第21回CTサミットが広島で開催

2017-7-11

CT


「CTデータの叫び」がテーマ

「CTデータの叫び」がテーマ

第21回CTサミット(主催:CTサミット,協力:インナービジョン)が2017年7月8日(土),JMSアステールプラザ(広島市中区)の中ホール・市民ギャラリーで開催された。当番世話人は,石風呂 実氏(広島大学病院診療支援部画像診断部門)。テーマには,「CTデータの叫び」が掲げられ,CT検査で発生するデータ量が増大し続ける中,これらのボリュームデータをいかにマネジメントし,有効活用を図っていくかに焦点が当てられた。1997年に「全国X線CT技術サミット」としてスタートしたCTサミットは,2016年の第20回から単独での主催となり,プログラムごとに企業との共催する方式へと変更された。今回は,教育講演:CT被曝線量データの叫び,基調講演:CT Volume dataの叫び 1(画像処理),シンポジウム:CT Volume dataの叫び 2(画像等手術支援)—適切な造影法と画像処理による画像等手術支援—〔共催:第一三共(株)〕,特別講演1〔共催:東芝メディカルシステムズ(株)〕,特別講演2〔共催:(株)フィリップスエレクトロニクスジャパン〕というプログラムが組まれた。また,(株)AZE,富士フイルムメディカル(株),GEヘルスケア・ジャパン(株)がランチョンセミナーを共催。総合司会を藤岡知加子氏(広島大学病院診療支援部画像診断部門)が務めた。

開会に当たり挨拶した石風呂氏は,2013年から東京都内での開催となっていたが,2002年の第6回以来,広島県で開催することになったと述べた。そして,CTサミットは毎回最新情報を取り上げているが,診療放射線技師の業務は臨床が基になっていることから,今回は臨床画像を主眼に置き情報を提供していきたいと説明。さらに,自身がCT検査に携わった当時は,1断面を丁寧に観察していたが,現在ではボリュームでスキャンして膨大なデータを再構成するようになったと述べ,この状況を踏まえて,「CTデータの叫び」をテーマに掲げたとまとめた。

会場となったJMSアステールプラザ中ホール

会場となったJMSアステールプラザ中ホール

中国地方以外からも多数参加

中国地方以外からも多数参加

   
市民ギャラリーで行われたメーカーの最新技術紹介

市民ギャラリーで行われたメーカーの最新技術紹介

一般演題のポスター展示

一般演題のポスター展示

 

当番世話人:石風呂 実 氏(広島大学病院)

当番世話人:石風呂 実 氏
(広島大学病院)

総合司会:藤岡知加子 氏(広島大学病院)

総合司会:藤岡知加子 氏
(広島大学病院)

 

 

最初に,教育講演:CT被曝線量データの叫びが行われた。小川正人氏(産業医科大学若松病院放射線部)が座長を務め,西丸英治氏(広島大学病院診療支援部画像診断部門)が,「CTのDRLについて」と題して講演した。西丸氏は,放射線防護の三原則(正当化,防護の最適化,線量限度の適用)について説明したほか,DRLのポイントや施設で利用する場合の比較方法などを解説した。また,CTの被ばくリスクの考え方やDICIOMデータ上の線量情報の見方なども紹介した。

教育講演座長:小川正人 氏(産業医科大学若松病院)

教育講演座長:小川正人 氏
(産業医科大学若松病院)

西丸英治 氏(広島大学病院)

西丸英治 氏
(広島大学病院)

 

 

次いで,行われた基調講演:CT Volume dataの叫び 1(画像処理)では,平野 透氏(札幌医科大学附属病院放射線部)が座長を務め,2人の講演者が登壇した。先に,髙橋正司氏(県立広島病院)が登壇し,「CFDの現状」をテーマに講演した。髙橋氏は,CFD解析について説明した上で,医療分野での応用例として,循環器領域におけるFFRCTの解析手法を紹介し,その臨床例を提示。冠動脈の血流評価における有用性を説明した。さらに,髙橋氏は,脳血管領域におけるCFD解析の例として,動脈瘤の評価などを解説した。2番目には「3D fusion imageの応用」をテーマに,石風呂氏が講演した。石風呂氏は,医用画像の3D画像処理における画像の融合として,レイヤー,マルチボリューム加算,フュージョンの3つを説明した。さらに,症例画像を提示して,画像処理の手法を解説したほか,3Dプリンタによる術前シミュレーションなどを紹介した。講演のまとめとして石風呂氏は,3D fusion imageについて,画像診断以外にも外科的手術やIVRなどの手技に欠かせない情報を提供できる画像処理技術であるとまとめた。

基調講演座長:平野 透 氏(札幌医科大学附属病院)

基調講演座長:平野 透 氏
(札幌医科大学附属病院)

髙橋正司 氏(県立広島病院)

髙橋正司 氏
(県立広島病院)

石風呂 実 氏(広島大学病院)

石風呂 実 氏
(広島大学病院)

 

この後,大沢一彰氏(済生会中和病院放射線科)と村上克彦氏(福島県立医科大学病院放射線部)が座長を務めてランチョンセミナーが行われた。さらに,一般発表(ポスター)・学術サポート(機器展示)の会場である市民ギャラリーに場所を移し,メーカーからの最新技術のプレゼンテーションが設けられた。

ランチョンセミナー座長:大沢一彰 氏(済生会中和病院)

ランチョンセミナー座長:
大沢一彰 氏
(済生会中和病院)

ランチョンセミナー座長:村上克彦 氏(福島県立医科大学病院)

ランチョンセミナー座長:
村上克彦 氏
(福島県立医科大学病院)

 

 

休憩を挟んだ後に,シンポジウム:CT Volume dataの叫び 2(画像等手術支援)が行われた。梁川範幸氏(東千葉メディカルセンター放射線部)と石風呂氏が座長を務め,4名が発表した。最初に,大村知己氏(秋田県立脳血管研究センター放射線科診療部)が登壇し,頭部領域を対象に,脳動静脈描出やテスト造影による最適な造影法,動静脈分離処理の実際について説明した。2番目に発表した富田博信氏(済生会川口総合病院放射線技術科)は,腹部領域における画像処理として,肝臓,膵臓,胆,胃,大腸の術前3D画像作成のノウハウを解説した。続いて,野水敏行氏(富山労災病院中央放射線部)は,整形外科領域における手術支援画像として,骨関節領域,四肢関節骨折,腰椎椎間板ヘルニア,手指腱断裂の3D画像作成のポイントを説明し,精度の高い画像処理を行うために再構成関数を見直し,骨関数で作成することの重要性に言及した。最後に登壇した牛尾哲敏氏(滋賀医科大学医学部附属病院放射線部)は,胸部・大血管領域での3D画像処理について,ボリュームデータの要件や造影法,画像処理の方法について解説。臨床を理解した上での検査プランニングや診療科とのコミュニケーションが重要であると述べた。

シンポジウム座長:梁川範幸氏(東千葉メディカルセンター)

シンポジウム座長:
梁川範幸 氏
(東千葉メディカルセンター)

シンポジウム座長:石風呂 実 氏(広島大学病院)

シンポジウム座長:
石風呂 実 氏
(広島大学病院)

大村知己 氏(秋田県立脳血管研究センター)

大村知己 氏
(秋田県立脳血管研究センター)

     
富田博信 氏(済生会川口総合病院)

富田博信 氏
(済生会川口総合病院)

野水敏行 氏(富山労災病院)

野水敏行 氏
(富山労災病院)

牛尾哲敏 氏(滋賀医科大学医学部附属病院)

牛尾哲敏 氏
(滋賀医科大学医学部附属病院)

 

続いて,代表世話人である辻岡勝美氏(藤田保健衛生大学医療科学部放射線学科)が座長を務め,井田義宏氏(藤田保健衛生大学病院放射線部)による特別講演1「全身用超高精細CTの開発と可能性」が行われた。井田氏は,東芝メディカルシステムズの「Aquilion Precision」について,国立がん研究センター中央病院で進められた開発の経緯を紹介。極小焦点や高出力,寝台精度を向上させる技術を解説した。また,Aquilion Precisionの物理評価結果を示し,解像度の向上やノイズの増大,微小構造のコントラストが改善すると述べた。さらに,ステントファントムによる内腔評価も示し,開存性についてはADCTよりも優れているという結果を紹介した。

特別講演1座長:辻岡勝美 氏(藤田保健衛生大学)

特別講演1座長:
辻岡勝美 氏
(藤田保健衛生大学)

井田義宏 氏(藤田保健衛生大学病院)

井田義宏 氏
(藤田保健衛生大学病院)

 

 

次に,特別講演2として,宮下宗治氏(耳鼻咽喉科麻生病院診療支援部)が座長を務め,「“お宝満載”2層検出器IQon スペクトラルCTの臨床的有用性について」と題し,片平和博氏(熊本中央病院放射線科)が登壇した。片平氏は,2層検出器を搭載したフィリップスエレクトロニクスジャパンの「IQon スペクトラルCT」について,時間的・空間的なズレがなく,従来と同じ撮影上でイメージングが可能であるといった特長を説明。“Spectral is always on”で,日常診療の中で利用できることを高く評価した。また,片平氏はIQon スペクトラルCTの有用性として,全症例でスペクトラルイメージングが撮影であること,造影効果が優れており,少ない造影剤でも検査を施行できること,目的に応じてコントラストを取得できることなどを挙げた。

特別講演2座長:宮下宗治 氏(耳鼻咽喉科麻生病院)

特別講演2座長:
宮下宗治 氏
(耳鼻咽喉科麻生病院)

片平和博 氏(熊本中央病院)

片平和博 氏
(熊本中央病院)

 

 

特別講演終了後には,一般発表の表彰が行われた。今回の一般発表は,過去に北米放射線学会(RSNA)や欧州放射線学会(ECR)などで発表されたものも含まれており,参加者の中からの100名による投票によってA(国際発表),B(国内発表)ごとに表彰された。なお,次回第22回CTサミットは2018年7月14日(土),北九州国際会議場(福岡県北九州市)を会場に開催される。当番世話人は小川氏が務め,テーマには「Trends in CT technology」が掲げられた。

代表世話人:辻岡勝美 氏(藤田保健衛生大学)

代表世話人:
辻岡勝美 氏
(藤田保健衛生大学)

次回当番世話人:小川正人 氏(産業医科大学若松病院)

次回当番世話人:
小川正人 氏
(産業医科大学若松病院)

 

 

協賛企業(順不同)
東芝メディカルシステムズ株式会社,株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン,GEヘルスケア・ジャパン株式会社,シーメンスヘルスケア株式会社,株式会社日立製作所,第一三共株式会社,株式会社根本杏林堂,アミン株式会社,ザイオソフト株式会社,株式会社AZE,富士フイルムメディカル株式会社,バイエル薬品株式会社,エーザイ株式会社,富士フイルムRIファーマ株式会社,富士製薬工業株式会社,コニカミノルタジャパン株式会社,東洋メディック株式会社,メディキット株式会社,リマージュジャパン株式会社,株式会社WIN17,株式会社インテグラル,株式会社インナービジョン

●機器展示

アミン/ザイオソフト

アミン/ザイオソフト

AZE

AZE

   
インテグラル

インテグラル

コニカミノルタジャパン

コニカミノルタジャパン

   
GEヘルスケア・ジャパン

GEヘルスケア・ジャパン

シーメンスヘルスケア

シーメンスヘルスケア

   
東芝メディカルシステムズ

東芝メディカルシステムズ

根本杏林堂

根本杏林堂

   
日立製作所

日立製作所

メディキット

メディキット

   
リマージュジャパン

リマージュジャパン

 

 

●一般発表(ポスター)表彰

A(国際発表)
Magna Cum Laude
Knee anterior cruciate ligament(ACL) reconstruction of post-operative evaluation in 3D-CT
石風呂 実 氏(広島大学病院)

石風呂 実 氏(広島大学病院)
Magna Cum Laude Knee anterior ligament(ACL) reconstruction of post-operative evaluation in 3D-CT 石風呂 実 氏(広島大学病院)

 

Cum Laude
A Novel Visualization Method of Preoperative Cardiac CT for Atrial Septal Occlusion : Minimum Intensity Projection and Fusion Volume Rendering Images
中村義隆 氏(小倉記念病院)

中村義隆 氏(小倉記念病院)
Cum Laude A Novel Visualization Method of Preoperative Cardiac CT for Atrial Septal Occlusion : Minimum Intensity Projection and Fusion Volume Rendering Images 中村義隆 氏(小倉記念病院)

 

Certificate of Merit
超高精細CTによる乳がんの新たな診断法の可能性を検討
New diagnosis of breast cancer with Ultra-High-Resolution Computed Tomography
北村貴明 氏(京都大学医学部附属病院)

Certificate of Merit 超高精細CTによる乳がんの新たな診断法の可能性を検討 New diagnosis of breast cancer with Ultra-High-Resolution Computed Tomography 北村貴明 氏(京都大学医学部附属病院)
 

 

B(国内発表)
Magna Cum Laude
3D-Fusion機能を用いたCryo Balloon Ablation支援画像の有用性
佐々木文昭 氏(秋田県立脳血管研究センター)

佐々木文昭 氏(秋田県立脳血管研究センター)
Magna Cum Laude 3D-Fusion機能を用いたCryo Baloon Ablation支援画像の有用性 佐々木文昭 氏(秋田県立脳血管研究センター)

 

●問い合わせ先
第21回CTサミット
http://ctsummit.jp

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