取材報告

2005
シーメンス旭メディテック,
日本におけるドイツ年2005/2006 「Efficiency in Healthcare」を開催

セミナー風景


Jochen Dick氏
Jochen Dick氏
(シーメンス旭メディテック
代表取締役社長)

 

司会の生島ヒロシ氏
司会の
生島ヒロシ氏

 

 4月から開催されている,「日本におけるドイツ年2005/2006」のイベントの一環として5月18日(水),シーメンス旭メディテック株式会社主催の医療シンポジウム「Efficiency in Healthcar――Challenges in Japan and Germany」が,六本木 ヒルズ内タワーホールを会場に開催された。はじめに,司会の生島ヒロシ氏が登場し,本シンポジウムの開催趣旨を説明。日独両国で医療制度改革が進む中,医療費の抑制や患者のQOL向上にとって欠かせないものに最先端の医療機器があり,同社の果たすべき役割とともに,両国の問題点を解決するための方策などについて共に考えていきたいと話すと,会場からは大きな拍手が沸き起こった。続いてJochen Dick代表取締役社長が挨拶に立ち,医療分野での永年にわたる両国の友好的な伝統を踏襲する,良い機会となることを望んでいると述べた。

 セッション1の「ドイツ,日本それぞれにおける医療制度,臨床上の課題について」では,Hamburg-Eppendorf大学メディカルセンター・メディカルディレクター兼CEOのJoerg F.Debatin氏が,有能な研究者の海外への流出が続いているドイツの大学の現状を伝えた。原因として官僚主義,厳しい階層制度,研究費や給与に恵まれないなどの問題があるとし,人材やITの活用によるメディカルクオリティの向上と,大学病院が常に高稼働率であることが,問題の解決に必要であると述べた。また,東京医科大学医療情報学教室教授の名和 肇氏は,肺がんと乳がんを例に挙げて,DPCに基づく包括払い制度の概要や診療報酬の算定方法などについて説明した。がんの早期発見は医療費の抑制につながるが,健診に必要な画像診断の保険点数は低く設定されているため,見直す必要があるとの考えを示した。

 セッション2の「ドイツ,日本それぞれにおける病院経営,IT化について」では,SANAクリニック代表取締役のUlrich Bosch氏が,私立病院チェーンをつくることで経営を盛り立てることができるとの考えを示した。また,国際医療福祉大学大学院院長の開原成允氏は日本のIT化の現状について,情報の標準化が図られていないために,情報の共有や連携を行うシステム構築が進んでおらず,期待していたほどの成果は上がっていないと語った。基調講演では,シーメンスメディカルソリューションズAX PresidentのNorbert Gaus氏が,われわれの医療ワークフロー最適化のための新技術によって,医療の質の向上とコストの削減は同時に達成可能であると述べた。

 これらの講演を踏まえたパネルディスカッションでは,新たに加わった東海大学医学部附属病院リニューアル推進部長/診療部次長の田中 豊氏が,同院ではITへの対応や投資の仕方により実際にどれだけ利益が向上したか,などについて具体的に話した。他のパネラーからも,まず何に投資するべきか,それが患者の利益や病院のコスト削減につながるか,などについて活発な意見が交わされた。

●「日本におけるドイツ年」とは
 日独両国が150年近くにわたり築いてきた信頼と友好をさらに深めていくことを目的に,2005年4月〜2006年3月まで,文化・科学・経済の分野を中心に全国各地で300件以上のイベントが実施される。
(オフィシャルURL:http://www.doitsu-nen.jp/index_JA.html


Joerg F. Debatin 氏
  名和 肇氏   Ulrich Bosch氏
Joerg F. Debatin 氏   名和 肇氏   Ulrich Bosch氏
開原成允氏   Norbert Gaus氏   田中 豊氏
開原成允氏   Norbert Gaus氏   田中 豊氏


●問い合わせ先
シーメンス旭メディテック株式会社
TEL 03-5423-8368
http://www.med.siemens.co.jp/