技術解説(富士フイルム)

2016年8月号

Women's Imaging 2016 最新技術[Breast Imaging]

高画質と低線量を両立するための“トモシンセシス撮影用ソフトExcellent”

富士フイルムは,トモシンセシス撮影対応のマンモグラフィ装置「AMULET Innovality」用のソフトウェア“トモシンセシス撮影用ソフト Excellent”を開発しました。トモシンセシス撮影用ソフト Excellentは,富士フイルムがX線画像診断で長年培ってきた知見を活用して,被写体構造をより正確に認識する人工知能技術*1を搭載しており,高画質化や撮影線量の低減に貢献します。

●トモシンセシス画像の高精細化と粒状性改善

トモシンセシス撮影用ソフトExcellentは,逐次近似法と超解像技術を応用した再構成である“ISR処理(iterative super resolution reconstruction)”を搭載しています。逐次近似法は,人工知能に活用される認識技術を用いて投影像と断層像の比較を繰り返すことで,人体構造に当てはまらないパターンをノイズとして取り除き,被写体の立体構造を高精度に推定します。一般的に,逐次近似法は膨大な演算時間が必要ですが,富士フイルム独自のアルゴリズムとGPUでのソフトウェア最適化により実用可能な処理速度を実現しました。また,入力信号の解像度を向上し,高解像画像を生成する超解像技術をトモシンセシスに応用し,異なる角度から撮影した投影画像の位置情報を利用して高精細な断層像を作成します。これらの技術により,診断に適した高精細かつ粒状性の良い画像を提供し,低線量であっても従来技術では識別しづらかったノイズと微細石灰化を区別しやすくなります(図1)。

図1 一般的なFBP法による断層像(a)とISR処理を適用した断層像(b)

図1 一般的なFBP法による断層像(a)とISR処理を適用した断層像(b)

 

*1 人工的にコンピュータ上で人間と同様の知能を実現させるための一連の基礎技術のこと。当社は,X線画像の画像処理において,人工知能に活用されている画像認識技術を使用しています。
*2 マンモグラフィ装置「AMULET Innovality」(販売名:デジタル式乳房用X線診断装置 FDR MS-3500/認証番号:224ABBZX00182000)

 

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TEL 03-6419-8033
URL http://fms.fujifilm.co.jp

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