Special Booth Report
 PACS,高精細画像モニタなど,医用画像診断に求められる高い信頼性を実現するHPのワークステーション
日本ヒューレット・パッカード(以下HP)のワークステーション(WS)は,その性能と信頼性で高い評価を受け,多くのメーカーに採用され医療現場を支えている。ITEM2010国際医用画像総合展でも,多くのブースで同社のWSを使った製品が展示されたが,その中からナナオ,インフィニットテクノロジー,TOTOKU,コニカミノルタヘルスケアにおけるHPのWSの活用と,新製品の省スペース型WS「HP Z200 SFF Workstation」についてレポートする。
ITEM 2010 ブース ナナオ(EIZO) インフィニットテクノロジー TOTOKU(東京特殊電線) コニカミノルタヘルスケア EXTRA Interview
  ナナオ(EIZO)

EIZO RadiForce GX1030

省スペース型ワークステーションHP Z 200 SFF Workstation。ナナオブースで展示されたモニター体型の試作品
省スペース型ワークステーションHP Z 200 SFF Workstation。
ナナオブースで展示されたモニター体型の試作品

藤井淳一郎氏(営業1部メディカル課モダリティグループ係長)

  医用画像モニタを提供するナナオは,10メガピクセルのデジタルマンモグラフィ表示モニタ「EIZO RadiForce GX1030」 a など,高精細画像表示モニタの豊富なラインナップを展示した。ブースではほかに,電子カルテ用の「RadiForce MX-Series」などがHPのWSを使って紹介された。

  藤井淳一郎氏(営業1部メディカル課モダリティグループ係長) c はHPのWSについて,「デモ機として使用していますが,性能と信頼性を実感しています」と語る。ナナオでは,HPのWSとナナオ製のモニタ,グラフィックスカードの互換性の検証を行うなど,連携を進めている。「画像モニタの提案時にはグラフィックスカードをバンドルして販売しますが,それぞれの組み合わせについてHPのWSとの接続検証を行っています。ユーザーに安心して採用していただけるように,情報公開を含めて連携しています」

  今回,ナナオではZ200 SFFと同社の高精細モニタを“一体型”にして,さらなる省スペース化を提案する試作モデル b を参考展示した。

  「医療機関では,コストパフォーマンスに対する要求が一段と厳しく,信頼性が高いWSを導入したいが予算が厳しいというケースが増えています。Z200 SFFは,コストパフォーマンスが高く,十分なスペースがない日本の病院のニーズに合った製品です。試作品は,高性能の省スペースWSと医療用画像モニタで,どこまで省スペース化が図れるかを提案しています」(藤井氏)。

  インフィニットテクノロジー

INFINITT PACS

森住隆浩氏(メディカルソリューション営業部部長)

  韓国に本社を置くPACSベンダーのインフィニットテクノロジー(以下インフィニット)は,2D,3D,レポートを統合管理する「INFINITT PACS」 d を中心に展示した。インフィニットは,ワールドワイドでHPと協力関係にあり,PACSは基本的にHPのWSで構成する。今回も,INFINITT PACSをはじめ,「Cardiology」「Xelis」など,すべての製品でHPのWSを使って展示した。

  森住隆浩氏(メディカルソリューション営業部部長) e は,「HPの製品は,ユーザーからの品質への信頼感が高く,PACSのハードウェアがHPのWSだとわかると,安心されることが多いですね。提案側としては,コストパフォーマンスが高く安定稼働できる製品として安心して提供できます。導入後の長期のアフターサポートも評価の高いところです」と述べている。

  インフィニットでは,開発を含めてWSはすべてHPを採用している。
「PACSシステムとして,HPのWSで開発,検証を行っていますので安定したベストのパフォーマンスを提供できます。システム調達で,他社と競合した時にはハードウェアがHPであることはアドバンテージになりますし,反対に予算的に厳しい場合でもHPのWSを使う部分はぶれずに提案しています」(森住氏)。

  TOTOKU(東京特殊電線)

3Mカラーディスプレイ2面を合体させたモニタ

石倉裕介氏(情報機器事業部営業部国内ディスプレイ課)

 医用画像モニタメーカーであるTOTOKUは,サブピクセルを独立駆動させて超高精細表示を可能にする「ISDテクノロジー」を搭載した高精細ディスプレイ“MSシリーズ”を中心に展示を構成した。ブースでは,3Mカラーディスプレイ2面を合体させたモニタ f などをHPのWSで展示していた。

  石倉裕介氏(情報機器事業部営業部国内ディスプレイ課) g は,「モニタを販売する場合には,動作検証がとれたグラフィックスカードをバンドルして提供します。HPのWSでは,それらのカードとの検証が行われているので,相性の部分で間違いないことが大きなポイントです」と述べている。

  TOTOKUのブースでも,省スペースWSのZ200 SFFを使った展示 f があった。「医療機関側では診察室などで省スペースPCを採用してモニタを複数接続するケースがありますが,スペックの点で描画速度が不足する心配があります。Z200 SFFは,省スペースながらWSとしての十分なスペックがありますので,安心して接続できると考えています」(石倉氏)。

  コニカミノルタヘルスケア
I-PACS FS/VR

 CR,PACSを中心に病院からクリニックまで幅広い製品・ソリューションを提供するコニカミノルタヘルスケアは,クラウド型の新しいサービス「infomity連携BOXサービス」を中心に展示を構成した。コニカミノルタでは,今年からPACSの「NEOVISTA I-PACS」シリーズのハードウェアに,HPのWSを採用した。大規模病院向けの「I-PACS FS/VR」 h からクリニック向けの「I-PACS EXA」,検像システム「NEOVISTA I-PACS QA」まで,HPのWSで展示された。

  宮谷 宏氏(コニカミノルタヘルスケア営業統括室)は,「今回,PACSにHPを採用したのは,WSの中でスペックが高く,コストパフォーマンスが良かったからです。PACSは,アプリケーションやソフトウェア単体ではなく,WSなどハードウェアを含めて薬事承認の対象になりますので,ハードウェアに求められるのは医療機器としての安全性と信頼性です。HPのWSは,高い基本性能はもちろん,WSに特化した開発や,東京生産のしっかりとした体制など,信頼性を評価しています」と述べた。

 ワークステーションのトップベンダーとして高い品質と信頼性で医療現場をサポートする

●HPのアドバンテージは,WSに特化した体制があることです。ワールドワイドで,WSを知り尽くしたスタッフが営業・マーケティングに携わり, WSの専門部門がハードウェアやソフトウェアベンダーと連携して開発を行っています。これがHPのWSへの信頼感を支えています。
HPは,世界のPCおよびWSのトップベンダーであり,国内でも2008年からWSシェア・ナンバーワンです。医療分野でも直近2年間で採用いただいているパートナー様の数が急激に増えています。高度な画像処理を必要とする三次元画像処理WSで多くのベンダーに採用され,PACSでの利用も増えています。これをさらに拡大すべく投入したのが,省スペース型WSのHP Z200 SFF Workstation(以下Z200 SFF)です。

●Z200 SFFの特長は,コンパクトな筐体にWSの機能をフルに搭載していることです。同程度の大きさのPCに比べても,インテルRXeonRプロセッサーまで搭載できるハイ・パフォーマンスと,ECCメモリやRAID対応のハードディスクなど,WSとしての信頼性の高い機能を搭載しながら,価格競争力を高めています。さらに,医療機関への対応として,標準保証で無償サポートを土・日・祝日にも拡大しました。Z200 SFFは,電子カルテやPACSなど限られたスペースで高い性能と信頼性が要求される医療機関のニーズに応える“日本発”のWSです。

HP Z200 SFF Workstation

HP Z200 SFF Workstation

  • 最新のインテル® アーキテクチャーを採用
  • 従来のZ200とほぼ同等の性能を筐体の体積を約1/3にまで縮小
  • メモリ最大16GB,HDD 2基,ECCメモリ
  • オンボードもしくはプロフェッショナルグラフィックス搭載
  • 標準で土日祝日まで修理対応する安心の保証