New Horizon of 4D Imaging(ザイオソフト)

2017年9月号

岡山大学病院

大学病院の心臓部となる総合診療棟のCT、MRIの画像処理にZiostation2を新たに導入 〜高精細CTの解析や4台の最新MRIによる画像解析、定量化をサポート

岡山大学病院

岡山大学病院は、2017年5月にCTやMRIなどの放射線部門を集約した総合診療棟西棟がオープンした。高精細CTや最新の3T MRIなどの導入に合わせて、ザイオソフトの画像処理ワークステーションである「Ziostation2」が新たに導入された。高精細画像の診断や画像解析、画像データに基づく定量化といったトレンドに対応し、ワークステーションの活用を進める同院の現況について、医療技術部放射線部門の田原誠司技師長、大野誠一郎副技師長、赤木憲明副技師長とスタッフに取材した。

【CT部門】

田原誠司 技師長

田原誠司 技師長

赤木憲明 副技師長

赤木憲明 副技師長

森光祐介 技師

森光祐介 技師

 

【MRI部門】

大野誠一郎 副技師長

大野誠一郎 副技師長

松下 利 技師

松下 利 技師

 

 

大学病院の心臓部となる総合診療棟が完成

2017年5月にオープンした総合診療棟西棟には、CT、MRIなどの放射線部門のほか、創薬や機器開発を進める新医療研究開発センター、バイオバンク、治験病床などが入る。一足先に2013年にオープンした、IVRセンターやハイブリッド手術室を含む20の手術室などがそろう東棟と合わせて、大学病院として診療の心臓部が整備されたことになる。
放射線部門には、診療放射線技師52名が在籍するが、田原技師長は検査体制について、「以前はモダリティ別のグループでしたが、総合診療棟の完成で現在は西棟(CT、MRI、一般撮影など)、東棟(IVRセンター、手術室)、中央診療棟(放射線治療、核医学)の建物ごとに分け、スタッフはその中でローテーションしています。西棟のオープンで、それまで院内の各所に分散していたCT、MRIが1か所に集約されて、技師や看護師をはじめスタッフが動きやすくなり、効率的な検査を提供できる体制が整いました」と説明する。
西棟1階のCT部門には、高精細CT「Aquilion Precision」が新たに導入され、そのほか320列の「Aquilion ONE / ViSION Edition」(以上、東芝メディカルシステムズ)、「SOMATOM Definition Flash」(シーメンスヘルスケア)、「Discovery CT750HD」(GEヘルスケア)の4台が稼働する。また、地下1階のMRI部門には、3.0Tの「MAGNETOM Prisma」と、1.5Tの「MAGNETOM Aera」が新規に導入され、既存の3.0T「MAGNETOM Verio」「MAGNETOM Skyra」の2台を含めて4台体制となった(すべてシーメンス社製)。

総合診療棟のオープンを機に新たにZiostation2を導入

同院では、総合診療棟のCT、MRI稼働に合わせて新たにZiostation2を導入した。CT部門には、高精細CTに対応したワークステーションであるZiostation2“1K Premium”が2台、MRI部門にはネットワーク型(ZIOBASE model-R 6TB)を導入し4台のMRIのコンソールに併設してスキャンと同時に画像処理が行える体制を整えた。両部門でのZiostation2の活用と今後について各部門のスタッフに聞いた。

CT部門ではZiostation2“1K Premium”を導入

CT部門ではZiostation2“1K Premium”を導入

4台のMRIの解析をZiostation2で行う。

4台のMRIの解析をZiostation2で行う。

 

【CT】高精細CTの画像処理に対応したZiostation2“1K Premium”を導入
Aquilion Precisionは、体軸方向(0.25mm)と面内方向(1792ch)に従来の2倍の空間分解能を実現した高精細CTである。5月から稼働を開始し、現在は通常の検査(0.5mm×80列での撮影)を含めて1日約40件の検査を行っている。そのうち、高精細撮影を行うのは、肺野領域、頭部、整形外科などで5〜10件。Ziostation2“1K Premium”は、Aquilion Precisionの0.25mmスライスの撮影データに対応し4Kの高精細モニタをセットにしたバージョンで、膨大なデータ量の高速な処理が可能なハイスペックと、冠動脈解析を中心としたアプリケーションを搭載する。高精細CTだけでなく、通常のCTデータの画像処理にも対応する。
CT部門でのZiostation2の導入は、今回のZiostation2“1K Premium”が初めてとなるが、CTやPET/CTの検査を行う関連施設の岡山画像診断センターにはZiostation2が導入されており、大学病院の電子カルテ上では両施設で撮影された画像を同時に表示することができる。赤木副技師長は、「診療科からは、3Dに関してはZiostation2の画像の表現に合わせてほしい、Ziostation2にある画像解析ができないかという要望がありました。今回、高精細CTの導入というタイミングもあり、MRIやIVR部門など今後の3D画像処理ネットワークへの展開なども考慮してZiostation2の導入に至りました」と述べる。
CT部門の森光祐介技師は、Ziostation2の使い勝手について、「3Dの作成では自動処理の精度が高く、気管支動脈の抽出でも大動脈から気管支を栄養する細い血管の抽出もワンクリックで自動で末梢まで抽出されるので時間の短縮になっています」と説明する。そのほか、標準機能のサブトラクションでは、非剛体位置合わせによって検査日の異なる画像でも精度の高いサブトラクションが可能で頭部や下肢の造影検査に多く利用されているという。
今回のZiostation2の導入では、事前に講習会を行い、2日間で17名以上のスタッフが参加した。赤木副技師長は、「将来的にはCT、MRI部門だけではなく、他部門のスタッフも参加した“イメージラボ”の運用も検討していますので、一般撮影や手術室などのスタッフも含めて初歩からレクチャーをお願いしました。当院に合わせたサポートがあったことで、診療のスタートから問題なく運用できました」と評価する。CTの3D処理に関しては徐々にZiostation2に移行しており、
赤木副技師長は、「今後、高精細CTによる心臓検査のオーダが増えてくると、CT冠動脈解析やCT冠動脈石灰化サブトラクションなどを使った処理が増えるでしょう」と展望する。

■Ziostation2 “1K Premium”による高精細CT画像処理

Ziostation2 “1K Premium”による高精細CT画像処理

 

【MRI】Ziostation2を導入して解析、定量化
ネットワーク型のZiostation2を導入したMRI部門では、これまで歯学部外来棟など院内各所に分散していたMRIが集約され、検査の効率化と同時に診療科からの高度な要望に応えられる体制が整った。MRI部門でのZiostation2の導入について大野副技師長は、「以前は装置付属のコンソールでの解析がほとんどでしたが、MRIの進化によって、より高度な解析や定量化の必要性が高まっていることに加え、解析データの客観性が重要になることから、MRIの各装置を統合して画像処理や解析が可能な体制を構築しました」と述べる。
大野副技師長は今回のZiostation2選定の理由として、心臓をはじめとする解析アプリケーションや処理の豊富さと、独自技術であるPhyZiodynamicsなど高い技術力を挙げる。
「心臓血管外科が中心となった小児心臓解析の治験でPhyZiodynamicsを知り、他社とは違う独自の技術を持っていることを実感したことが今回の導入につながりました」
MRIの検査件数は4台で1日60件。そのうち心臓の依頼は1日3〜5件。解析では、「MR心筋T1マッピング」「MR心機能解析2」「MR右心機能解析」「MR心筋ストレイン解析」などを使用している。MRI部門の松下 利技師はZiostation2の運用について、「装置に付属のコンソールで処理していた時に比べ、どの装置でも共通の環境で操作できるので操作性が向上しました。また、自動抽出などが高精度かつ高速に処理できるので作成時間も従来の1/3に短縮されました」と評価する。画像解析については、「Ziostation2のMR心機能解析は、左室だけでなく右室にも対応しており、心筋内膜の自動抽出や解析が可能です。小児の先天性心奇形など心臓奇形の症例では、右室の機能解析が左室と同様に求められますので助かっています」と述べる。Ziostation2への期待を松下技師は、「被ばくがなくさまざまな解析が可能なMRIへのニーズが診療科から高くなっており、今後はワークステーションによる解析結果を診察室や手術室などで直接提供できるような環境を構築していきたいですね」と語る。

■Ziostation2によるMR心筋T1マッピング解析

Ziostation2によるMR心筋T1マッピング解析

 

Ziostation2を核とした3Dネットワークを構築

Ziostation2については、今後、MRI部門のネットワーク型のシステムを、CT部門やIVRセンターを含めて拡張していく予定だ。赤木副技師長は今後の展開について、「PhyZiodynamicsでは精度の高い機能解析が可能ですので、現在は各種のワークステーションで解析した結果を統合して作成している心臓レポートについて、MRIでの評価などと融合して包括的心臓検査として提供できるといいですね」と述べる。大野副技師長は、「ワークステーションを利用することで比較するデータの信頼性や客観性が高まりますので、さらに手術支援や放射線治療の治療計画への応用などを検討していきたいと思います」と展望する。
総合診療棟のCT、MRIに導入されたZiostation2のネットワークが大学病院としての高度な診療をサポートし、新たなステージへ向けた展開が期待される。

(2017年7月24日取材)

 

岡山大学病院

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岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
TEL 086-223-7151

 

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