2022年4月，ザイオソフトは新製品として「Ziostation REVORAS（以下，REVORAS）」を発表した。新たに発表されたREVORASは，「Smart Imaging“みる”をシンプル，スマートに」をコンセプトに，これまでザイオソフトが培ってきたインテリジェンスの集大成として開発された。臨床にかかわる医師，診療放射線技師が目的に合った画像や画像から得られる情報をスマートに活用できるようにすることで，あらゆる“みる”（診る，観る，看る）をシンプルでスマートにするであろう。本稿では，REVORASの開発コンセプトや搭載された新たな技術について述べる。

■イメージングインテリジェンス

REVORASは，Smart Imagingを実現するザイオソフトのインテリジェンス技術の集大成である。ザイオソフトでは，REVORASを画像処理の質を高めるイ
メージングインテリジェンスとして位置づけ，臨床現場のニーズにフィットするファンクショナリティ（機能性），ユーザビリティ（操作性），アクセシビリティ（利便性）を追求している。ファンクショナリティでは独自の技術やアルゴリズムにより，高度な画像処理と自動抽出を実現させ，リアリティと情報精度を高めるとともに，医師や診療放射線技師が解析に費やす手間や時間を軽減する。そして，高度な機能を軽快かつシンプルな操作感で提供しユーザビリティを高め，臨床で求められる画像を効率良く処理し，画像解析者が「見たい画像」を自身で簡便に作成できる。また，臨床での運用を考慮した画像の活用に特化し，場所や端末を選ばないリモートアクセスや複数台のPCでの利用を可能にするなど，アクセシビリティをさらに高め，使用者の利便性を向上させる。これらのイメージングインテリジェンスを駆使することで，使用者が専門や経験に左右されることなく，直感的な操作でスピーディに目的の結果や画像に到達することを促し，近年注目されている術前計画や手術シミュレーションなどに役立つことが期待される。

■REVORASの技術性能：Revorability

CT装置やMRI装置から得られる膨大な情報を最大限に生かし，認識，解析，描写にかかわる高度な技術とアルゴリズムを融合し，画像処理の質を飛躍的に高める技術性能「Revorability」。Revorabilityは，「REVORAS+capability（能力）」の造語であり，技術性能の総称である。創業当時よりザイオソフトが培い，実装してきた多くの機能や軸となる数々のインテリジェンスが生かされている。特徴的な機能として，新たな画像表現法「レンブラント」が実装された。レンブラントは，従来のボリュームレンダリングで使用されている手法を拡張発展させており，光の遮蔽効果を緻密に計算し，よりリアルな表面反射モデルを組み込むことで，多様な体組織の形状・質感を表現することを可能にしている。REVORASでは，光の入射角や，影の強さを詳細に調整することが可能であり，従来よりも写実的な画像表現が期待できる（図1）。
術前計画や手術シミュレーションでは，複数モダリティや時相の異なる画像をマルチレイヤー表示することで，観察しやすい画像作成が求められている。従来のZiostation2ではそれぞれの画像を重ねる際，オパシティカーブを緩やかにする調整を行っていたが，オパシティカーブの調整では構造物が痩せて表示されたり，構造物全体が透過され実際の構造物とは異なった結果画像になることが懸念される。REVORASに搭載された新たな表現手法の一つである「トランスペアレンシー」は，この問題点を解決する。トランスペアレンシーではオパシティカーブやウインドウレベルに依存しない透過を実現させ，構造物の辺縁の輪郭を残したまま透過し，画像表示することができる。トランスペアレンシーを用いることにより，観察に干渉していた構造物と観察したい構造物の位置関係を損なうことなく表現することが可能である（図2）。

図1　レンブラント

図2　トランスペアレンシー

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本稿では，REVORASの開発コンセプトや，搭載された新たな技術について紹介した。われわれザイオソフトは，20年以上にわたりソフトウエアの開発に取り組んできた。これらの経験を生かし，今後も医療技術の発展をめざして，独自の技術で患者に役立つ製品を開発し続け，医療に貢献していきたいと考えている。

一般的名称：汎用画像診断装置ワークステーション
販売名：ザイオステーション　レヴォラス　ＲＬ
認証番号：304ABBZX00001000