取材報告

2005
東大病院「22世紀医療センタープロジェクト」,
ハイメディックとGEYMSが新たに参加
寄付講座の設立と検診事業の開始

会見風景



 2006年竣工予定の新中央診療棟に「22世紀医療センター」の設置計画を進めている東京大学医学部附属病院は,検診事業などを手掛ける(株)ハイメディック,およびGE横河メディカルシステム(株)と連携し,画像診断学の寄附講座と検診事業を新たに開始することを発表した。東大病院ではこれまでにも,22世紀医療センタープロジェクトに賛同する企業12社との連携を発表しており,今回新たに2社が加わり計14社となった。

 「22世紀医療センター」は,企業との産学連携により,これまでの大学病院では扱われなかった新しい研究を行っていくことで,わが国の医学界・産業界の発展に貢献するという役割が期待されている。国立大学ではこうした大規模な試みは珍しいが,産学連携はいまや世界的な流れとなっており,同センターでは大学病院の新しいあり方の確立を目指して,産業の発展やより良い医療の提供,人材育成など公共性・公益性を追求するとともに,大学病院としての経済的自立も実現させたいとしている。

 ハイメディックおよびGEYMSの賛同により設立される新たな寄附講座は「コンピュータ画像診断学/予防医学」。本講座では,ハイメディックが同センターに設置を予定しているPET装置や3T MRI装置など最先端の画像診断機器から得られるデータを集約し,その解析法や予防医学領域への応用の可能性について研究する。また,得られた成果から,画像診断を中心とした予防医学の質を向上させる技術の創造を目指している。寄付金額は5年間で2億5000万円(年間5000万円)とし,客員助教授を2名,客員助手を1名配置する予定だ。

 一方,ハイメディックと業務委託契約を結んだ検診事業では,予防医学の重要な実践の場として期待されるとともに,検診から得られる貴重なデータを寄附講座「コンピュータ画像診断学/予防医学」での研究に生かすことを目的のひとつに掲げ,2006年からの事業開始を計画している。PET/CTや3T MRIなどを利用することで,世界的にも最先端となる検診システムが確立されることになる。東大病院によれば,ハイメディックとの連携の背景には,同社の検診実績によるところが大きいという。ハイメディックは1994年,山中湖クリニックに「ハイメディック山中湖倶楽部」を開設し,PETなどの最新機器を利用した会員制の健康診断サービス事業で成功を収めている。会員制にすることで,受診者の長期的なフォローアップができるため,疫学的な研究のデータ収集もスムーズに行える。このことから,今回,寄附講座と検診事業が並行して設立されることとなった。東大病院は「検診内容の決定」と「画像の読影」などを担当し,東大病院への紹介も受け付ける。

 大学病院での先端的研究と会員制検診事業のコラボレーションは,いままでにない試みであり,大学病院の新しい方向性として注目される。


これまでに連携を決めている企業

・(株)NTTデータ…………………健診情報学講座
・(株)メディネット…………………免疫細胞治療講座
・田辺製薬(株)…………………臨床分子疫学講座
・佐川急便(株)…………………ホスピタル・ロジスティクス講座
・テルモ(株)…………………腎疾患総合医療センター
・武田薬品工業(株)…………………統合的分子代謝疾患科学講座
・アンジェスMG(株)…………………先端臨床医学開発講座
・(株)サトウスポーツプラザ
     …………………加圧トレーニング・虚血循環生理学講座
・(株)日立製作所・(株)日立メディコ…………………健康医科学創造講座
・中外製薬(株)…………………関節疾患総合研究
・ニッセイ情報テクノロジー(株)…………………医療経営政策学


●問い合わせ先
東京大学医学部附属病院企画経営部:井出
 TEL 03-5800-8619 
URL:http://www.h.u-tokyo.ac.jp/
(株)ハイメディック/リゾートトラスト(株)広報室:勝賀瀬
 TEL 03-6731-0719 
URL:http://www.resorttrust.co.jp/
GE横河メディカルシステム(株)広報グループ:松井
 TEL 042-585-9249 
URL:http://www.gehealthcare.co.jp/