セント・ジュード・メディカル,全身スキャン可能な条件付きMRI対応ペースメーカを日本で上市
〜ワイヤレス通信機能を搭載〜

2013-6-27

MRI

ペースメーカ,ICD,CRT-D

アボット(セント・ジュード・メディカル)


セント・ジュード・メディカル(株)は,Accent MRI™ ペースメーカシステムの上市を発表した。この新たなペースメーカシステムはアクセントMRIペースメーカと,Tendril MRI™(テンドリル)リード,およびSJM MRI Activator™ (アクティベータ)から成っており,厚生労働省から6月に承認された。高解像度の全身MRI(磁気共鳴システム)*に特定の条件下で対応しており,患者の現在および将来の医療ニーズに応えることができるようになった。

特定の疾患の状態をより詳細に評価するための画像情報を提供するMRI検査は重要。X線や超音波などの他の画像化手法では適切に評価できないこともある。従来のペーシングシステムを持つ患者は,機器への影響を恐れ,MRI診断技術が提供する治療のチャンスを逃している。

「この度,セント・ジュード・メディカルより,MRI 対応のペースメーカが出ることをうれしく思います。1.5 テスラのMRI 対応ペースメーカであり,全身のMRI 撮像が出来るほか,薄さもわずか6mm で,ワイヤレスのリモート対応機能も内蔵しているなどペースメーカ患者様にとって,やさしい製品だと思います」と日本大学医学部内科学系循環器内科分野の中井俊子助教は述べている。

本システムはMRIアクティベータ装置を特長としており,MRI対応モードに切り換えるシンプルな代替オプションを提供する。手のひらサイズのMRIアクティベータ装置にあるボタンを押すと,MRI検査の間に使用する特定のデバイスパラメータに切り換えることができる。担当医がこれらのパラメータを事前に選択し,アクセントMRIペースメーカに保存する。MRI終了後,MRI Activatorは元のパラメータにプログラムを戻すことができる。

テンドリルMRIリードは,既に臨床実績があるテンドリルリードのプラットフォームを基盤としており,独自のデザインにより安全な条件付きMRI検査が可能。高操作性を持つテンドリルの小径リードは,植込みがより容易になっている。さらに,本リードは,Optim(オプティム)™と呼ばれる絶縁体で,心臓リード用に開発された初のシリコーンポリウレタン共重合体(コポリマー)素材を特長とする。オプティム絶縁体は長期の信頼性を考慮したデザインである一方,植込みを容易にする柔軟性と操作性にも優れたものとなっている。

さらに,アクセントMRIペースメーカは,ワイヤレステレメトリーとアルゴリズムを通じて,それぞれの患者の状態に合わせたケアを提供する先進的ペーシングプラットフォームを特長とし,条件付きMRI検査が可能という利点が加わった。ワイヤレス通信は,医師による機器植込み時とフォローアップの予約の間に使用される。この通信は,診察室内あるいはセキュリティの高いインターネットベースの遠隔モニタリングシステムであるMerlin.net™ Patient Care Network(マーリンペイシェントケアシステム)を通じて行われる。アクセントMRIペースメーカは条件付きMRIペースメーカであり,患者マネジメントを簡素化する特長を備えている。このペースメーカのAutoCapture™機能では,心拍ごとの心臓の反応を測定し,VIP™(心室自己心拍優先)機能では必要に応じて患者自身の心拍を優先させ,不要な心室ペーシングを減らす。

アクセントMRIペースメーカは,臨床的に実績のあるセント・ジュード・メディカルの心房不整脈モニタリングアルゴリズムも搭載しており,脳卒中のリスクを検出する。ASSERT(ASymptomatic AF and Stroke Evaluation in Pacemaker Patients and the AF Reduction Atrial Pacing Trial:ペースメーカ患者における無症候性AFと脳卒中の評価およびAF減少のための心房ペーシング試験)は,不整脈を検出するペースメーカの診断機能により,心房細動(AF)歴のない高齢の高血圧患者の脳卒中リスク増加を予測できるかどうかを検討するために計画された試験。本試験結果によれば,心房頻拍(AT)またはAF歴はないが,ペースメーカが不整脈を検出した患者は,未検出の患者に比べると脳卒中リスクが約2.5倍高いことが分かった。

「アクセントMRIペースメーカには,現在患者様が使用しているもの以上に多くの利点があります。この洗練されたペースメーカの機能性と,スキャン区域や出力に制限のないMRIスキャン標識は,胸部や腹部MRIが必要な患者様には特に重要なことです。この革新的技術を日本中の病院に提供できることを大変うれしく思っています」
とセント・ジュード・メディカル・アジアのシニア・バイスプレジデントであるウィリアム・フィリップス氏は述べている。

毎年,推定125万件のペースメーカ植込み術が世界中で行われている。心臓ペースメーカは,心拍が過剰に遅くなる徐脈の治療に使用される。また,心臓をモニタリングし,患者ごとの生理的要求に対して心拍が極端に遅くなった場合には電気刺激を送る。

*区域制限のないフルボディーMRI1.5テスラスキャンであり,SAR(比吸収率)最大4W/kgにして優れた画質が得られる高出力全身撮像

 

●問い合わせ先
セント・ジュード・メディカル(株)
http://www.sjm.co.jp/

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