取材報告

2007
「消化管エコーセミナー in 東京」開催
〜急性腹症へのアプローチ〜
消化管エコー研究会/東芝メディカルシステムズ株式会社 共催

会場全景
会場全景

ハンズオン風景

ハンズオン風景
ハンズオン風景
参加者は女性が圧倒的に多い。消化管エコーは,今回のテーマである急性腹症の診断能が高いことなどが認められてきたため,手技を取得したいという受講者が増えているとのことだ。

 最近,注目されている消化管エコーの技術の向上と普及を目的とする「消化管 エコーセミナー in 東京」が2007年2月10日(土),すみだリバーサイドホール(東京都墨田区)で開催された。2005年2月から,消化管エコー研究会(代表世話人:畠 二郎・川崎医科大学検査診断学内視鏡・超音波部門教授)と東芝メディカルシステムズ社の共催によりスタートした本セミナーは,全国主要都市で行われ,今回で19回を数える。

 消化管は従来,超音波診断の対象としては難しい領域とされていたが,近年,装置技術の進歩により分解能が向上し,薄い消化管壁の描出が可能になったことや,学会発表などで認知度が高まったことなどから,手軽で非侵襲的,かつ精度の高い検査としての有用性が注目されるようになってきた。消化管エコーの知識と技術の向上および普及をめざす本セミナーでは,解剖学に基づく系統的走査法のコツをレクチャーする“ライブデモ”や,グループ別に実機を用いて走査を 学ぶ“ハンズオン”が設けられるほか,テーマにそった症例提示と講演などが行われる。

 “急性腹症へのアプローチ”をテーマにした今回,来場者数は240名で,うちハンズオン参加者は84名であった。上部消化管・下部消化管・虫垂コースに経験年数でグループ分けされたハンズオン参加者は,会場内周囲に12台設置された東芝社製「Aplio」による手技の実演に熱心に見入っていた。
 本セミナーは今後も全国各地で予定されており,次回は再び東京で7月に開催されることが決まっている。お問い合わせ・お申し込みは下記を参照されたい。

消化管エコー研究会代表世話人・畠 二郎氏 消化管エコー研究会代表世話人・畠 二郎氏
(川崎医科大学検査診断学内視鏡・超音波部門教授)
肝・胆・膵に比べて消化管は場所が同定しにくく,高度なテクニックが求められるので,具体的なノウハウを学ぶことが必要です。そこで,知識・概念の普及や手技の向上を目的として,東芝社の協力を得てこのセミナーを始めました。ハンズオンでは,私が学会でも発表している解剖学に基づく系統的走査法を講習しています。消化管は内視鏡による診断が主流ですが,体外からプローブをあてるだけで簡単に診断がつけば患者さんのメリットになり,経済的にも身体侵襲的にも効率の良い医療を行えると信じて続けています。
 消化管エコーは急性腹症でもスクリーニングでも,第一選択の検査法になり得ます。また,肝・胆・膵のスクリーニングの際,消化管も系統的に走査することで,川崎医科大学のデータでは,急性腹症は100%,大腸や胃の進行がんも100%近い診断能が認められています。粘膜内の早期がんには積極的に内視鏡やX線造影検査を行い,なんらかの症状のある進行がんや強い炎症は超音波を行うというように,役割分担をして必要最小限の検査で的確な診断をしていくことが大事だと考えます。
 参加者の皆さんにはハンズオンで手技を取得し,日本全国で消化管エコーを展開していってもらいたいと思っています。“なにはともあれ超音波”という流れになることが夢です。

 


●問い合わせ先
(株)メディカルサプライジャパン(MSJ) 担当:山崎・西川
TEL 03-3818-2177 FAX 03-3815-2644
http://www.tmsj.co.jp/msj/
(ネットからの申し込みのみ)