innavi net画像とITの医療情報ポータルサイト

ホーム

日本メドトロニック,TAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)用デバイス「コアバルブ Evolut PRO」の販売を開始 〜大動脈弁狭窄症患者さんの血行動態改善,弁周囲逆流軽減を実現〜

2018-8-1

コアバルブ Evolut PRO(医療機器承認番号:23000BZX00196000)

コアバルブ Evolut PRO
(医療機器承認番号:23000BZX00196000)

日本メドトロニック(株)は,大動脈弁狭窄症患者さんを対象としたTAVI(経カテーテル大動脈弁置換術,以下TAVI)用デバイス「コアバルブ Evolut PRO(コアバルブ エボリュートプロ)」(以下,Evolut PRO)の販売を2018年8月1日より開始した。Evolut PROは,大動脈弁狭窄症患者さんに対する血行動態の改善と,2016年より販売しているEvolut Rの外側にブタ心のう膜のアウタースカートを追加することによる弁周囲逆流(PVL  ; Paravalvular Leak)の軽減を主な目的として開発され,日本では2018年6月29日に承認された。

大阪大学医学部附属病院 心臓血管外科 教授 澤 芳樹 医師は,「TAVIの残された課題の1つに弁周囲逆流(PVL)がありますが,TAVIデバイスには本来の役割として良好な血行動態の実現が強く求められています。Evolut PROはEvolut Rの外側にアウタースカートを追加したことにより,既存のEvolut Rと比べても良好な血行動態の確保に加えてPVL抑制の両立も期待できるデバイスであると考えます。アウタースカートは大変薄く,自己拡張型フレームによって拡張が維持され,有効弁口面積をアウタースカートの為に犠牲にすることがありません。特に解剖学的に大動脈基部が小さい方が多い日本の患者さんの治療に貢献するデバイスになり得ると考えています。」と述べています。積をアウタースカートの為に犠牲にすることがありません。特に解剖学的に大動脈基部が小さい方が多い日本の患者さんの治療に貢献するデバイスになり得ると考えています。」と述べている。

湘南鎌倉総合病院 総長 循環器科部長 齋藤 滋 医師は,「Evolut PROは,従来のコアバルブシリーズの特長であるニチノール製自己拡張型フレームが,患者さんの自己弁輪とアウタースカートのシーリング(密着)を強化します。一方で生体弁のアウタースカートとインナースカートの間には新生内膜が形成され,さらなるシーリング(密着)が得られる可能性があります。Evolut PROの登場は大動脈弁狭窄症患者さんに対する治療に寄与するでしょう。」と述べている。

●製品の特長

1.弁周囲逆流(PVL)の軽減
Evolut PROの外側にブタ心のう膜のアウタースカートが追加されたことにより,治療後30日時点の弁周囲逆流(PVL)について中等度以上の発現率の軽減が報告されている。1)

2.Evolut Rの特長と実績を継承
ニチノール製自己拡張型フレーム,自己弁輪固有の形状に影響されることなく生体弁の弁尖部分で真円を描きやすく,広い弁口面積と適切なコアプテーション(弁尖の接合)を確保できるスープラアニュラー生体弁(図1),リキャプチャー(再収納)機能を搭載したデリバリーカテーテルシステム,細い血管にも挿入可能なロープロファイルなど,従来のEvolut Rで実績を積み重ねてきた特長を引き継いでいる。海外での臨床試験の結果,治療後30日時点における有効弁口面積 2.0cm2,平均圧較差6.4mmHgと,血行動態の改善が示唆されています。1)

図1 スープラアニュラー生体弁  患者さんご自身の大動脈弁の位置よりも高い位置(スープラアニュラーポジション)にて機能するため,より広い弁口面積を確保することができ,よりスムーズな血流の再現と血行動態の改善に繋がる。

図1 スープラアニュラー生体弁
患者さんご自身の大動脈弁の位置よりも高い位置(スープラアニュラーポジション)にて機能するため,より広い弁口面積を確保することができ,よりスムーズな血流の再現と血行動態の改善に繋がる。

 

3.細い血管の患者さんに対応
Evolut PROはデリバリーカテーテルシステムを通じて留置され,適応のある最小血管径は5.5mm以上である。InLine(インライン)シースと呼ばれる一体型のイントロデューサシースを用いることにより,細い血管にも挿入可能なロープロファイルを実現し,血管径の小さい患者さんに対しても経大腿動脈によるTAVI治療を提供可能にする。日本では,患者さんのサイズに適した生体弁サイズ(23mm,26mm,29mm)の選択が可能。

 【大動脈弁狭窄症について】
心臓弁膜症のひとつで,心臓の中にある弁のうち,酸素を含んだ血液を全身へと送り出すのに重要な役割を果たす大動脈弁が,加齢や動脈硬化によって変化が起きて硬くなり,十分に開かなくなる病気。重症になると胸が痛くなる(胸痛)や息切れ,動悸,むくみなどの心不全の症状や失神などの症状が発現し,症状が進行すると突然死に至る場合もある。
薬による内科的な治療では病気の進行を抑えることしかできないため,重症になると外科的治療が必要となる。日本における大動脈弁狭窄症を含む心臓弁膜症の潜在患者数は,推定200〜300万人といわれている。
※ 米国の弁膜症有病率を日本の18歳以上の人口にあてはめて算出 2)

1)Williams. ACC 2018
2)Nkomo, et al., Burden of valvular heart diseases: a population-based study. Lancet. 2006; 368: 1005-1011

【TAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)とは】
TAVIは,胸を開かず,心臓が動いている状態で,カテーテルを使って人工弁を患者さんの心臓に留置する新しい治療法。この治療は,心臓の弁が上手く機能せず,息切れなどの症状が出る心臓弁膜症を患っており,高齢や合併症などの原因により外科的治療が不可能な患者さんに対する新しい選択肢となる。

 

●問い合わせ先
日本メドトロニック(株)
http://www.medtronic.co.jp