取材報告

2007
TOSHIBA The Best Image 2006
―クリニカルバリューを求めて“ Quest for the Best ”―

会場風景
会場風景

The Best Image 2006表彰式
The Best Image 2006表彰式

The Best Image 2006のディスカッション
The Best Image 2006のディスカッション

桂田昌生 取締役社長
桂田昌生 取締役社長
(写真1)

森山紀之 氏
森山紀之 氏
(写真2)

辻岡勝美 氏
辻岡勝美 氏
(写真3)

栗林幸夫 氏
栗林幸夫 氏
(写真4)

片田和廣 氏
片田和廣 氏
(写真5)

似鳥俊明 氏
似鳥俊明 氏
(写真6)

吉川純一 氏
吉川純一 氏
(写真7)

水口安則 氏
水口安則 氏
(写真8)

 東芝メディカルシステムズ(株)は1月14日(日),東京国際フォーラム(千代田区)にて,「The Best Image 2006」を開催した。画論として1993年にスタートした「The Best Image 」は,画像の質と臨床価値をイメージングのエキス パートによる総合的な視点から判断し,“最良のイメージ”を追求するイベントである。14回目を迎える今回は,CT部門213点,MR部門123点,超音波部門249点,の画像の応募があり,上位74施設が入賞した。入賞画像の発表と表彰式では,各部門の代表審査員が総評を述べた。CT部門では,新設されたテクニカル賞を審査した藤田保健衛生大学衛生学部診療放射線技術学科助教授の辻岡勝美氏(写真3)が,ポジショニングの新規性や被曝低減に配慮したスキャン時間の設定に注目したと述べた。また,造影剤の注入法でも工夫が見られたと評価した。慶應義塾大学医学部放射線科学教室教授の栗林幸夫氏(写真4)は,心大血管部門の応募数が全体でもっとも多かったとし,CTの多列化により臨床的有用性が現場で確立してきたとの考えを示した。栗林氏は,診断,治療に必要な情報をどのように工夫して提供しているかを見たと述べた。また,CTの普及に伴い検査が増えている小児領域での被曝低減も選考にあたって重視したと話した。最後に,藤田保健衛生大学医学部放射線医学教室教授の片田和廣氏(写真5)が,いかに困難な条件にチャレンジして撮影されたかも選考理由の1つであるとした。MR部門では,杏林大学放射線医学教室教授の似鳥俊明氏(写真6)が,昨年は最優秀賞に該当のなかった1.5テスラMR部門において今回充実した画像が多数集まったと述べた。続いて,超音波部門では,大阪掖済会病院の吉川純一氏(写真7)が,心臓・血管部門で血管領域の画像が多かったことについて,担当の医師や技師が時代の流れをつかんでいると評価した。国立がんセンター中央病院の水口安則氏(写真8)は,臨床的有用性,画質,撮影条件,創意工夫,新しい技術をうまく利用できているか,の5つの観点に重点をおいて審査を行ったと述べた。同氏は,きれいなだけではなく,正しい診断に導く画質が必要であるとも強調した。

 表彰式に続いて,桂田昌生取締役社長(写真1)が挨拶に立ち,医療機器分野ではユーザーの考えや希望を反映した商品企画がさらに重要になるとして,「The Best Imaging」での交流を図ってくと述べた。さらに,画像診断分野への展開を中心に日本の医療へ貢献していきたいと同社の姿勢を示した。

 特別講演では,国立がんセンターがん予防・検診研究センター長の森山紀之氏(写真2)が「がん予防・診断における画像診断の役割・将来」と題して特別講演を行った。森山氏は,今後の画像診断には,精度,検査効率,レポーティングシステム,客観性,IVR手技,遺伝子診断・治療における生検用画像システムの向上などが求められると述べた。

The Best Image 2006 審査員(敬称略)
●CT部門
片田和廣(藤田保健衛生大学医学部放射線医学教室教授)
森山紀之(国立がんセンターがん予防・検診研究センター長)
栗林幸夫(慶應義塾大学医学部放射線科学教室教授)
吉岡邦浩(岩手医科大学放射線医学講座助教授)
辻岡勝美(藤田保健衛生大学衛生学部診療放射線技術学科助教授)
宮下宗治(耳鼻咽喉科麻生病院診療支援部部長)
八町 淳(長野赤十字病院中央放射線部課長)


●MR部門
似鳥俊明(杏林大学放射線医学教室教授)
扇 和之(日本赤十字社医療センター放射線科副部長)
小林泰之(聖マリアンナ医科大学放射線医学教室講師)


●超音波部門
吉川純一(大阪掖済会病院)
松尾 汎(松尾循環器科クリニック)
竹中 克(東京大学医学部附属病院)
水口安則(国立がんセンター中央病院)
平井都始子(奈良県立医科大学)
金田 智(東京都済生会中央病院)
畠 二郎(川崎医科大学附属病院)

受賞施設

●CT部門
32ー64列マルチスライスCT部門
【優秀賞】

尾道市立市民病院
国立大学法人 北海道大学病院

【準優秀賞】
長崎記念病院
医療法人 医仁会 武田総合病院
慶應義塾大学病院
聖マリアンナ医科大学病院
医療法人 大成会 福岡記念病院

【テクニカル賞】
医療法人沖縄徳洲会 出雲徳洲会病院

32ー64列心大血管部門
【優秀賞】

神奈川県立こども医療センター
【準優秀賞】
医療法人 五星会 菊名記念病院
新潟県厚生農業協同組合連合会 佐渡総合病院
医療法人親友会 島原病院
佐賀県立病院好生館
特定医療法人社団カレスサッポロ 時計台記念病院

【テクニカル賞】
岩手医科大学附属循環器医療センター
医療法人社団 栄悠会 綾瀬循環器病院


8ー16列マルチスライスCT部門
【最優秀賞】

東京大学医学部附属病院(医療法人社団 墨田中央病院)
【優秀賞】
国家公務員共済組合連合会 三宿病院
神奈川県立循環器呼吸器病センター

【準優秀賞】
共愛会戸畑共立病院
社会福祉法人恩賜財団 済生会熊本病院
財団法人 倉敷中央病院

【テクニカル賞】
茨城県厚生農業協同組合連合会 総合病院 取手協同病院
       
シングル / 2ー4列CT部門        
【最優秀賞】

社会福祉法人恩賜財団済生会 埼玉県済生会川口総合病院
【優秀賞】
医療法人彰和会 北海道消化器科病院
【準優秀賞】
藤沢脳神経外科病院
医療法人積発堂 富永草野病院

【テクニカル賞】
社会福祉法人恩賜財団済生会 埼玉県済生会川口総合病院
医療法人彰和会 北海道消化器科病院


●MR部門
1/0.5/0.35テスラMR部門
【最優秀賞】

社会福祉法人 恩賜財団 済生会若草病院
【優秀賞】
医療法人社団 千歳豊友会病院
社会福祉法人 恩賜財団 済生会若草病院

【準優秀賞】
奥洲市総合水沢病院

  1.5テスラMR部門
【最優秀賞】

新潟県厚生農業協同組合連合会 佐渡総合病院
【優秀賞】
医療法人顕正会蓮田病院
医療法人 医仁会 武田総合病院

東海大学医学部付属大磯病院
【準優秀賞】
さぬき市民病院
医療法人 医仁会 武田総合病院
八戸赤十字病院
東海大学医学部付属大磯病院
蕨市立病院
脳神経セントラルクリニック
医療法人社団朝菊会昭和病院
社会福祉法人 恩賜財団 済生会熊本病院
共愛会戸畑共立病院


●超音波部門(敬称略)
心臓・血管部門
【最優秀賞】

医療法人社団倫生会 みどり病院(高橋 慶)
【優秀賞】
群馬大学大学院(根岸一明)
葛飾赤十字産院(島 義雄)
国立循環器病センター(水田理香)

【準優秀賞】
奈良県立医科大学(山下奈美子)
医療法人医仁会 武田総合病院(鮎川宏之)
医療法人天神会 新古賀病院(倉重康彦)
東海大学医学部付属病院(永田亜希子)
市立岸和田市民病院(六尾 哲)

腹部・表在部門
【最優秀賞】
神甲会 隈病院(河合岳郎)
【優秀賞】
医療法人社団圭徳会 神代クリニック(植田香代子)
北海道社会保険病院(古家 乾)
東海大学医学部付属病院(落合直子)
東海大学医学部付属病院(白石周一)
東海大学医学部付属病院(戸田玲子)

【準優秀賞】
奈良県立医科大学(藤本正男)
医療法人財団阪南医療福祉センター 阪南中央病院(小椋恵美子)
東海大学医学部付属病院(山本真一)
社会保険 紀南病院(木下博之)
東邦大学医療センター大森病院(原 真弓)
東海大学医学部付属八王子病院(瀬戸智恵子)
熊本赤十字病院(西小野昭人)
静岡県立静岡がんセンター(戸田瑞樹)

東海大学医学部付属病院(苅谷有紀)

 


●問い合わせ先
東芝メディカルシステムズ株式会社
「ザ・ベストイメージ」事務局
TEL 03-3818-2022