CCT2010（Complex Cardiovascular Therapeutics 2010）が，1月28日（木）〜30日（土）に神戸国際展示場を中心に開催された。CCTは、心疾患のカテーテル治療，外科手術，アブレーションなどの不整脈治療などの領域をカバーし，医師をはじめ，診療放射線技師や看護師などのコ・メディカルまで，循環器疾患の治療に関わるあらゆるスタッフが最新の知見や技術の習得，情報交換を目的に集う学会で2001年から開催されている。大会長は加藤 修氏（豊橋ハートセンター）で，今回のテーマは「Let's Dive for Pearls of Wisdom in Complex PCI〜A Legacy to Posterity」。発表は英語が基本で，世界各国から5000名以上が参加する国際的な学会となっている。
　 CCTの最大の特徴は，国内の循環器医療の最先端の医療機関と会場を結んで，実際のPCIなどの手技のライブ中継を行うことだ。今回もメインシアター（PCI Live Case Transmission15題）とマスターシアター(Masuter Live Case Transmission：加藤 修，鈴木孝彦，光藤和明，斎藤 滋，土金悦夫の各氏による実演)で終日中継が行われ，多くの参加者がエキスパートの手技と解説に熱心に聞き入っていた。
　 また，昨年急逝した玉井秀男氏（草津ハートセンター院長）を記念して「TAMAI Memorial Lecture」が設けられ，Martin B. Leon（Columbia University Medical Center,USA）, Antonio Colombo（EMO GVM Centro Cuore Columbus, Milan/San Raffaele Hospital,Italy）,Patrick W.Serruys（Thoraxcenter,The Netherlands）の各氏の講演が行われた。

　 展示会場では，テルモ（株），ボストンサイエンティフィックジャパン（株）などのカテーテル・ステントメーカー，（株）GEヘルスケアジャパン，シーメンス旭メディテック（株），（株）島津製作所などの画像診断機器メーカーなど40社が出展した。
　 また，展示会場内では「トレーニングセンター」として，CTスキルアップやFFR（fractional flow reserve）スタートアップ，OCTトレーニング，IVUSラーニング，PCIハンズオンなど，実践的でスキルアップに直結する企画が数多く行われていた。
　 10回の記念大会となる次回は，開催時期を秋に変更して2011年11月3日（木）〜5日（土）の3日間，日野原知明氏（米国・セコイア病院）を大会長として神戸国際展示場，ポートピアホテルで開催の予定。

ライブ中継会場は満員の盛況

CTスキルアップセミナーなど実践的な企画も多い

機器展示

展示会場では，アボットバスキュラージャパン（株），（株）グッドマン，日本メドトロニック（株），ジョンソン・エンド・ジョンソン（株）などのカテーテルやガイドワイヤーなどPCI関連のツールを提供する企業が展示の中心となっていた。画像診断機器関連企業は，規模は大きくないものの最新のモダリティや画像処理ソフトウェアを中心にパネルやモニタを使って紹介していた。

■機器展示会場のようす

■GE ヘルスケア・ジャパン

GEヘルスケアブース	Discovery CT 750HDによる心臓検査の画像を展示	カテラボの情報を統合的に管理する 「Centricity Cardiology Xi2」

GEヘルスケアは，同社の循環器に関連するシステムをワークステーションとモニタを中心に紹介した。血管撮影装置「Innovaシリーズ」のワークステーション，Discovery CT 750HDによる心臓検査の画像，循環器分野向けの画像情報システム「Centricity Cardiology Xi²」，循環器用ビューワ「CA1000」など，同社の豊富なラインナップの中からカテ室での運用に最適なシステムを選択して展示を構成した。

■シーメンス旭メディテック

シーメンス旭メディテックブース
	アンギオだけでなく「カーディオロジー トータルソリューション」を展示	循環器領域でも新しいワークフローを提案する「syngo.via」

シーメンスでは，従来からの血管撮影装置だけでなく「カーディオロジートータルソリューション」として，CT，超音波からMR，核医学まで含めて，トータルで循環器医療に対応できることをアピールする展示を構成した。さらに，昨年のRSNA2009で発表したばかりの「syngo.via」を出展。syngo.viaは，新しいコンセプトで開発された画像解析ソフトウエアで，CTやMRIの大容量データをインテリジェントに解析して処理し，ユーザーに最適な形で提供することで診断のワークフローを向上する。循環器領域でもCTが心臓検査のファーストチョイスになってきている中で，syngo.viaによるCTの新しい運用を提案していた。

■島津製作所	■根本杏林堂

■東芝メディカルシステムズ	■フィリップスエレクトロニクスジャパン