INNERVISION

 


京都国際会議場


京都国際会議場メインホール
17日(月)の早朝から,ゴールド
メダルの授賞式,FellowやHonorary Memberの発表などが行われた。Fellowには成瀬昭二氏をはじめ8名,Honorary Memberには,ノーベル賞
受賞者の Lauterbur, Mansfield, Erunst,W
uthrichの4名が選ばれた。


M. E. Moseley会長
(スタンフォード大学)
メインホールを埋めた2000名近い参加者を前に開会の挨拶を述べた。


ゴールドメダルの授与


ゴールドメダルを受賞した
E. M. Haacke, Ph. D.


ゴールドメダルを受賞した
J. C. Gore, Ph. D.


第12回国際磁気共鳴医学会(ISMRM)
京都で開催
世界各国から4000名に及ぶ参加で
成功裏に終了

 

 国際磁気共鳴医学会(The International Society for Magnetic Resonance in Medicine:ISMRM)の第12回大会(ISMRM2004)が5月15日(土)〜21日(金)の7日間,京都(京都国際会議場)で開催された。アジアで初めてのISMRMとして記念すべき大会である。会期中あいにくの雨続きで天候には恵まれなかったものの,世界数十か国から4000名に及ぶ参加者が集い,早朝の7時からプログラムがぎっしり組まれて,終日熱気に包まれていた。また,同じく京都国際会議場にて第13回磁気共鳴技術士会(SMRT)年次総会が,15,16日に共催された。
 ISMRMは,世界の磁気共鳴医学における臨床応用から基礎的研究,技術開発までを網羅してリードするきわめて力のある学会として重要視されているが,1994年に「The Society of Magnetic Resonance in Medicine(SMRM)」と「The Society for Magnetic Resonance Imaging(SMRI)」の2つの学会が一緒になって現在に至っている。したがって,ISMRMの歴史は,1994年にダラス(アメリカ)で行われた第1回大会に始まっている。以後,アメリカを中心に,フランス,カナダ,イギリスなどで開催されてきた。“ISMRMの日本開催を!”という希望が国内で高まり,日本で最初のISMRM理事に就任(1997-2001)した高橋睦正氏(熊本大学名誉教授)をはじめ,続いて理事を務めた平敷淳子氏(埼玉医科大学放射線医学教室教授)(1999-2003),成瀬昭二氏(京都府立医科大学大学院医学研究科助教授)(2001-2005)を中心とする関係者の尽力により,この度の日本開催が実現したわけである。
 ISMRM2004京都開催にあたり,アジア諸国の代表も参加する組織委員会:Local Organizing Committee(LOC)が組織され,委員長に高橋睦正氏,副委員長に平敷淳子氏,事務局長に宮坂和男氏(北海道大学教授),会計監事に大友邦氏(東京大学教授),杉村和朗氏(神戸大学教授),成瀬昭二氏,書記に渡部徳子氏(東京水産大学教授)が就任した。ISMRMは開催国がどこであっても,実務はすべてISMRMが行い,大会長も開催国から選ばれずにISMRM会長が務めるという,徹底した学会主導が特徴であり,LOC(組織委員会)の権限はかなり制限されるという。そのなかで,日本独自の特色を出す努力がなされた。特に今回は,会期中17日〜19日の午後6時半から8時まで,LOC組織委員会が企画・共催した日本人向けの「イブニングセミナー」が開催された。当日発表された最先端のトピックスを基礎と臨床に分けて,それぞれのダイジェストを第一線で活躍する演者が日本語で解説するという試みで,日本人にはうれしい企画であった。
 次回の第14回大会(ISMRM2005)は,2005年5月7日〜13日にかけて,アメリカのフロリダ州マイアミビーチで開催される。

 

*本誌では,次号8月号にて,SMRM2004のトピックスを以下のテーマでご報告する予定である。
  ● 基礎の立場から:犬伏俊郎(滋賀医科大学)
  ● 臨床の立場から:青木茂樹(東京大学)
  ● 技術の立場から:宮地利明(金沢大学)




● 2004 ISMRM Lauterbur Lecture ●

座長:小川誠二

座長:R. Gruetter


2002年のノーベル化学賞受賞者Kurt Wuthrichが「From Immune Suppression to Mad Cow Disease ; In Vitro NMR Spectroscopy with the Molecules of Life」と題して講演



● Plenary Lectures ●

座長:S. Cerdan

「From the Genome to the Metabolome by NMR」
K. M. Brindle


「The Tumour Metabolome by 1H MRS : Implications for Medical Diagnosis」
J. R. Griffiths


「MR-Based Metabonomic Approaches in Toxicology, Diagnosis and Global Systems Biology」
J. K. Nicholson



高橋睦正 LOC委員長

平敷淳子
LOC副委員


成瀬昭二 LOC会計監事
Moseley会長と機器展示会場にて


登録受付が並ぶ エントランス


常に大勢の参加者で賑わうメインホール前のロビー

順番待ちの行列が絶えなかった
E-mail station


2003年ノーベル賞受賞者LauterburとMansfieldを映像で紹介

Technical Exhibition
(メイン・イベント・ホール)
約50の企業が出展。16日(日)にはスペシャル・オープニング・レセプションの会場にもなった。


日本人向け
「イブニングセミナー」会場
1日2会場で3日間にわたり,エキスパート12名が解説を行った。

 
イブニングセミナーを企画・実行された成瀬昭二氏(左)と杉村和朗氏(右)


17日(月)に「臨床」を担当された青木茂樹・東京大学助教授


17日(月)に「基礎」を担当された犬伏俊郎・滋賀医科大学教授