オリンパス,6製品が「2012年度グッドデザイン賞」を受賞
~うち2製品は「グッドデザインベスト100」にも選出~

2012-10-2

オリンパス


オリンパス(株)は,オリンパスグループの以下6製品が,財団法人日本産業デザイン振興会 主催の「2012年度グッドデザイン賞」を受賞した。

1. 手術用エネルギーデバイス「THUNDERBEAT」「SONICBEAT」
2. 消化器内視鏡ビデオスコープシステム「EVIS EXERA III」
3. 倒立型リサーチ顕微鏡「IX3シリーズ」
4. 工業用ビデオスコープ「IPLEX UltraLite」
5. オプトデジタルマイクロスコープ「DSX100」
6. マイクロ一眼カメラ「OLYMPUS OM-D E-M5」

なお,上記1.手術用エネルギーデバイス「THUNDERBEAT」「SONICBEAT」および4.工業用ビデオスコープ「IPLEX UltraLite」は,本年度より新設された賞で,グッドデザイン賞受賞対象の中から“未来を示唆するデザイン”として審査委員が注目したデザイン100件「グッドデザインベスト100」にも選出された。

p20121117

 

●受賞製品のデザインのポイント・審査委員による評価コメント

1. 手術用エネルギーデバイス「THUNDERBEAT」「SONICBEAT」
(受賞システム名:SURGICAL TISSUE MANAGEMENT SYSTEM)
手術用エネルギーデバイスとは,超音波振動や高周波電流などのエネルギーにより生体組織の切離/止血などの操作を行う手術機器。中でも「THUNDERBEAT」は世界で初めて超音波振動と高周波電流の同時出力を可能にしたことにより,「血管の封止操作と迅速な切離操作の両立」を高いレベルで実現するため,手術時間の短縮に貢献することが期待されている。また,これまで複数の処置具を用いて行っていたさまざまな手術操作が一本のデバイスで可能になることによる操作性の変化に対しては,医師の要望を取入れながら高い操作性を追求した。

<評価コメント>
本製品は超音波振動や高周波電流などのエネルギーを用いて生体組織の切離や止血をおこなう内視鏡下外科手術のための装置である。これまで切離と止血はそれぞれに適したエネルギーを出力する異なるデバイスや煩雑な操作を必要としていたが,本製品は両方のエネルギーを同時に出力することで,血管の封止と切離を極めて迅速に行うことが可能になった。ジェネレータの操作部は明解なレイアウトと良く整理されたGUIにより機能的に構成されている。医師の手の延長として繊細なコントロールが必要なハンドツールは,的確な処置が行なえるようハンドル,レバー,ボタンの可動構造を実験を繰り返しながら作り上げていったものである。器具の簡単な組み立て方法,誤接続を防ぐコネクター形状やグラフィックス,術中咄嗟に器具を識別させるための工夫は,まさに緊迫した現場を想定した使う為のデザインである。一回の手術で繰り返し行なわれる作業の効率を高め,医師の負担を軽減する革新的な装置であるが,同時にその機能を100%活かせるよう作り込んだデザイナーの取り組みを高く評価したい。

2. 消化器内視鏡ビデオスコープシステム「EVIS EXERA III(イーヴィス・エクセラ・スリー)」
本製品は,欧米を中心とした各国に向け約7年ぶりに導入した,同社最上位の消化器内視鏡の基幹システム。高画質化により,がんなどの病変の観察性能を向上させたほか,スコープ操作性を向上させ,医師が大腸内視鏡検査を行う際の使いやすさと,患者様に対するスコープ挿入時の負担軽減を追求している。また,スコープデザインの改良により,医療スタッフが行う検査準備やメンテナンスにおける業務効率の改善にも貢献する。

<評価コメント>
製品のデザインにおいては,ユーザーの経験や習熟の連続性を損なわず,一方で機能向上のための変更は加えていく必要がある。本製品において,内視鏡スコープ操作部は医師の経験や習熟を考慮して,基本的な構成は変えない中にも,グリップ性,操作性,ボタンやスイッチへのアクセス性や識別性を向上させる,湾曲操作ノブ形状などの造形がなされている。本製品の本質部分とも言える,患者と接する各種スコープにも,スムーズな挿入のための受動湾曲部,手元からスコープ先端へ力が伝わりやすい高伝達挿入部が採用され,患者,医師の双方の負担軽減が実現されている。外観的にも,各筺体前面を,電源,コネクター,コントロールの3つに区分するエリアマネジメントを統一的に導入し,ケーブル類が術前/術中の操作の邪魔にならないレイアウトを実現するとともに,システムとしての信頼性,安心感がもたらされており,優れたデザインであると評価した。

3. 倒立型リサーチ顕微鏡「IX3(アイエックス・スリー)シリーズ」
本製品は,細胞を生きたまま観察する“ライブセルイメージング”から固定標本の観察まで,幅広い試料・標本に対応できる顕微鏡で,前機種「IX2シリーズ」から約11年ぶりにフルモデルチェンジをしたシリーズ。拡張性を高めるデッキ構造を採用し,目的に応じたデッキユニットを組み合わせることで,さまざまなシステムの構築が可能になった。

<評価コメント>
本製品は,機能や使い方を直感的に伝える顕微鏡らしさは継承しつつ,単体としてだけでなく ,周辺機器との接続,使用環境との整合など,システムとしての発想が採り入れられている。基本となる本体は,正確な観察に必要な高剛性を実現するためにフレームではなく塊としてデザインされている。接眼レンズを通した肉眼での観察から,デジタルカメラの接続,パーソナルコンピュータ画面での観察など,使用方法が従来とは大きく変わってきていることに着目し,パーソナルコンピュータが配置される右側面をユーザに対する表側としてすっきり整理する一方,左側面は周辺機器との接続性を最優先した形状となっている。配色においても,暗室内での使用においてパーソナルコンピュータ画面の光の反射など観察の妨げとなる余計な光を避けるための黒,暗室内でユーザ操作部の視認性を確保する白など,部位に応じた配慮がなされている。以上のように,形状・構造,配色ともに機能的必然を追求し,かつその形状・構造や配色がプロフェッショナルの機器としての機能,性能,品格を感じさせる,非常に優れたデザインがなされている。

 

●問い合わせ先
オリンパス(株)
広報・IR室 山崎
TEL 03-3340-2174
http://www.olympus.co.jp/

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