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取材報告

2011
第15回全国X線CT技術サミット開催
テーマは,「CT innovation−最新医療を支えるCT技術−」

福岡国際会議場
福岡国際会議場

会場入口
会場入口

受付風景
受付風景

会場風景
会場風景

シンポジウムの質疑応答風景
シンポジウムの質疑応答風景

総合司会:満園裕樹氏(北九州市立八幡病院)
総合司会:満園裕樹氏
(北九州市立八幡病院)

当番世話人:小川正人氏(産業医科大学病院)
当番世話人:小川正人氏
(産業医科大学病院)

実行委員長:坂本 崇氏(済生会熊本病院)
実行委員長:坂本 崇氏
(済生会熊本病院)

代表世話人:辻岡勝美氏(次回当番世話人)(藤田保健衛生大学)
代表世話人:辻岡勝美氏
(次回当番世話人)
(藤田保健衛生大学)

 「第15回全国X線CT技術サミット」が8月6日(土),福岡国際会議場で開催された(共催:全国X線CT技術サミット,九州CT研究会,第一三共株式会社,協力:インナービジョン,後援:(社)日本放射線技術学会九州部会,九州地域放射線技師会)。今回のテーマは「CT innovation−最新医療を支えるCT技術−」。さらに,3月11日の東日本大震災を受けて,スローガン「がんばろう日本! がんばろう東北!」が掲げられた。当番世話人は小川正人氏(産業医科大学病院)が務め,実行委員長の坂本 崇氏(済生会熊本病院)はじめ実行委員や九州CT研究会スタッフが万全の準備と運営を行った。当日は,台風の影響で沖縄からの参加が取りやめになったものの,全国から717名が参加し,会場となったメインホールは盛況を博した。
  今回は,逐次近似法を用いた新しい画像再構成法(IR法)やdual energy,monochromatic imagingといった最新技術にスポットを当てたプログラムで,基礎講演,シンポジウム,ワークショップが実施された。そのほか,ランチョンセミナー,一般演題(ポスター展示),機器展示も企画された。

  はじめに,代表世話人の辻岡勝美氏(藤田保健衛生大学)が開会の挨拶に立った。開会の辞では,7月16日に急逝した前・世話人の鈴木憲二氏(前・福島県立医科大学附属病院放射線部技師長,福島県放射線技師会会長)への哀悼の意が表され,追悼ビデオが流されて鈴木氏の業績や人柄を偲んだ。
  午前中は,2題の基礎講演が行われた。最初に八町 淳氏(長野赤十字病院)を座長に,辻岡氏による「CTの管電圧特性−線質が画質や被ばくへ及ぼす影響について−」が,続いて,宮下宗治氏(耳鼻咽喉科麻生病院)を座長に,市川勝弘氏(金沢大学)による「画像再構成の基礎と将来展望−FBP法とIR法−」が講演された。
  ランチョンセミナーでは,村上克彦氏(福島県立医科大学附属病院)が座長を務め,メーカー7社によるCT装置や画像再構成法,解析アプリケーションなど最新技術のプレゼンテーションが行われた。
  休憩を挟んで行われたシンポジウムでは,はじめに東日本大震災の犠牲者へ黙祷が捧げられた。シンポジウムは,「CT技術のinnovation−新しい再構成法の現状と課題−」をテーマに,小川氏と大沢一彰氏(済生会中和病院)を座長として,4名の発表者が主要メーカーの新しい画像再構成法について,性能評価や臨床使用経験を報告した。シンポジウムのディスカッションでは,被ばく低減の切り札として期待される画像再構成法(IR法)の適切な性能評価のためにも,画像評価法の確立が急務であることが再確認された。最後に行われたワークショップでは,「臨床技術のinnovation−新しい技術の現状と課題−」をテーマに,CT colonography,膵臓Perfusion,肺動静脈分離撮影,Dual energy/Monochromatic imagingといったCT装置の多列化,高速化によって可能となった新技術について発表が行われた。
  一般演題(ポスター発表)は,前回の倍を超える34題が寄せられ,同サミットへの関心の高さがうかがわれた。審査の結果,金賞,銀賞,銅賞,デザイン賞の4演題が選出され,表彰式でメダルが授与された。

  次回の第16回全国X線CT技術サミットは,2012年8月4日(土)に愛知県産業労働センター(ウインクあいち)で開催される予定である。当番世話人を辻岡氏,実行委員長を井田義宏氏(藤田保健衛生大学病院)が務める。

*第15回全国X線CT技術サミットの講演内容は,小誌10月号の特別報告で特集します。詳しくは10月号をご覧ください。
 
協賛企業
アクロバイオ,AZE,アミン,エス・アール,コニカミノルタヘルスケア,ザイオソフト,サイバネットシステム,シーメンス・ジャパン,GEヘルスケア・ジャパン,テクマトリックス,東芝メディカルシステムズ,東洋メディック,日本メドラッド,根本杏林堂,日立メディコ,フィリップスエレクトロニクスジャパン,富士フイルムメディカル,横河医療ソリューション,第一三共


一般演題(ポスター展示)会場
一般演題(ポスター展示)会場
協賛企業の機器展示会場
協賛企業の機器展示会場

【ポスター展示と表彰】

一般演題(ポスター展示)受賞者集合写真(左から,辻岡氏,銅賞・坂本友禎氏,金賞・片山竜也氏,銀賞・作田啓太氏,デザイン賞・高橋正司氏)
一般演題(ポスター展示)受賞者集合写真
(左から,辻岡氏,銅賞・坂本友禎氏,金賞・片山竜也氏,銀賞・作田啓太氏,デザイン賞・高橋正司氏)

産業医科大学病院・片山竜也氏 金賞 「X線ビーム幅が出力線量へ及ぼす影響−イメージングプレートを使用したX線ビーム幅および出力線量の測定−」 金賞
34「X線ビーム幅が出力線量へ及ぼす影響−イメージングプレートを使用したX線ビーム幅および出力線量の測定−」
産業医科大学病院・片山竜也氏 ほか

金沢大学附属病院・作田啓太氏 銀賞 「仮想単色X線画像(Monoenergetic imaging:MI)を用いた冠動脈CTステント内腔評価の基礎的検討−心拍数による影響−」 銀賞
19「仮想単色X線画像(Monoenergetic imaging:MI)を用いた冠動脈CTステント内腔評価の基礎的検討−心拍数による影響−」
金沢大学附属病院・作田啓太氏

広島市立安佐市民病院・坂本友禎氏 銅賞 「死因不明社会における心臓CTの有用性」 銅賞
9「死因不明社会における心臓CTの有用性」
広島市立安佐市民病院・坂本友禎氏

県立広島病院・高橋正司氏 デザイン賞 「64列MDCTによる被ばく線量低減技術を用いた心臓形態及び新機能検査に関するプロトコルの検討」 デザイン賞
16「64列MDCTによる被ばく線量低減技術を用いた心臓形態及び新機能検査に関するプロトコルの検討」
県立広島病院・高橋正司氏 ほか

●問い合わせ先
第15回全国X線CT技術サミット
http://www.kyushu-ct.jp/wp-content/summitfukuoka/index.html


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