ホーム の中の取材報告の中の 2010の中の「第5回Open MRI研究会」開催─Open MRIの臨床応用に関する発表が増加

取材報告

2010
「第5回Open MRI研究会」開催
─Open MRIの臨床応用に関する発表が増加

前原喜彦 氏(九州大学)
前原喜彦 氏
(九州大学)

橋爪 誠 氏(九州大学)
橋爪 誠 氏
(九州大学)

  第5回Open MRI研究会が,2010年12月3日(金),九州大学医学部百年講堂にて開催された。共催は,九州大学病院先端医工学診療部と日本先端医療研究会。

  開催に先立ち,来賓の前原喜彦氏(九州大学大学院消化器・総合外科教授)が挨拶に立った。同大消化器・総合外科では,Open MRIによるリアルタイム性に優れた高精度ナビゲーションシステムを構築し,肝がんの穿刺治療などに臨床応用しており,腫瘍の局大部位の同定や,病変の穿刺治療効果の即時判定に有用と考えていると述べた。また,早期乳がんにおける確実な切除範囲の同定が可能となってきているとも述べ,今後は,ロボット手術,遠隔手術などへの応用や,診療科の垣根を越えた臨床応用により,患者のQOLの向上に寄与することを期待しているとした。次いで,開会の辞では,当番世話人の橋爪 誠氏(九州大学病院先端医工学診療部部長)が,同会が有意義な機会となることへの期待を述べた。

  今回は,セッションT〜Vの3部構成とし,全部で12題の口演が行われた。トライアルな報告が多かった研究会初期と比べ,5回目となる今回は,臨床応用に関する演題も増え,Open MRIの臨床への定着を感じさせた。セッションTの富川盛雅氏(九州大学病院先端医工学診療部)の「Open MRIを応用した3次元バーチャル画像によるリアルタイムナビゲーション下乳腺部分切除術の有用性」では,前原氏が冒頭で紹介した乳がん手術におけるOpen MRIの臨床応用について,症例を提示し,具体的な解説がなされた。

  閉会の挨拶では橋爪氏が登壇し,発表を通じて,Open MRI導入後,医師・研究者が段階を踏まえて,次の新たな問題意識を持ちながら治療や研究開発に臨んでいることが感じられたとし,今後,研究会の役割が発展し,良い方向へ進んでいくことを望むとまとめた。


●問い合わせ先
Open MRI研究会事務局
(九州大学病院先端医工学診療部内)
TEL 092-642-5992 FAX 092-642-5199

【関連記事】

九州大学病院,第1回Open MRI研究会開催