FUJIFILM MEDICAL SEMINAR 2015 Report デジタル画像処理技術がもたらす未来

2015.7.4 in 釧路 講演『FPD導入によるワークフロー改善』より

CALNEO シリーズの救急,手術室での運用

尾形智幸(さいたま赤十字病院放射線科部)

さいたま赤十字病院は,標榜科目30科,病床数605床,外来患者数は1300人/日で,救命救急センターにおける2014年度の患者受け入れ件数は1万2680人,救急車受け入れ件数は7318件で,外傷受入件数は全国有数である。また,2014年度のX線撮影件数は,計約8万件に上る。
こうした状況の中,当院では2013年8月にポータブルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO Go」2台,2015年3月にVirtual Gridを搭載したポータブルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO flex」2式と長尺撮影用FPD「FUJIFILM DR CALNEO GL」を導入した。さらに,5月にはCALNEO GoにもVirtual Gridを搭載し,6月から両装置にて同時にVirtual Gridの運用を開始した。4台の装置のうち,CALNEO Go 2台は病棟撮影用として,CALNEO flexは,1台は救急外来で,もう1台は手術室専用として使用している。ポータブル撮影件数は,平日は病棟では45件/日,手術室では14件/日である。

CALNEO Goの運用と評価

CR使用時には,病棟での撮影に当たり,大量のカセッテを載せたカートとポータブルX線撮影装置を同時に運搬する必要があるため,4棟ある病棟にそれぞれ装置を1台ずつ設置して移動時の負担軽減を図っていた。また,撮影時には感染防止・体液付着防止のため,撮影1回ごとに新しいカセッテとグリッドをビニールカバーに入れ直す必要があるほか,画像処理は放射線科に戻ってから行うため,検査終了までにかなりの時間を要した。
一方,CALNEO Go導入後は,FPD 1枚を搭載した装置のみを運搬するため,移動が大変楽になった。現在,CALNEO Goは放射線科に設置し,2台で全病棟での撮影を行っている。FPDは,いったんビニールカバーに入れてしまえば撮影ごとの交換は不要で手間が大幅に軽減されたほか,特に整形外科領域の複数枚撮影では,カセッテ交換が不要なので,患者の負担軽減が図られた。また,CALNEO Goはコンソールと装置本体が一体型のためVirtual Grid使用時に撮影条件を変更しても撮影情報が連動しているので,撮影後に設定値の変更が不要である。さらに,本体の充電を行えばすべての充電が完了する点も大変便利である。

CALNEO flexの運用と評価

1.救急外来での有用性
救急外来では,CALNEO flexと17インチ×17インチのFPD「FUJIFILM DR CALNEO Smart C77」を,緊急のポータブル撮影と救急撮影室の両方で使用している。CALNEO Smart C77は側面が丸みを帯びたシェル形状であり,従来のFPDよりも撮影部位への挿入や抜き取りが行いやすくなった。また,CALNEO flexを撮影室でも使用することで,検査スピードが従来と比較して格段に速くなった。例えば手首の骨折例では,カセッテを交換することなく連続4回の撮影で4方向の画像が得られるため,患者の負担も大幅に軽減される。
そこで,救急外来にてCRとFPDで4回撮影した場合の画像処理までの時間を計ってみたところ,CRでは202秒,FPDでは58秒と半分以下であった。FPDでは撮影後すぐに画像が表示されることも検査時間の短縮に大きく貢献している。実際に,バックボードで固定されている患者の場合,身体の下にFPDを一度挿入すれば,FPDの位置を少しずらすだけで胸部と骨盤の2枚の撮影が約16秒で完了する(図1)。

図1 FPDを用いたバックボード撮影

図1 FPDを用いたバックボード撮影

 

2.手術室での有用性
手術室では,CALNEO flexと,17インチ×14インチのFPD「FUJIFILM DR CALNEO Smart C47」および12インチ×10インチの「FUJIFILM DR CALNEO C2430」を使用している。手術室にFPDを導入したメリットとしては,撮影の速さもさることながら,撮影ごとのカセッテ交換が不要な点がきわめて大きい。また,その場ですぐに術者が画像を確認できることも,医師にとって大きなメリットである。

今後への期待

CALNEO Go,CALNEO flexおよびFPDを導入したことで,撮影におけるワークフローが向上し,検査時間の大幅な短縮,カセッテ運搬・交換の負担軽減および患者の身体的負担の軽減,医師による素早い画像確認など,多くのメリットが得られた。また,
Virtual Gridを用いることで低被ばくでも高画質が得られており(図2),診療の質の向上にもつながっている。今後は,Virtual Gridの適用範囲のさらなる拡大にも期待したい。

図2 Virtual Gridの有無による画像比較

図2 Virtual Gridの有無による画像比較

 

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