先進的な撮像技術を共有する「カイゼン」活動を通じて,
診断の標準化・質向上を図る−
〜横浜栄共済病院(神奈川県)高橋光幸氏が最優秀賞を受賞〜

(2012/12/18)

●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
コミュニケーション本部
ブランチャード美津子/松井亜起
TEL 0120-202-021 FAX 042-585-5360
Mail: mitsuko.blanchard@ge.com / aki.matsui@ge.com
www.gehealthcare.co.jp

 

医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー,GEヘルスケア・ジャパン(株)は12月8日(土), MRI(磁気共鳴断層撮影装置)の先進的な撮像技術の共有を通じて, MRI診断の標準化やレベルアップを図る「Signa甲子園 2012」(MR Signaユーザーズミーティング・全国大会)を下記の通り,開催した。

MRIの画像は操作を担当する放射線技師や臨床検査技師のテクニックに依存する面が大きいため,同社ではGE MR Signaシリーズのユーザーがそれぞれの撮像技術の創意工夫などの情報交換や交流を行う「Signaユーザーズミーティング」を全国各地で開催している。また,さらなる交流を図り,操作担当者に先進的な撮像技術を身につけてもらうために,2005年からユーザーズミーティングの全国大会である「Signa甲子園」を実施している。8回目にあたる今回の「Signa甲子園 2012」では,180名の全国のSignaユーザーの出席のもと,地方予選を突破した12代表がコンテスト形式で撮像技術の共有を図った。
全代表の発表終了後,各ユーザーズミーティングの審査員および会場の参加者が,各代表の「画質」・「創意工夫」・「臨床的実用性」を総合的に評価し,以下の通り3名の入賞者を決定した。

金賞:国家公務員共済組合連合会・横浜栄共済 高橋光幸氏
発表演題:「Gate SSFSE & Ccomp SPGRを組み合わせた胸部 MRI -超短時間検査法 -」
発表要旨:胸部のMRI検査を行う際には心血管系の拍動の影響を避けるため,心電図同期法を用いることが多いが,撮像時間が延長して画像が安定しないことや準備の手間がかかることから,難しい検査の1つとなっている。今回の本アイデアでは,脈波同期法を使用し,T2(Gated-SSFSSE法)及びT1(Ccomp-SPGR)強調画像を用いて,撮像時間の延長も少なくかつ,病変のコントラストも良好となる。今まで苦労してきた胸部検査を簡易的に行え,かつ診断能の向上につながる画期的なアイデアである。

銀賞:札幌医科大学附属病院 長濱宏史氏
発表演題:「1%の閃きと 99%の努力スキャン」
発表要旨:聴神経や顔面神経の検査時に高分解能スキャンとして用いられている3DのSteady-State法(FIESTA-C)の撮像条件設定における斬新なアイデア。MRIのデータを格納するK-Spaceの特長を検証し,この空間を埋めるデータ量を100%から99%に1%だけ設定値を減らすことで,撮像時間を大幅に短縮し,かつ画質の向上につながることを紹介されていた。

銅賞:宮崎県立日南病院 野口高志氏
発表演題:「バンディングアーチファクト解消術」
発表要旨:頚髄のミエログラフィーとして使用している3Dの Steady-State法(COSMIC)で問題となることが多い,ダークバンディングアーチファクトの解消法を紹介。GEの特長であるマニュアルプレスキャンの変更方法を工夫して,中心周波数を1ppmだけ変更することで,このアーチファクトが解消されるアイデアを紹介されていた。問題を解消するために,様々な検証を行ってきた中から発見されたアイデアである。

金賞を受賞した横浜栄共済病院 高橋光幸氏は,過去のSigna甲子園において,銅賞,銀賞を受賞しており,今回の金賞で,初のグランドスラムを達成した。高橋光幸氏は受賞後,「これで思い残すことはない(笑)。しかし,MR撮像技術改善のネタは尽きることがないので,引き続き患者さんのために挑戦を続けて行きたい」と,喜びの気持ちを語った。

Signa甲子園 2012受賞者(写真左より)実行委員長:北里大学病院 秦博文氏 銀賞受賞:札幌医科大学附属病院 長濱宏史氏 金賞受賞:国家公務員共済組合連合会・横浜栄共済 高橋光幸氏 銅賞受賞:宮崎県立日南病院 野口高志氏
Signa甲子園 2012受賞者(写真左より)
実行委員長:北里大学病院 秦博文氏 
銀賞受賞:札幌医科大学附属病院 長濱宏史氏 
金賞受賞:国家公務員共済組合連合会・横浜栄共済 高橋光幸氏
銅賞受賞:宮崎県立日南病院 野口高志氏

その後,GE Healthcare MRI最新技術紹介として,同社MRセールス & マーケティング部の丸山功男氏から, 11月25日から 11月30日に米シカゴで開催されたRSNA(北米放射線学会)で発表されたGEヘルスケアの新技術などをいち早く紹介した。

最後に特別講演として,福井大学医学部附属病院・藤原康博氏が,「3DASLの臨床応用」について講演を行った。 3DASL(Arterial spin labeling)は,現在臨床現場で注目を浴びている,造影剤なしに脳の潅流などを画像化できる新しいアプリケーションで,講演後には来場者と活発な質疑応答が執り行われた。

なお表彰式では,今回の「Signa甲子園 2012」で実行委員長を務めた北里大学病院の秦博文氏から入賞者に楯の贈呈が行われ,それぞれの発表に対してコメントした。

同社では,今回の「Signa甲子園 2012」の発表内容を,当日参加できなかった全国のユーザーに,Signaユーザー向け会員制ウェブサイト「Signa・る(シグナル)」(https://gecommunity.on.arena.ne.jp/signa-l_entrance/index.html)を通じて発表する予定。この「Signa・る」は開設後約8年で,2,500名以上のユーザー登録を獲得している。