技術解説(GEヘルスケア・ジャパン)

2015年12月号

Nuclear Medicine Today 2015 ソフトウエアの最新技術紹介

次世代PET逐次近似画像再構成法“Q.Clear”

現在,PET検査において期待されているのが,治療効果判定への利用である。PET検査によって効果的な治療の選択,効果に応じた適切な治療への変更が可能となる。その際に,経時的な比較として使用されるのがSUV値であるが,このSUV値はさまざまな要因により変動するため,いかに精度が高く,安定性・再現性のあるSUV値を算出するかが重要になっている。
従来のPET逐次近似画像再構成法では,「演算」を繰り返して正しい画像データに近づけようと,その繰り返し回数(イタレーション)を多くすると,画像中のノイズを増幅させてしまうため,「画質」を優先して正しい「定量値(SUV)」に至る前に「演算数」を制限せざるを得なかった。
上記の課題を克服するために,“Q.Clear”では,逐次近似法を用いて画像を再構成する際に,演算の繰り返しを多く行ってもノイズが増大しないよう,アルゴリズム内にノイズをコントロールするための新たな演算式を組み込んだ。これによって,従来,相反関係にあった「画質」と「定量値」の双方が向上し,「十分収束し,安定したSUV」を提供でき,経時的な治療効果判定へのPET利用が可能となる。加えてQ.Clearでは,従来のPET画像再構成法と比較して画質が約2倍(当社比)向上しており,微小病変の描出能力や,隣接する病変の識別能力が高まる(図1)。さらに,肝臓のようにノイズの多くなりやすい部位でもクリアな画質を実現するため,診断精度が飛躍的に向上する。

図1 従来のPET逐次近似画像再構成法とQ.Clearとの比較

図1 従来のPET逐次近似画像再構成法とQ.Clearとの比較

 

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