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ハートフローがPRECISEの無作為化臨床試験を実施〜2,000人超の患者を対象とする新たな試験により,冠動脈疾患の非侵襲的冠動脈CTA +ハートフロー解析を含む精密検査手法を従来の診断手法と比較して評価〜

2018-12-12

※12月6日米国配信リリース和訳

ハートフローは2018年12月6日,心臓症状および血行再建術の最適評価の予測的無作為化(PRECISE)試験を開始することを発表した。最初の患者はロサンジェルス市レイク・チャールズのインペリアル・ヘルス・カーディオバスキュラー・スペシャリストのマイケル・C・ターナー医師により登録された。

PRECISE試験は,安定した胸痛を抱える患者の診断および評価を,従来の負荷試験および/または侵襲的心臓カテーテル検査を用いて行う場合と,リスクに基づく検査や冠動脈コンピュータ断層血管造影(CTA)スキャンによる新たな精密評価戦略を用いて行う場合を比較するために行われる。PRECISE試験は新たなアプローチが,冠動脈疾患が疑われる患者の診断の精度やアウトカム,効率,費用および患者ケアを向上させることができるかを評価する。試験は世界中の約100拠点において,2,000人を上回る患者を対象に行われる。

デューク大学循環器研究科ウルスラ・ゲラー教授兼PRECISE試験研究議長のパメラ・ダグラス医師は次のように述べている。「冠動脈疾患は多大な影響をもたらすもので,依然として世界の死亡原因の第1位にあります。それにもかかわらず,現時点では心疾患が疑われる患者による検査の選択肢は不十分であり,それが不正確な診断をもたらし,多くの場合侵襲的な,追加検査の必要性をもたらしてしまいます。PRECISE試験により,医学的な管理が可能な患者と侵襲的な査定を要する患者とを特定し,臨床医による冠動脈疾患が疑われる患者のより効率的な診断をお手伝いすると同時に,不要な検査や手順の数,リスク,経費を削減することを目指しています」。

PRECISE試験では,患者は「通常治療」群または「精度評価戦略」群に無作為に割り付けられる。「精度評価戦略」群の患者はPROMISEリスク・スコアにより評価され,低・無リスクグループまたは高・中リスクグループに振り分けられる。低・無リスクグループの患者は投薬および生活習慣の改善による治療を受ける。高・中リスクグループの患者は全てCTAを受けます。追加的な情報が必要な場合には,ハートフローFFRCT解析を行う。

ハートフローのチーフ・メディカル・オフィサーのキャンベル・ロジャーズ医師は次のように述べている。「ハートフロー解析は他のいかなる非侵襲的検査よりも完全な描写および実用的な情報を医師に提供することにより,冠動脈疾患の疑いのある患者を医師が診断する際に重要な役割を担うことができます。当社は科学的証拠に根差しており,PRECISE試験は優れた臨床上実用的な研究を医師および患者にもたらすという,当社の継続的なコミットメントの最新事例です」。

ハートフロー解析は個別の患者に対応する非侵襲的冠動脈診断。通常の冠動脈CTスキャンのデータにAIを活用し患者の冠動脈3Dモデルを構築し,先進アルゴリズムを使って複雑な数式を計算し,血管狭窄が心臓の血流に与える影響を解析する。ハートフロー解析は医師が最適な治療法を策定できるよう実用的な情報を,安全なオンラインインターフェースを通じて提供する。

ハートフロー解析はより優れたCADの機能評価を提供することにより,他の非侵襲的試験1を上回る診断実績をもたらす。ハートフローの技術力は,出血,発作,主要な血管の損傷およびその他重篤な合併症を引き起こす可能性のある,不要な侵襲的な診断的冠動脈造影処置を減らすことが実証されている。また,病院側の医療費2も大幅に削減される。

1 Driessen, R. et al. PACIFIC FFRctのサブスタディ,EurPCR2018年に発表。
2 Douglas PS, DeBruyne B, Pontone G., Patel MR, et al. 冠動脈疾患が疑われる患者に対するFFRCTに基づくケアの初年度の結果: The PLATFORM Study. Jアム・コール・カーディオル. 2016;68(5),435-45.

 

●問い合わせ先
ハートフロー・ジャパン(同)
TEL 03-3539-3730
www.heartflow.com/jp