兵庫県養父市とウィーメックス,ブイキューブが公民館でオンライン診療の実証事業を開始 ~へき地等における医療アクセスの改善に貢献~

2023-10-24

遠隔診療

PHC(メディコム,ウィーメックス)


兵庫県養父市(市長:広瀬栄,以下「養父市」)とPHCホールディングス(株)傘下のウィーメックス(株)(以下「ウィーメックス」),(株)ブイキューブ(以下「ブイキューブ」)は,養父市の公民館「あけのべ憩いの家」に,リアルタイム遠隔医療システム「Doctor Cart」(※1)が搭載された「TELECUBE」(※2)を設置し,2023年11月7日よりオンライン診療の実証事業を開始する。本実証事業は,2023年5月18日の厚生労働省医政局による通知「へき地等において特例的に医師が常駐しないオンライン診療のための診療所の開設について」(※3)を受け,へき地における持続可能な地域医療の提供をめざすことを目的とした取り組み。本通知により,地域の公民館等で医師が常駐しない診療所の開設が可能となる。養父市とウィーメックス,ブイキューブは,本実証事業を通じて,へき地における医療アクセスの改善に貢献する。

※実証事業としてオンライン診療を行う「あけのべ憩いの家」(兵庫県養父市)

※実証事業としてオンライン診療を行う「あけのべ憩いの家」(兵庫県養父市)

 

本実証事業を行う兵庫県養父市などの少子高齢化が進む中山間地域では,医師の地域偏在による医師不足と高齢者の医療アクセスの改善が課題となっている。養父市では,通院に利用できる公共交通体系は維持されているものの,限られた路線バスの運行とあわせて ,運転免許自主返納者も増えている。養父市では,マイカー運送など支援策はとられているが,最寄りの診療所は車で15分以上かかる場所にあり,交通手段の少ない高齢者にとっては,通院のためのハードルが高く適正頻度で受診できないケースの増加が懸念されている。医師による訪問診療も実施されているが,対応する医師の数も限られており,すべての患者に適切な医療を提供することが難しい状況にある。
このように,医療資源が限られ,患者の受診機会が十分に確保されていないへき地等での医療提供対策として,2023年5月18日,厚生労働省医政局は「へき地等において特例的に医師が常駐しないオンライン診療のための診療所の開設について」を通知し,へき地等,患者の医療アクセス改善が課題である地域に限定して,特例的に公民館等の中に医師が常駐しない診療所を開設することを認めた。

今回の実証事業では,本通知を受けて,養父市明延地区にある「あけのべ憩いの家」で医師が常駐しないオンライン診療のための診療所を開設し,診療を行う。「あけのべ憩いの家」は,もともと診療を目的とした施設ではないため,ブイキューブが提供する防音個室ブース「TELECUBE」内に,ウィーメックスのリアルタイム遠隔医療システム「Doctor Cart」を設置することで患者のプライバシーに配慮した診療を実施する。本実証事業を行うことにより,地域住民の医療アクセス向上に加えて,地域住民が住みたい場所で健康的に暮らせるための疾病の重症化予防や,医師の移動負担の軽減や診療の効率化など,患者と医師双方のニーズに適した地域医療への貢献を目指し,養父市とともに運用体制や診療に必要な設備・機器等の検証を行う。

※「あけのべ憩いの家」に設置した防音個室ブース「TELECUBE」と遠隔医療システム「Doctor Cart」 ※実際は,「TELECUBE」周辺に白いボードを設置し,患者のプライバシーに配慮した形でオンライン診療を行う。

※「あけのべ憩いの家」に設置した防音個室ブース「TELECUBE」と遠隔医療システム「Doctor Cart」
※実際は,「TELECUBE」周辺に白いボードを設置し,患者のプライバシーに配慮した形でオンライン診療を行う。

 

 

【実証事業の概要】

■期間:2023年11月7日から2024年3月31日

■場所:あけのべ憩いの家(〒667-0436 兵庫県養父市大屋町明延1082-1)

■対象:兵庫県養父市明延地区の住民 9名

■想定シーン:医師の常駐しない診療所でのオンライン診療による診察

■検証事項:
・本実証事業の患者および医療従事者にとっての有用性
・「Doctor Cart」を用いたオンライン診療における運用課題・ニーズ
・公共の場で患者のプライバシーに配慮したオンライン診療実施に必要な「TELECUBE」などの設備・機器等の検証

なお,実証事業に先んじて行われたオンライン診療を受ける患者への説明会(2023年10月13日実施)では,「TELECUBE」内に設置された「Doctor Cart」の高性能スピーカーを通じて音がクリアに聞こえたため,「先生の声がしっかり聞き取れ,会話もできた」と安心していた。また,「雪が降ると診療所に行くのが大変だからとても嬉しい。助かります。」といった期待の声もあった。本実証事業でオンライン診療を担当する,養父市国民健康保険大屋診療所の加藤健氏は,次のように述べている。「診療所への通院時の負担が軽減され患者さんの利便性が向上できると期待しています。」

また,養父市長の広瀬栄氏は次のように述べている。「養父市のように,住民の高齢化や診療所へのアクセスが不便な地域は全国に多くあります。医療資源が限られ,高齢化が進む地域において住民に医療を届ける手段の選択肢として,今回の実証事業が有意義な取り組みになることを期待しています。」

養父市とウィーメックス,ブイキューブは,今後も,全国のへき地等における「医師が常駐しないオンライン診療のための診療所での診察」の実運用に向け,医療機関とも連携しながら,具体的な運用方法について検討を進めていく。

(※1)https://www.phchd.com/jp/bx/telehealth/services/doctorcart
https://www.phchd.com/jp/bx/telehealth
(※2)https://jp.vcube.com/telecube
(※3)2023年5月18日厚生労働省発令
「へき地等において特例的に医師が常駐しないオンライン診療のための診療所の開設について」
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001103168.pdf

 

●問い合わせ先
ウィーメックス(株) 
デジタルヘルス事業部 遠隔医療ソリューション部
Email:pj-telehealth-contact@ml.wemex.com

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