フィリップス,新型マンモグラフィ装置「MicroDose mammography SI(マイクロドーズ・マンモグラフィ・エスアイ)」発売
〜1回の低線量撮影で臨床画像とスペクトラル情報を同時に収集できるシングルショットスペクトラルイメージングを世界で初めて可能に〜

2013-11-6

マンモグラフィ

フィリップス・ジャパン


MicroDose mammography SI

MicroDose mammography SI

(株)フィリップス エレクトロニクス ジャパン(以下 フィリップス)は,新型デジタル式乳房用X線撮影装置「MicroDose mammography SI」(マイクロドーズ・マンモグラフィ・エスアイ)の販売を開始することを発表した。

「MicroDose mammography SI」は,ディテクタに入射するX線光子の数を直接デジタル信号として取り出すことで,画像形成までの信号の劣化を抑えるフォトンカウンティング技術と,グリッド*3 を使わずに散乱線を97%以上除去する*4 マルチスリットスキャン技術により,従来のデジタルマンモグラフィと比較して平均40%の被ばく量低減*5-8が可能である。

「SI」とはスペクトラルイメージング(Spectral Imaging)の略で,透過物質によって異なるX線のスペクトラル情報を活用する技術のこと。今回発売される「MicroDose mammography SI」では,1回の低線量撮影で50μm(マイクロメートル)の高精細画像と乳房の構成物質に関するスペクトラル情報を同時収集するシングルショットスペクトラルイメージングを世界で初めて可能にした。

「MicroDose mammography SI」と同時に発売される「Breast Density Measurement」(ブレストデンシティメジャーメント)を用いることで,スペクトラル情報から乳腺と脂肪組織を弁別して乳腺量や乳腺密度の自動算出が可能で,客観的な乳腺量評価を求める医療従事者の方々の声に応える。

フィリップスは進化し続ける独自技術が生み出す機能性と,シンプルな操作性がもたらす高いスループットにより,検査に関わる人々に快適なマンモグラフィ検査を提供する。

「MicroDose mammography SI」の,国内初年度の販売目標台数は約20台を見込んでいる。

●「MicroDose mammography SI」の特長

1. 大幅な線量低減と高精細な臨床画像の両立

「MicroDose mammography SI」は画質を妥協することなく,従来のマンモグラフィに比べて平均40%の被ばく量低減を達成*5-8 した。フォトンカウンティング技術はアナログ/デジタル変換が不要で画像形成までの信号の劣化が少ないうえに,被写体をスキャンする独自の撮影方法は,情報の欠落部であるデッドピクセルがない。またマルチスリットスキャン技術では,被写体の前後に配置された,斜入するX線と被写体で発生する散乱線を除去するための2つのコリメータにより,グリッド*3 を用いることなく散乱線を97%以上除去*4 する。

2. スピーディで快適な検査を提供

「MicroDose mammography SI」ではフォトンカウンティング技術により,ディテクタ内の残電荷消去*9 が不要なため撮影間隔を短縮できるうえに,検査に必要な機能が集約した専用キーパッドを用いることで,1時間に最大15件の2方向撮影を可能にする。また人間工学を重視したデザインや温かいディテクタなど,医療従事者にも受診者にもスピーディで快適な検査を提供する。

3. 1回の低線量撮影で臨床画像とスペクトラル情報を同時に収集できるシングルショットスペクトラルイメージング

乳房透過後のX線エネルギー分布は,乳房内の構成物質によって異なる。「MicroDose mammography SI」では検出するX線光子のエネルギーを弁別することで,造影剤や追加撮影を行うことなく,乳房の構成物質に関するスペクトラル情報*1 を収集するシングルショットスペクトラルイメージングを世界で初めて*2 可能にした。「MicroDose mammography SI」と同時に発売されるアプリケーションツール「Breast Density Measurement」では,そのスペクトラル情報を用いて,乳腺量に関する定量的評価を可能にする。

フォトンカウンティング技術がもたらすスペクトラルイメージング ディテクタに物質透過後のX線光子(フォトン)が入射すると,そのエネルギーに応じた高さの電気パルスが発生。しきい値1で電気的ノイズをカット,しきい値2で光子エネルギーを弁別することで,高い線量効率とスペクトラルイメージングを実現。

フォトンカウンティング技術がもたらすスペクトラルイメージング
ディテクタに物質透過後のX線光子(フォトン)が入射すると,そのエネルギーに応じた高さの電気パルスが発生。しきい値1で電気的ノイズをカット,しきい値2で光子エネルギーを弁別することで,高い線量効率とスペクトラルイメージングを実現。

 

*1 スペクトラル情報:X線のエネルギー分布のことで,X線が透過してきた物質によりエネルギー分布が異なる。
*2 2013年11月時点。海外フィリップス社調べ。
*3 グリッド:画質の劣化を防ぐため,被写体で散乱した不要なX線を取り除くものだが,グリッドを使用した場合,画像形成に必要なX線も取り除かれるため,それを補うためにより多くのX線を照射する必要があった。
*4 Åslund, M., Cederström, B., Lundqvist, M., Danielsson, M., 2006. Scatter rejection in multi-slit digital Mammography. Medical Physics, 33(4), pp.933-40.
*5 Oduko, J.M. Young, K.C., Burch, A., 2010. A Survey of patient doses from digital mammography systems in the UK in 2007 to 2009. Digital Mammogr. IWDM 2010, 365–370.
*6 Baldelli P., et. al., 2010. Comprehensive dose survey of breast screening in Ireland, Radiation Protection Dosimetry, Vol. 145, No. 1, pp. 52–60, (2010).
*7 Leitz W, Almén A., Patientdoser från röntgenundersökningar i Sverige – utveckling från 2005 till 2008. SSM 2010-14, ISSN 2000-0456, available online (in Swedish) at www.stralsakerhetsmyndigheten.se.
*8 White paper, Comparison of Dose Levels in a National Mammography Screening Program, Philips Healthcare
※*5-8: The actual result of the average dose reduction will vary based on variations of digital mammography systems.
*9 従来のデジタル式乳房用X線撮影装置の場合,残像の原因となるディテクタ内に残った電荷を撮影ごとに消去し,ディテクタをリフレッシュする必要があった。

 

●希望販売価格
1億2千万円(税込,仕様により異なる)

●問い合わせ先
(株)フィリップス エレクトロニクス ジャパン
ヘルスケア事業部 お客様窓口
TEL 0120-556-494 / 03-3740-3213
http://www.healthcare.philips.com/jp_ja/

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