日本貿易振興機構(JETRO)とMedical Excellence JAPAN,業務協力に関する覚書を締結

2017-7-4


合意書にサインを交わした,石毛博行 理事長と山本修三 理事長

合意書にサインを交わした,
石毛博行 理事長と山本修三 理事長

独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)と一般社団法人Medical Excellence JAPAN (MEJ)は,2017年7月3日(月),国内の医療機器メーカーなどの海外展開支援を目的に,両者の業務協力に関する覚書を締結した。同日,JETRO理事長の石毛博行氏とMEJ理事長の山本修三氏が出席し,JETRO本部(東京都港区)にて記者発表を行った。

石毛博行 氏(日本貿易振興機構理事長)

石毛博行 氏
(日本貿易振興機構理事長)

山本修三 氏(Medical Excellence JAPAN理事長)

山本修三 氏
(Medical Excellence JAPAN理事長)

 

 

今回の覚書締結は,2017年6月に閣議決定された「未来投資戦略2017」において,JETROとMEJが医療の国際展開支援を担う中核機関に位置付けられたことをきっかけとし,日本の医療機器・サービスに関わる企業などの海外展開支援強化を目的に実施された。広大な海外ネットワークを活用し,現地ビジネス情報の収集から発信,商談支援を可能とするJETROと,医師や海外展開に意欲的な企業とのネットワークを有するMEJが連携を深めることで,国内医療機器産業の国際展開を効果的に支援していく方針だ。

具体的には,MEJ会員企業へ向けたJETRO事業(海外商談会,セミナー等)の紹介や,海外展示会での広報支援,MEJが派遣する官民セッション参加企業へのJETROによるブリーフィングなどが挙げられる。また,協力に際し,JETROとMEJが有する海外情報の交換を行うとともに,定期意見交換会を開催する予定だ。これらの取り組みを通じて,「医療といえば,日本」というブランドイメージを打ち出し,海外の政府や医療関係者等へのアピールを強めていく。

挨拶に立ったJETROの石毛理事長は,「中国,ASEAN,中東,中南米などの新興国市場で各国の医療機器メーカーによる市場獲得競争が続く中,海外の医師・代理店からは『韓国や欧米の企業の方が熱心に売り込んでいる』,『日本製品の情報が少なく,連絡先すらわからない』といった声が上がっており,日本の医療機器産業のプレゼンスを強め,効果的かつ効率的に高めていく方法が必要である」と,海外の医療機器市場の状況について解説した。
また,今回の連携により期待される効果として,海外の主要展示会における情報発信の強化や,現地政府・病院のキーマンに対するアピール能力の向上についても説明した。覚書の締結に先立って行われた「イラン医療機器ミッション」では,MEJ会員の大手医療機器メーカーほか多数の商社が参加し,オールジャパンのミッション団を構成した。これにより,普段はアポイントメントが取れない現地の医療機器審査部門の責任者との面談や,大手総合病院への視察を実現したと報告し,海外に展開するMEJ会員企業に対してこれまで以上に細かなサポートを実施すると締めくくった。

続いて,MEJの山本理事長は,「この度,産業振興におけるグローバルなネットワークを有し,ビジネスの国際展開に実績を持つJETROと,MEJが持つ医療分野のネットワークが結びつくことで,日本の医療の国際展開に向けた活動が飛躍すると期待している」と述べた。
MEJは,2011年の設立当初から海外からの患者受け入れを支援するインバウンド事業に取り組んできた実績を有し,2013年の「日本再興戦略」により,医療の国際展開を推進するアウトバウンド事業を中核とする組織へと改組したことを機に,国内医療機器メーカーを中心として,金融機関,保険機関,商社,コンサル,ICT企業など51社が加盟する団体となった。また,2015年には医療の国際展開に関心を持つ有志が加盟した「医療国際展開フォーラム」を発足し,現在31の医療機関が加盟している。これまで,産官学医の連携による日本の医療を海外にアピールするミッションなどを実施しており,経済産業省の実証調査事業を通じた医療拠点設立や,現地の医師に対する指導などの人材育成,新興国での販路開拓でも成果を上げている。また,インバウンドでは,海外からの医療渡航受診者を受け入れるための環境整備を進めており,国のガイドラインに沿って受け入れをコーディネートする「医療渡航支援企業」の認証を始め,受け入れ体制が整った医療機関を“Japan International Hospitals”として推奨する業務を担っている。

両者は今後,2017年9月にタイ・バンコクで開催される医療機器展示会「Medical Fair Thailand」にジャパンパビリオンを出展し,日本の医療機器・サービスをアピールするなど,広報活動における連携を図る予定だ。また,JETROがMEJなど国内関係団体と連携して作成した『日本医療機器ディレクトリー』を展示会などで頒布する。日本医療機器ディレクトリーは,「日本の医療機器に関心はあるが,コンタクトが取れない」という海外の医師や代理店に向け,100社以上の製品情報が英語で網羅されたカタログとなっており,同様の制作物としては国内初の試みとなる。タイの展示会参加以降は,2017年11月のMEDICA(デュッセルドルフ),2018年1月のArab Health(ドバイ)など,大型医療イベントへの出展が予定されており,日本の医療機器産業のアピールが強まると期待される。

 

●問い合わせ先
日本貿易振興機構
ヘルスケア産業課
TEL 03-3582-8351
https://www.jetro.go.jp

一般社団法人Medical Excellence JAPAN
管理部
TEL 03-6261-3971
http://www.medical-excellence-japan.org/jp/


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