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取材報告

2007
第7回日本脳神経外科術中画像研究会が開催


会場風景
会場風景

加藤庸子 会長(藤田保健衛生大学医学部脳神経外科教授)
加藤庸子 会長
(藤田保健衛生大学医学部
脳神経外科教授)
(写真1)

Peter M. Black氏(Brigham and Women's Hospital and Harvard Medical School )
Peter M. Black氏
(Brigham and Women's Hospital
and Harvard Medical School )
(写真2)

松前光紀 氏(東海大学医学部脳神経外科)
松前光紀 氏
(東海大学医学部脳神経外科)
(写真3)

村垣善浩 氏(東京女子医科大学脳神経外科)
村垣善浩 氏
(東京女子医科大学脳神経外科)
(写真4)

藤井正純 氏(名古屋大学大学院医学系研究科脳神経外科)
藤井正純 氏
(名古屋大学大学院
医学系研究科脳神経外科)
(写真5)

伊関 洋 氏(東京女子医科大学先端生命医科学研究所)
伊関 洋 氏
(東京女子医科大学
先端生命医科学研究所)
(写真6)

 第7回日本脳神経外科術中画像研究会が11月23日(金),名古屋マリオットアソシアホテルにおいて開催された。藤田保健衛生大学医学部脳神経外科教授の加藤庸子氏(写真1)が会長を務めた。「Peri-operative virtual realities」をテーマに掲げ,術前,術中,術後における画像情報を臨床成績の向上につなげていくための討論の場として32題の講演が行われた。術前画像,術中ナビゲーション,治療効果判定にMRI,CT,超音波診断装置を用いた演題などを通して,脳神経外科領域において画像情報が正確な診断,治療に欠かせなくなっている現状がうかがわれた。一方で,ナビゲーションシステムに頼り過ぎることを警告し,外科医としての手技の感覚の重要性を強調した演題も見られた。このほか,ランチョンセミナーでは日立メディコなど3社による製品紹介が行われた。
2題行われた特別講演では,Brigham and Women's Hospital and Harvard Medical School のPeter M. Black氏(写真2)が,「Intraoperative Imaging for Brain Tumor Surgery」と題して講演。東海大学医学部脳神経外科の松前光紀氏(写真3)は,「術中MRIの有用性」について講演した。松前氏は,CT室,MRI室,手術室兼血管撮影装置室が自動ドアで仕切られ,術中検査が可能な施設「MRXO」を紹介した。
教育講演は13題,一般演題は17題行われた。東京女子医科大学脳神経外科の村垣善浩氏(写真4)は,「術中MRIとアップデートナビゲーションは目標達成と安全性を両立させる」と題して講演。村垣氏は,術中MRIが可能なインテリジェント手術室に関して,症例を示した上で,計画通りの手術を高い確率で達成できたと述べた。名古屋大学大学院医学系研究科脳神経外科の藤井正純氏(写真5)は,「術中MRI時代に求められる高機能画像技術--二つの術中MRI手術室Brain THEATER & Brain SUITEの経験から」と題して講演した。ブレインシフトの補正や腫瘍の取り残しの問題の解決に術中MRIは不可欠だと述べた。その上で,残存腫瘍の空間認識には3D技術の発展が求められるとして,開発中の3D Virtual Surgescopeの有用性について説明した。東京女子医科大学先端生命医科学研究所の伊関 洋氏(写真6)は,「術中MRIと医療ディペンダビリティ」と題して,患者動態の予測,手術行為の実時間監視,手術記録の評価などを行う戦略デスクシステムの説明を中心に行った。戦略デスクシステムは,過去,現在だけでなく知識に基づいて将来を可視化するものだと述べた。
今回,海外からの参加者の姿も多く見られ,国際色豊かな研究会となった。加藤会長は,「国際的な環境の中で各分野のエキスパートと交流できる会にしていきたい」と小誌に対してコメントしている。
次回の第8回日本脳神経外科術中画像研究会は,「術中画像の夢」をテーマに,吉峰俊樹会長(大阪大学医学部脳神経外科教授)のもと,2008年7月26日(土)にグランキューブ大阪にて開催される予定である。


●問い合わせ先
事務局
端 和夫(太平洋脳神経外科コンサルティング代表)
http://www.pnc-hashi.org/