GEヘルスケア,ベータアミロイド検出用薬剤Vizamyl(ビザミル)(Flutemetamol F18 注射剤)が米食品医薬品局の承認を取得
~PET検査用の新造影剤の使用で,脳内ßアミロイドをカラーで画像化~

2013-10-28

核医学(PET,PET/CT,SPECT,SPECT/CT)

GEヘルスケア・ジャパン


※2013年10月25日米国発表リリース意訳版

GEヘルスケアは10月25日(金),同社が開発を進めるPET(陽電子断層撮影)検査向けのß(ベータ)アミロイド検出用放射性薬剤「Vizamyl(ビザミル)」が,米食品医薬品局(FDA)の承認を受けたことを発表した。Vizamylは Flutemetamol F18注射剤で,アルツハイマー病や他の認知障害が疑われる成人患者の脳内で見られる老人斑の主成分であるßアミロイドの沈着を画像化する*1。VizamylはFDAに承認された唯一のカラー画像PET検査向けßアミロイド検出用薬剤で,モノクロではなくカラー画像での視覚的読影を可能にすることで,他の診断手法を補完する役割を果たす。Vizamylは2014年に上市予定。

脳内に蓄積されるßアミロイドの増大は,アルツハイマー病の重要な病理学的特徴である。アルツハイマー病は最も一般的な認知症で,米国では死因の第6位を占めている*2。ßアミロイドは通常分解されて排泄されるが,アルツハイマー病患者の場合,脳内にアミロイド斑が蓄積され,神経機能に悪影響を及ぼす*3。アルツハイマー病の発症は現在,多角的な臨床検査をもとに診断されている*2

ピッツバーグ大学アルツハイマー病研究センターの共同センター長であるWilliam E. Klunk医学博士(精神神経科特別教授)は,「Vizamylは,アルツハイマー病の症状が見られる患者の評価に用いられる現行の方法を補強する重要かつ新たなオプションです。脳内アミロイド斑の存在を検出する能力は,アルツハイマー病をはじめとする認知障害が疑われる患者のより正確な診断支援につながる可能性を秘めています」とコメントしている。

●FDA承認をサポートした臨床試験結果

FDAによるVizamylの承認は,第III相の脳剖検・生検を含めた一連の臨床試験の主要・補助データの検証に基づくもので,これらの研究では視覚的読影の感度および特異度の高さだけでなく,Flutemetamol F18 注射剤によるPET画像とßアミロイドの病理所見との高い一致度も示された。これらの研究結果は,バンクーバーで開催された2012年国際アルツハイマー病学会(AAIC2012),ならびにニューオーリンズで催された第64回米国神経学会(AAN)年次総会において発表された*4 *5

加えてGEヘルスケアは,Vizamyl画像の正確な読影について教育するための医師向け電子的読影トレーニングプログラム(ETP)を開発・検証した。臨床試験における読影の感度や特異度,ならびに読影医間一致度の高さといった点で,このETPはアミロイドイメージングの経験が少ない読影医のトレーニングに高い有効性を示した。このトレーニングプログラムは今後,Vizamyl画像の撮影・読影を希望する医師に対して無償提供される予定で,Vizamyl画像の読影は同プログラムの完了者のみに限定される方針である。

Vizamylは臨床試験で全般的に良好な忍容性を示した。最も一般的な副作用として,顔面紅潮や血圧の上昇,頭痛,吐き気,目まいが報告されたが,その発現率は2%以下にとどまった1。Vizamyl投与後数分以内に,深刻な過敏性反応(顔面紅潮,呼吸困難,胸部圧迫感)を見せた被験者が1名いたが,治療で無事に回復した。

GEヘルスケアのライフサイエンス担当プレジデント兼CEOのKieran Murphy氏は,「PET検査用のVizamylの承認は,より良い医療をより多くの人にお届けするのに役立つ画像診断を提供しようとする弊社の取り組みを裏づけるものです。Vizamylが臨床試験への適切な被験者の登録に役立ち,先進治療の新たな選択肢を生む一助となることを期待しています。それが治療薬の開発へとつながる可能性があります」と語った。

※本プレスリリースの原文は以下のサイト参照
http://www.genewscenter.com/Press-Releases/GE-Healthcare-Announces-FDA-Approval-of-Vizamyl-Flutemetamol-F18-Injection-for-Detection-of-Beta-437e.aspx

 

*1 Vizamyl Prescribing Information. 2013.
*2 Alzheimer’s Association. Alzheimer’s disease facts and figures. Alzheimer’s & Dementia. 2012;8:131–168.
*3 Rodrigue K, Kennedy K, Park D. Beta-amyloid deposition and the aging brain. Neuropsychol Rev. 2009;19:436–450.
*4 Ikonomovic M, Buckley C, Smith Aら:18F-Flutemetamol投与によるPET画像は脳内アミロイド・レベルを反映する。データは,カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバーの2012年国際アルツハイマー病学会(AAIC2012)において発表された。
*5 Wolk D, Gamez J, Sadowsky Cら:脳剖検および生体内脳皮質生検の試験は,18F-FlutemetamolによるPET画像とßアミロイド病理所見との高い一致を示す。ポスターは2012年4月21~28日,米ルイジアナ州ニューオーリンズの第64回米国神経学会年次総会において発表された。

 

●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
コミュニケーション本部
ブランチャード / 松井
TEL 0120-202-021
www.gehealthcare.co.jp

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