日立製作所,中小規模医療機関向け電子カルテ「Open-Karteシリーズ」を強化
〜データ分析機能や介護システムとの連携で医療の質向上と経営効率化に貢献〜

2017-7-11

医療情報システム(電子カルテ)

富士フイルムヘルスケア


(株)日立製作所(以下,日立)は,中小規模病院向けの電子カルテシステム「Open-Karteシリーズ」について,電子カルテに蓄積されている診療データの分析や介護システムとの連携機能を強化する。第一弾として,「医療分析ソリューション」を7月12日から提供し,第二弾として,「病院・介護連携ソリューション」を10月に提供開始する予定。
本ソリューションは,医療機関や介護・福祉事業者で蓄積される診断,治療,予後などケアサイクルの場面で発生するヘルスケア関連データの連携,見える化,利活用を支援するもので,医療の質の向上,医療機関の経営の効率化に貢献する。

日本は超高齢化社会となり,日常生活で不自由のない生活を送ることのできる健康寿命が注目されている。政府は,予防・健康管理の推進に関する新たな仕組みづくりとして,レセプト(診療報酬明細書)などのデータ分析,利活用を掲げる「データヘルス計画」を推進している。
2025年に向けた病床機能の再編,いわゆる2025年モデルでは,中小規模病院は,慢性期や回復期の医療を担う施設として,地域医療の中核になっていく。また,厚生労働省の「電子カルテシステム等の普及状況の推移」*1によると,電子カルテの普及率は,2014年時点で200床以上の中規模・大規模病院の60.0%に対し,200床未満の中小規模病院では,24.4%となっている。
今後,厚生労働省が推進する地域包括ケアシステムの構築のため,ますます医療情報の標準化や広域での医療情報連携が必須となり,中小規模病院における電子カルテシステムの普及がより一層進むと見込まれている。

*1 出典:厚生労働省「医療分野の情報化の促進について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/johoka/index.html

日立は,病床数200床未満の中小規模病院に向けて,2003年から,電子カルテシステム「Open-Karteシリーズ」を提供している。「Open-Karteシリーズ」は,Webベースのシステムで導入がしやすく,診療の進捗や予定が画面で容易に確認できる診療カレンダー機能を特徴としている。
また,日立グループでは,日立アイ・エヌ・エス・ソフトウェア(株)(以下,日立INSソフトウェア)が診療データやレセプトデータなどの分析ソフトウェア,(株)日立システムズ(以下,日立システムズ)が介護・福祉事業者向け業務管理システムを提供している。

今回,「Open-Karteシリーズ」の連携機能を強化し,日立グループ各社が持つヘルスケア分野のIT関連製品を組み合わせ,データ分析や医療情報の共有・活用を可能とするソリューションを提供する。具体的には,電子カルテに蓄積されている診療データを分析することで,医療の質向上と経営の効率化を支援する「医療分析ソリューション」を7月12日から提供を開始する。また,診療データと介護関連データを相互に連携し,データ利活用をすることで,医療従事者の負担軽減を支援する「病院・介護連携ソリューション」を10月から提供する予定。

なお,本ソリューションは7月12日(水)から7月14日(金)に東京ビッグサイトで開催される「国際モダンホスピタルショウ2017」内の日立ブース(ブースNo. A-1)に出展する。

日立は,2018中期経営計画で「IoT時代のイノベーションパートナー」をめざし,顧客との協創による社会イノベーション事業を推進している。ヘルスケア分野では,ITを活用し,データ連携による医療情報の共有と利活用を支援する医療機関向けのサービスを拡充し,医療費の抑制と医療の質の向上に貢献していく。

●新ソリューションの概要

1. 医療の質向上と経営の効率化に貢献する「医療分析ソリューション」
「Open-Karte」シリーズと日立INSソフトウェアの分析ソフトウェアを組み合わせることにより,回復期・地域包括ケアシステムを担う中小規模病院に対して,多角的なデータ分析を可能とし,医療の質向上と医療機関の経営の効率化に貢献する。
今回,分析のテンプレートとして,多くの医療機関で一般的に利用されている経営指標((1) 延患者数・実患者数,(2) 病床稼働率・入院患者数,(3) 外来患者数・新入院患者数,(4) 患者1人当たり単価,(5) 患者1日当たり単価,(6) 平均在院日数)に加え,回復期リハビリテーション病棟を持つ施設向けに開発した実績指数*2のテンプレートを追加。リハビリテーションの効果を表す患者の日常生活動作(ADL*3)の評価結果の集計を自動化・見える化することで,早期に実績指数の低下に気づくことが可能となる。また,患者のリハビリテーションの状況や,スタッフの作業内容を分析することで,より効果の高いリハビリテーションプログラムの作成や最適なスタッフの配置を支援する。

*2 実績指数:入院から退院までの間のADLの改善状況と,在院日数に着目し,回復期リハビリテーション病棟を評価する指数。2016年度の診療報酬改定で,実績指数の公表が義務付けられた。
*3 ADL(Activities of Daily Living):移動,食事,入浴など生活を営むうえで不可欠な基本的行動。

2. 医療従事者の負担軽減を支援する「病院・介護連携ソリューション」
「Open-Karte」シリーズと日立システムズが介護・福祉施設向けに提供している「福祉の森」を連携することで,医療従事者の負担軽減を支援する。具体的には,医療機関では,介護・福祉施設から受け入れた救急患者のケアプランや介護時の服薬内容,家族への連絡先などを即座に確認することができる。一方,介護・福祉施設では,入院した患者(利用者)の状態や退院予定日,処方箋などをいつでも確認できる。両施設間で常に患者(利用者)の情報を共有することで,多分野多職種間におけるコミュニケーションが向上し,退院時の引き継ぎがスムーズに行える。

●新ソリューションの価格と販売開始時期

医療分析ソリューション
電子カルテに蓄積された診療データの経営分析システム
価格:750万円から
販売開始:2017年7月12日

病院・介護連携ソリューション
病院,介護施設間の情報共有システム
価格:未定
販売開始:2017年10月予定

*4 本価格に電子カルテシステム「Open-Karte」本体は含まない。また,システム構成により価格は異なる。

 

●問い合わせ先
(株)日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット ヘルスケアソリューション事業部
[担当:立花]
TEL 03-6284-3078(直通)
http://www.hitachi.co.jp/healthcare

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