取材報告

2005
NPO法人 乳房健康研究会,
プレスセミナー「乳がん検診は今」を開催
乳がん検診の最新調査報告

会場風景
会場風景

霞 富士雄氏
霞 富士雄氏
(写真1)

島田菜穂子 氏
島田菜穂子 氏
(写真2)

福田 譲 氏
福田 譲 氏
(写真3)

野末 悦子氏
野末 悦子氏
(写真4)

沢井清司 氏
沢井清司 氏
(写真5)

 NPO法人乳房健康研究会は9月28日(水),ホテルセンチュリーハイアット東京において「乳がん検診は今」と題して,乳がん検診の最新調査報告を行った。乳房健康研究会は,2000年に4名の医師が,乳がんの早期発見による死亡率低下をめざして組織したものである。以来,さまざまな啓発運動や調査活動を実施しており,2003年にはNPO法人の認証を受けた。今回のプレスセミナーでは,本会が特に力を入れている乳がん検診の実態調査を速報として公表。この調査は,2005年6〜8月まで,調査プロジェクト「乳がん検診は今」として進められたもので,2002〜2003年にかけて実施された調査に続いて2回目となる。

 まずはじめに,設立メンバーで理事長の癌研有明病院レディスセンター長の霞 富士雄氏(写真1)が,発会のきっかけとなった5年前のわが国における乳がんに対する意識の低さや,乳がん検診の先進国とも言える米国の状況を紹介し,わが国の現状を解説した後,4項目についての調査結果が報告された。副理事長で,丸の内・女性のための統合ヘルスクリニック(通称:イーク丸の内)副院長である島田菜穂子氏(写真2)は,2005年3月発令の「マンモグラフィ緊急整備事業」,「撮影技師および読影医師の養成研修事業」推進のために拠出された補助金について,各都道府県の事業費の活用動向を探り,マンモグラフィ装置導入の阻害要因や技師・医師養成の際の問題点に言及。次に,同じく副理事長の聖マリアンナ医科大学乳腺・内分泌科教授の福田 譲氏(写真3)は,2004年3月に厚生労働省が出した「40歳以上,マンモグラフィ検診併用原則」という,それまでの制度を見直した指針を受けて,マンモグラフィ検診導入へと大きく動いた各自治体の動向を報告。今後は,都市部の受診率アップが問題だと指摘した。同じく副理事長でコスモス女性クリニック院長の野末悦子氏(写真4)は,一般女性の乳がんに対する意識行動調査を,首都圏30km圏内に住む30〜69歳の女性に行い,乳がんへの関心度やマンモグラフィの認知度は上がったものの,受診率アップにはつながっていないとし,企業の職域における検診の重要性が増していると報告した。最後に,京都府立医科大学内分泌・乳腺外科助教授の沢井清司氏(写真5)が「働く女性と乳がん検診」と題して,働く女性の健康をサポートする健康保険組合が乳がん検診に対する意識の低いことを指摘した。健保は,希望者の検診だけでなく,全員が受診できるような体制をめざしてほしいと結んだ。

 調査報告の後,本会事務局から「ピンクリボン運動のこれから」が発表され,続いて,こうした活動に協賛している化粧品会社のエイボン・プロダクツ(株)と,自社の女性社員全員にマンモグラフィが受診できるようにした,富士フイルムメディカル(株)の健康保険組合の取り組みの報告が続いた。また会場には,GE横河メディカルシステム(株)や東芝メディカルシステムズ(株)などの協賛企業がブースを出し,ピンクリボン運動関連グッズやパンフレットなどを展示して,活動支援をアピールしていた。セミナー終了後の懇親会では,同ホテル『翡翠宮』の協力を得て,乳がんに配慮した薬膳料理も提供された。

 女性の乳がん死を減らすために行われている,こうした乳房健康研究会の地道な調査活動と,幅広く確かな啓発運動が,乳がん死亡率低下の実現として実を結ぶことが望まれる。


●問い合わせ先
乳房健康研究会 運営事務局(岸/高木)
TEL 03-5565-3650 FAX 03-5565-4914
E-mail brestc@ellesnet.co.jp
http://www.breastcare.jp/