医用画像博覧会 2020 ドクターネット - ヘルスケアIT 
主力の「Tele-RAD」に続き検診/健診に特化した遠隔画像診断サービスの提供開始へ

2020-4-21

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遠隔読影マッチングサービス事業「Tele-RAD」のシステム概要図

遠隔読影マッチングサービス事業
「Tele-RAD」のシステム概要図

●国内最大の放射線診断専門医登録数を持つ「Tele-RAD」

ドクターネットの主力サービスが,遠隔読影マッチングサービス事業「Tele-RAD」だ。医療機関からの画像診断依頼を,同社に登録する放射線診断専門医にマッチングし,同社の査読センターでのチェックを経てレポートを返信するシステムで,国内の放射線診断専門医の約10%にあたる700名が登録する国内最大の放射線診断専門医プラットフォームを持ち,サブスペシャリティに特化したレポート作成が特徴である。1997年のサービス開始以来,規模拡大を続け,現在の契約施設数は約900施設,年間約180万症例の読影依頼があり,ここ数年で依頼症例数は倍増しているという。

オプションサービスとの組み合わせで,24時間365日の対応が可能なほか,常勤医師などがレポートチェックを行い,適宜,再読影を依頼するなど,厳重な品質管理体制を敷いている。また,2019年11月には,レポートの確認漏れを防止する“重要所見機能”をリリース。重要所見に対し,読影医が「重要グラフ」を立てるもので,現在,新規契約施設ではデフォルトで本機能が搭載されている。

遠隔読影マッチングサービス事業「Tele-RAD」のシステム概要図)

遠隔読影マッチングサービス事業「Tele-RAD」のシステム概要図)

 

重要所見の通知画面

重要所見の通知画面

 

●検診/健診に特化した遠隔画像診断支援サービス「Tele-DOC」の提供開始へ

サービス提供にあたり,同社が課題として掲げているのが,(1)より汎用性の高い自社システムの開発による読影業務フローの効率化と,(2)診断レポートの質の向上の2点である。このうち,1点目への取り組みとして現在,リリース準備を進めているのが,検診/健診に特化した遠隔画像診断支援サービス「Tele-DOC」である。

近年の依頼数増加の背景には,検診/健診の読影依頼の増加があり,Tele-RADへの依頼施設のうち,300〜400施設から検診/健診の読影依頼がある。しかし,検診/健診は,多様な検査項目や施設独自のレポート形式など,特有のニーズがある。そこで,検診/健診に特化したシステムとして提供するのがTele-DOCだ。Tele-DOCは,胸部・胃部X線検査やマンモグラフィ,各種エコー検査など,多様化する検査項目に対応し,Tele-RADと組み合わせ,診療科専門医と放射線診断専門医のダブル読影で依頼することも可能である。また,同社が開発した共通フォーマットでレポート所見を作成し,施設独自のレポート形式にも対応する。

「Tele-DOC」のシステム概要図

「Tele-DOC」のシステム概要図

 

●人工知能(AI)エンジンプラットフォーム「AI-RAD」で診断精度向上のサポートをめざす

2020年度は,初出展したRSNA 2019でも紹介された人工知能(AI)エンジンプラットフォーム「AI-RAD」の実用化をさらに進めていく。AI-RADは,複数のAIエンジンを統一されたユーザーインターフェースでつなぎ,部位やモダリティに最適なAIエンジンを選択,その解析結果を読影医が確認できるようにする。読影医の負担軽減や,診断精度の向上をサポートするもので,Tele-RADや,いずれはTele-DOCとも連携させていきたい考えだ。また,より精度の高いAIエンジンを開発するべく,同社が開発したアノテーションツールなどを用いた研究開発支援なども行っていく。

●中国のAI開発会社との共同プロジェクトで新型肺炎疑い症例の読影をサポート

契約医療機関の一部から,2月中旬以降,新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)疑いの症例について読影依頼があったことを受け,同社では,読影精度向上をサポートするための対応を開始した。中国の医用画像AI開発会社であるInfervisionと共同プロジェクト契約を締結,中国の症例データの提供を受け,登録読影医専用のプラットフォームに公開しているほか,Infervisionが開発した胸部CT画像診断支援エンジンのテスト検証を行っている。2020年4月現在,新型肺炎疑い例として1日に約20〜30症例の読影依頼があり,依頼施設からのフィードバックも得て,診断サポートに取り組んでいる。また,国内の読影例も蓄積されつつあり,国内の症例集もプラットフォームに追加,公開している。

●乳腺トモシンセシス遠隔読影サービスを提供開始

同社は,遠隔画像診断のプラットフォームを提供するクラウド型遠隔読影ASPサービス「Virtual-RAD」も展開している。サーバやクライアントの購入が不要で,導入後も月額基本料と1件あたりの利用料のみで利用可能で,読影端末に患者データの送信が不要なため,セキュリティも保証される。また,匿名化した医用画像を遠隔地の複数の拠点から同時に参照可能な「遠隔カンファレンスシステム」を提供。インターネットを介して,ビューワへ同時にアクセスすることが可能で,操作用マウスも共有化されるため,同じ画像を各拠点からリアルタイムで操作できる。また,TVカメラによる映像表示や音声通話が可能な機能を搭載し,「実際の画像を見ながらリアルタイムで話がしたい」という要望を実現する。

さらに,ITEM 2019で紹介された乳腺トモシンセシス遠隔読影サービスも2019年にサービスを開始した。専用ビューワと検診マンモグラフィ読影認定による診断支援で,新しい乳がん検査を提案する。

(文責・編集部)

 
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TEL:03-3459-5665
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