GEヘルスケア・ジャパン,大阪大学「生体統御ネットワーク医学教育プログラム」に参画
〜難治性疾患克服に向けて教育分野で新たな産学連携を実践〜

2013-4-2

産学連携

GEヘルスケア・ジャパン


■海外インターンシップをGEヘルスケア社のスウェーデン 研究開発センターで実施
■「ビジネス開発」という視点を持った俯瞰力と独創力を備えた新しい医療リーダーを育成
■「学ぶ」「つながる」「創る」「拡げる」をキーワードとしたネットワークづくりを強化

医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー,GEヘルスケア・ジャパン(株)は,文部科学省「博士課程教育リーディングプログラム*1」の1つである大阪大学「生体統御ネットワーク医学教育プログラム 」に本年4月から参画し,当該プログラムを受講する大学院生の海外インターンシップをスウェーデンの研究開発センターで受け入れる。
企業と大学の産学連携はこれまでも研究分野を中心に活発に行われてきたが,両者はこの度,難治性疾患克服のためのプロフェッショナル育成を図る一環として,GEヘルスケアがスウェーデンに置く最先端のライフサイエンス(生命科学)領域の研究開発センターに学生の国際インターンを派遣し,教育分野の産学連携を展開する。

大阪大学で実施している「生体統御ネットワーク医学教育プログラム」は,難治性疾患の克服の実現に向けて,免疫・神経・再生など高度に専門化した分野をまたいで生体システムを統合的に理解し,生命現象を俯瞰的に捉えることのできる国際性豊かな生体統御ネットワーク研究者を養成することを目指した5年一貫の大学院教育プログラム(6年制学部出身者は4年制)である。生命科学に関する先進的研究成果を上げている研究者を,大阪大学の6研究科(医学系研究科・薬学研究科・工学研究科・生命機能研究科・理学研究科・歯学研究科)と6企業から結集し,分野横断型の講義や英語での講義,海外インターンシップなどのコースワークを展開している(カリキュラムの詳細はwww.stn.osaka-u.ac.jp/program/curriculum.html )。

生体統御ネットワーク医学教育プログラムの概要

生体統御ネットワーク医学教育プログラムの概要

 

4月2日現在,22名の学生が,47名の学内プログラム担当教員および9名の学外プログラム担当者のもとで,同プログラムを受講している。

GEヘルスケアは現在,「地域,時間,分野の壁を超え,人と技術の成長を加速する」ことを目的に,ライフサイエンス研究者の成長と技術発展を支援する総合ソリューション「Life Sciences Academy*2」の展開を進めており,この方針と本プログラムの目的が合致していることから今回の参画を決定した。今後,Life Sciences Academyの教育戦略のもとに大阪大学とプログラム協働を進める。

その1つとして本年度より,同プログラムの2年次海外インターンシップ先として,スウェーデンのウプサラに構えるライフサイエンス分野の研究開発センターにてプログラム受講生を受け入れる。スウェーデンは,GEヘルスケアが世界に有するライフサイエンス分野の主要拠点の1つで,在籍スタッフ数は約750名。スウェーデンの中でも研究開発センターのあるウプサラは,北欧最古の大学(ウプサラ大学)を擁する科学研究の盛んな都市。ウプサラ大学は,ノーベル化学賞を受賞したSvedberg(スヴェドベリ)教授,Tiselius(ティセリウス)教授をはじめ,優れた科学者を数多く輩出している。またGEヘルスケア ライフサイエンスの源流の1つであるLKB-Produkter社は,ウプサラ大学で開発された先進的な研究機器を製品化することを使命として設立された。このような科学研究で歴史のある開発拠点で実際のビジネス開発の現場を体験することは,プログラム受講生にとって有意義な時間となり,視野を広げる上で貴重な経験になると考えている。
同時に,GEヘルスケア・ジャパンのライフサイエンス統括本部 サイエンティフィックサポート営業部の梶原大介氏が同プログラムの学外プログラム担当者に就任し,ライフサイエンス研究・医薬品開発分野における新しいビジネスリーダーの育成を担当する。

同プログラムのコーディネーターを務める大阪大学大学院医学系研究科免疫制御学教授の竹田潔氏は,「生命現象を統合的に理解し,生体システムの破綻により発症する疾患の病因・病態を理解し,国際的に活躍する生命科学研究者を養成することにより,基礎研究成果を社会応用できる,疾患制御を実現する人材を輩出したいと,私たちは考えています。そのような中,GEヘルスケア・ジャパン株式会社に私たちの教育理念に賛同していただきました。ウプサラの研究開発センターで研修する機会を与えていただくことは,本プログラム学生にとって素晴らしい経験になると確信しています。定員数を超える学生がウプサラの研究開発センターでの研修を希望しています。GEヘルスケア・ジャパン株式会社の参画により,将来,大学での研究成果をもとに疾患治療を実現する人材の養成が一層促進されるものと期待しております」と,GEヘルスケア・ジャパンのプログラム参画に期待を寄せている。

GEヘルスケア・ジャパン(株) 代表取締役社長兼CEOの川上潤氏は,「このたびは大阪大学『生体統御ネットワーク医学教育プログラム』に参画させていただくことができ大変光栄です。弊社は医療用画像診断からライフサイエンスに至る幅広い分野での専門性を駆使しながら,国内外の医療・研究施設に対して革新的なソリューションを提供することで,我が国の医療課題の解決に取り組んでいます。またGEは人材育成に注力する企業としても知られ,グローバルで活躍するリーダーの育成にグループ全体で力を注いでいます。今回のプログラム参画を通じて,我々がこれまでに蓄積してきた知識や経験を,将来を担う学生に提供することで,現在,国が抱える人材育成の課題解決を支援し,同プログラムが目指す『生命現象を俯瞰的に捉えられるグローバルな生命科学研究者の養成』に貢献することを目指します」と意気込みを語っている。

大阪大学とGEヘルスケアはともに本プログラムを通じて,ビジネス開発という視点を持った俯瞰力と独創力を備えた新しいリーダーの育成やLife Sciences Academyによるネットワークづくりなどに取り組み,ライフサイエンス研究分野の発展に貢献することを目指す。

*1 博士課程教育リーディングプログラムは,優秀な学生を広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーへと導くための文部科学省による学位プログラム。事業期間は最大7年間で,「オールラウンド型(オールラウンドリーダー養成)」「複合領域型(複合領域リーダー養成)」「オンリーワン型(オンリーワンリーダー養成)」の3つの類型で公募が行われ,平成23年度については,全国の採択21件のうち,大阪大学からはオールラウンド型の「超域イノベーション博士課程プログラム」および複合領域型(生命健康)の「生体統御ネットワーク医学教育プログラム」の2件のプログラムが採択された。

*2 Life Sciences Academyは,GEヘルスケア・ジャパン(株)が運営する,ライフサイエンス研究者の成長と技術発展を支援する総合ソリューション。実験技法の基礎知識・実践的な実験手技の習得をはじめとした一人一人のスキルアップから,意見交換・交流の場を通じた研究者同士のネットワークづくりまで,「学ぶ」「つながる」「創る」「拡げる」をキーワードに,地域,時間,分野の壁を超え,人と技術の成長を加速することを目的に2013年本格開講。生命科学の解明や医薬品の開発・研究スピードを加速することで,ライフサイエンス業界の発展に一段と貢献することを目指している。
詳しくはこちら。www.gelifesciences.co.jp/hot_news/science_program/lisa.html
※ Life Sciences Academyは,GEヘルスケア・ジャパン(株)の登録商標。

 

●問い合わせ先
大阪大学未来戦略機構 第二部門
西部真理子
TEL 06-6879-2630

GEヘルスケア・ジャパン(株)
コミュニケーション本部
ブランチャード美津子・松井亜起
TEL 0120-202-021
www.gehealthcare.co.jp

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