ITEM2018 東洋メディック ブースレポート 
高解像度pQCT装置をはじめ,国内新発売の放射線関連製品を紹介


2018-5-2


東洋メディックブース

東洋メディックブース

世界各国で活躍している放射線診断線量管理ソリューションや放射線診断・放射線治療の関連製品などを取り扱っている東洋メディック。ブースでは,2018年に国内販売開始となる新製品の展示やソフトウエアなどのデモンストレーションを行った。世界最高解像度を有するpQCT装置「Xtreme CT II」をはじめ,初出展の線量管理ソフトウエア「Radiation Dose Monitor(RDM)」など,臨床現場や研究に役立ち,患者の負担を軽減する検査・治療の関連製品群が紹介された。

●研究領域拡大の可能性を有する末梢骨pQCT装置「Xtreme CT II」

スイスSCANCO MEDICAL社のXtreme CT IIは,ヒト生体に使用可能な四肢用CTとして世界最高解像度の60μmを実現したX線マイクロCTスキャナ。外観が新しくなったことを受けて,実寸大モデルとワークステーションが用意された。骨密度に加え微細構造の解析として,皮質骨および海綿骨の骨塩量,骨梁幅,骨梁数,皮質骨多孔性などの多彩なパラメータの解析が可能である。最大スキャンサイズは140mm×200mmで,被ばく線量は胸部X線撮影の1/10程度である5μSv以下という低被ばくを実現している。1cm厚を約2分で撮影し,146枚の画像を得られる。
in vivo評価のための定量計測を行うXtreme CT IIは,低被ばくな検査により,定期的なフォローアップ測定を可能にする。3D評価ソフトウエアは,皮質と骨梁の骨領域を過去の検査測定値に自動的に一致させ,密度と構造特性を直接比較できる。高精細な画像の解析が容易にできることで,リウマチによる骨の変形の早期発見やより最適な検査部位などの議論や研究が進められている。さらに,傷づいた骨の修復の過程など,さらなる骨領域のメカニズム解明の可能性が期待されている。
骨粗鬆症などの骨質評価においては,加齢による骨密度低下だけではなく,2型糖尿病や抗がん剤といった薬の副作用で骨密度低下が生じることに注目が集まっている。平均骨密度に加え,海綿骨密度の評価なども行えることで,より正確な骨質評価が可能となる。Xtreme CT IIは現在,全世界で約100台,国内では3台導入されている。

60μmの世界最高解像度を有するX線マイクロCT「XtremeCT II」

60μmの世界最高解像度を有するX線マイクロCT「XtremeCT II」

 

XtremeCT IIで得られる画像は海綿体の詳細な観察が可能

XtremeCT IIで得られる画像は海綿体の詳細な観察が可能

 

●被ばくの最適化を図るための線量管理ソフトウエア「Radiation Dose Monitor(RDM)」

フランスMedsquare社のRDMは,被検者の被ばく線量のアーカイブと集中管理を行うDACS(Dose Archiving and Communication System)ソリューションとして,国内初出展となった。
RDMは,医療機関内の電子カルテやオーダリングシステム,RIS,PACS,そしてCTなどの画像診断装置とシームレスに接続。被検者,検査,画像取得に関する情報を表示する。検査時の被ばく量のリアルタイムモニタリングが可能なほか,診断参考レベルや設定した閾値を超過した場合に知らせるアラートシステム,自動メール通知機能を搭載し,線量管理業務の効率化に貢献する。また,各検査による線量値分布を表示して,基準値から逸脱した検査を識別したり,例外を示す全プロシージャとプロトコールの識別といった線量データの統計解析を行える。画像データと線量解析レポートをExcelにエクスポートしたり,HIS,RIS,PACSにレポートを自動転送したりして,データを有効活用し,線量の最適化に寄与する。全世界約2000施設が導入していることも,RDMの有用性を証明していると言えよう。

「Radiation Dose Monitor」は全世界約2000施設が導入

「Radiation Dose Monitor」は全世界約2000施設が導入

 

●患者QOLの向上に貢献する放射線治療用ブラジャー「Chabner XRT」

米国CIVCO社のChabner XRTは,女性の放射線腫瘍医によって設計された放射線治療用胸部固定具。放射線治療のシミュレーションや計画・治療において,乳房の保持や患者の快適性,尊厳確保など,QOL向上に貢献する。CIVCO社の従来品に比べ,軽量で透けにくい。また,素材にはサーモプラスチック・ポリウレタン(TPU)が採用されているため,皮膚マークや骨格部マークの視認性も確保でき,医療スタッフにも優しい設計になっている。このTPU素材は,放射線ビームが減弱することなくブラジャーを通過できることが確認されている。放射線治療時に限らず,CT・MRI検査の際も使用することが可能である。また,縫い目を外側に配することで,患者の体に直接触れないため,炎症や感作反応が生じにくい。サイズは9サイズが用意されており,加えてエクステンダーを使うことで,患者の体型に合ったサイズ調整できるほか,背部の留め具部分がインデックス式を採用しており,患者ごとに着用時の位置やガイドマークを自由につけられるという配慮がなされている。

患者QOL向上に寄与する放射線治療用ブラジャー「Chabner XRT」

患者QOL向上に寄与する放射線治療用ブラジャー「Chabner XRT」

 

●軽量・小型化を実現した「BluePhantom COMPACT」

ブース内では,米国IBA Dosimetry社の放射線治療装置用2D水ファントムシステムであるBluePhantom COMPACTも展示された。従来品「BluePhantom2」の高精度かつ優れた効率性・信頼性を継承しながらも,約1/2のサイズという小型・軽量化を実現した。バリアンメディカルシステムズ社が2017年11月から国内展開を開始した放射線治療装置「Halcyon」用として,「Stelth Chanber」と合わせてパッケージ化して販売されている。

従来製品から約1/2の小型化を果たした2D水ファントムシステム「BluePhantom COMPACT」

従来製品から約1/2の小型化を果たした
2D水ファントムシステム「BluePhantom COMPACT」

 

パッケージ化で「BluePhantom COMPACT」と組み合わせる「Stealth Chamber」

パッケージ化で「BluePhantom COMPACT」と組み合わせる「Stealth Chamber」

 

●お問い合わせ先
社名:東洋メディック株式会社
住所:〒162-0813 東京都新宿区東五軒町2-13
TEL:03-3268-0021
URL:http://www.toyo-medic.co.jp/


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