取材報告

2005
シーメンス,今春発売の新技術「DynaCT」の
学術講演プレスセミナーを開催

高野英行 氏
高野英行 氏
(千葉県がんセンター)


ベルンド・ヴェーバー 氏
ベルンド・ヴェーバー 氏
(シーメンス旭メディテック(株))


林 昭人 氏
林 昭人 氏
(シーメンス旭メディテック(株))



「DynaCT」の画像
「DynaCT」の画像
(千葉県がんセンター提供)

 シーメンス旭メディテック(株)は,1月26日(火),ホテル西洋銀座で,学術講演プレスセミナーを開催した。このセミナーは,アンギオ装置でマルチスライスCTのような立体断面画像を生成できるというシーメンスの最新技術,「DynaCT」がテーマ。千葉県がんセンター画像診断部の高野英行部長による講演が行われた。

 講演に先立ち,同社のAXビジネスマネジメントグループのビジネスマネージャーであるベルンド・ヴェーバー氏が挨拶に立った。同氏は,「DynaCT」が,診断,治療,フォローアップという目的ごとにモダリティを使い分けている現状に,大きな変化をもたらすものだと述べ,今年3月の国内販売に向けての意気込みを語った。また,挨拶に続き,AXビジネスマネジメントグループシニアスペシャリストの林 昭人氏が,「DynaCT」の技術解説を行った。

 「DynaCT」は,RSNA 2004(北米放射線学会)で発表され話題を呼んだ技術である。フラットパネルディテクタ(FD)を搭載したアンギオ装置で,Cアームを回転させて3Dイメージングを行い,CT画像のような軟部組織や低濃度の造影血管,腫瘍などが描出できる。同社のアンギオ装置である「AXIOM Artis dFA/dTA/dBA」の3機種にオプションで搭載可能。FDでの広いダイナミックレンジでの高密度データを高速収集し,コーンビーム再構成法で画像化する。さらに,補正によりアーチファクトを軽減し,10mm/10HUという密度分解能を実現した。生成画像の操作は,インターベンション手技中でも室内で行え,従来のように,アンギオ室からCT室に搬送してCT画像を撮影する必要がなくなる。頭腹部領域のインターベンションにおける低濃度な病変部の把握,組織中への出血や,塞栓治療後の効果の確認などへ適用が考えられるという。

 学術講演を行った高野氏は,「インターベンション領域における新技術『DynaCT』の可能性について」と題し,2004年11月からの使用経験を報告した。高野氏は,「DynaCT」の血管造影での役割として,腫瘍,血管分岐・動脈注入部位,動脈塞栓術での塞栓領域,ステントの三次元的位置・形状の確認,ニューロナビゲーションを挙げ,鮮明な断面像や3D画像を供覧した。また,被曝線量についても触れ,通常のCTよりも理論上10/1になることから,小児にも適用できると説明。さらに,今後,手術や救急での有用性も高いとの見解を示した。

 今回紹介された「DynaCT」は,初年度35システムの販売を見込んでるという。新規導入時のオプションのほか,すでにアンギオ装置が稼働している施設にも,アップグレードで対応する。ヴェーバー氏が挨拶の中で使った「エポックメーキング」という言葉のとおり,インターベンションなどの治療はもちろん,整形や消化器領域の検査形態にも影響を与えるものとして注目を集めそうだ。



●問い合わせ先
シーメンス旭メディテック株式会社
メディカルソリューションマーケティング本部
TEL 03-5423-8340
URL http://www.med.siemens.co.jp