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ITEM2024 ニプロ ブースレポート 保険適用された定量的冠血流量比解析プログラム「Medis QFR」やCardiology総合管理ソリューション「GOODNET」の新機能を中心に紹介

2024-4-25

ニプロブース

ニプロブース

ニプロは,主力製品であるCardiology総合管理ソリューション「GOODNET」のバージョン7(GOODNET 7)を中心にブースを構成したが,なかでも今回は,GOODNET 7と連携することでシームレスな運用が可能となる定量的冠血流量比解析プログラム「Medis QFR」(Medis Medical Imaging社製)を強くアピールした。Medis QFR は,欧米では以前から医療機器として利用されているが,わが国においても2023年に医療機器承認を取得し,2024年1月に保険適用の公示を受けた。ブースでは,定量的冠血流量比(quantitative flow ratio:QFR)の解析の実際がデモンストレーションされ,多くの来場者の関心を集めた。
また,GOODNET 7は,動画PACSとして検査画像の保存や配信,さまざまな解析プログラムとの連携,レポート作成まで行うことができ,多機能でありながら使いやすいシステムとなっている。今回の展示では,GOODNET 7に新たに追加された機能が紹介されたほか,DICOMビューワ「GoodView」やレポートシステム「G-Record」などのさまざまな機能が実機でアピールされた。
これらのほか,ブースには,スピーディで確実性の高い穿刺をサポートするモバイルエコー「ECHOMO」が展示された。

●非侵襲的にQFRの測定が可能な定量的冠血流量比解析プログラム「Medis QFR」を前面に打ち出しアピール

Medis QFRは,世界中のコアラボで検証されている心臓血管解析ソリューション「Medis Suite XA」搭載の定量的冠動脈造影法(quantitative coronary angiography:QCA)の計測用ソフトウエア「QAngio XA」のアルゴリズムを踏襲したQFA解析プログラムである。欧米を中心に世界で約15000以上の患者に対して解析実績を有するほか,今年1月にはわが国においても保険適用され,今後,臨床への普及が進むことが期待されている。
冠動脈狭窄病変の評価や治療適応の決定においては,解剖学的な評価はもとより,機能的な心筋虚血の評価が必要となる。機能的な心筋虚血の評価法としては冠血流予備量比(fractional flow reserve:FFR)がゴールドスタンダードであるが,FFRは心筋最大充血時に測定するため,冠動脈造影検査に追加してATP(アデノシン三リン酸)などの血管拡張薬を投与する必要があり,また,冠動脈病変にプレッシャーワイヤを直接挿入して病変前後の血管内圧を測定するなど,侵襲性の高い検査となっている。
これに対し,Medis QFRでは,2方向から撮影されたアンギオ画像のみを用いて3Dの血管モデルを構築し,独自のアルゴリズムによってQFRの値や狭窄率,病変長,血管の屈曲角度(Bending Angle)などを簡単に算出することができる。血管が蛇行している場合,1方向の2D画像のみでは血管の短縮が生じることがあるが,2方向からの画像を用いることでより正確な血管像が得られる。Medis QFRには,解析補助機能が搭載されており,血管の輪郭抽出やフレームカウントが自動で行われるため,簡単な操作で解析結果を得ることができる。ブースでは,実際の解析の様子がデモンストレーションされ,対象血管のアンギオ画像を2枚選択し,画面中央にある解析ウィザードに従って解析を進めていくと,3Dの血管モデルが構築される様子が紹介された。画像選択から血管モデルの構築までに要する時間は平均約5分で,10分ほどかかるFFRの測定と比較し時間を約半分に短縮可能である。これにより,検査時間の短縮や,患者の負荷の軽減にも貢献する。また,3Dモデルはマウス操作で多方向から観察可能なことに加え,QFRの値がカラーで血管像に表示されるため,解析結果を直感的に把握できる。
Medis QFRは,2016年にリリース版が販売開始されて以来,世界各国の研究に用いられており,QFRはFFRとの高い相関性を有することが論文で報告されるなど,エビデンスが蓄積されている。このように,FFRに代わる値を非侵襲的に得られることが,Medis QFRの最大の利点であると言える。また,マルチベンダー対応のため,どのメーカーの血管撮影装置にも対応するほか,GOODNETと連携することでシームレスな結果の保存や管理も可能となる。

Medis QFRでの解析の様子
Medis QFRでの解析の様子
Medis QFRでの解析の様子
Medis QFRでの解析の様子

Medis QFRでの解析の様子 
2方向のアンギオ画像を選択し,血管の自動輪郭抽出など解析ウィザードに従って解析を進めていくと結果が表示される。

 

●多機能でありながら使いやすさを追究した「GOODNET 7」の新機能として,汎用ファイルをDICOM化する機能を紹介

GOODNET 7は,ナビゲーション機能「G-NAVI」,DICOMビューワ「GoodView」,Webソリューション「GOODNETWeb」,レポートシステム「G-Record」で構成され,Medis QFRをはじめとするさまざまな解析プログラムとの連携も可能な循環器向けの総合管理ソリューションとして,国内で多数の運用実績を誇る。G-NAVIでは,JPEGやBMP形式の画像,Microsoft Officeの各種ファイル,PDFなどの汎用ファイルの管理が可能なほか,GoodViewには下肢のパンニングされた動画像から下肢長尺画像をワンクリックで自動構築する機能などが搭載されており,オペレータの作業効率の向上に貢献している。一方,これまでGOODNETWebではJPEGやPDFなどの汎用ファイルを表示できなかったが,それを解決する新機能としてG-NAVIに「DICOM化」機能が追加されることがアナウンスされた。GOODNET 7に取り込んだ汎用ファイルを選択してDICOM化アイコンをクリックするだけで,DICOMデータに変換され,GOODNETWebのビューワで表示可能となる。ほかの検査画像と同じようにDICOMビューワで参照したいという要望も多かったが,DICOM化機能を実装したことで,そうした要望に応えることが可能となった。

Cardiology総合管理ソリューション「GOODNET 7」を壁面で大きくアピール

Cardiology総合管理ソリューション「GOODNET 7」を壁面で大きくアピール

 

G-NAVIに追加される予定のDICOM化のアイコン

G-NAVIに追加される予定のDICOM化のアイコン

 

右側のモニタにはJPEG画像をDICOM化して表示

右側のモニタにはJPEG画像をDICOM化して表示

 

●ワイヤレスプローブとタブレット端末で構成される小型・軽量のモバイルエコー「ECHOMO」

ECHOMOは,BモードとBモードカラーに対応し,直感的な操作が可能なアプリケーションを搭載したモバイルエコーである。循環器領域の検査やスピーディで確実性の高い穿刺を行うためのガイドのほか,小型・軽量という特長から,施設内各所や在宅診療・訪問看護での使用も可能である。Wi-Fiでのワイヤレス接続が可能なプローブと10インチのタブレット端末で構成されたシンプルさに加え,タブレットは15秒以内で起動し,プローブは連続3時間の使用が可能で,取り回しに優れている点も特長である。

モバイルエコー「ECHOMO」

モバイルエコー「ECHOMO」

 

 

●お問い合わせ先
社名:株式会社グッドマン
住所:〒465-0092 名古屋市名東区社台3丁目182番地
TEL:0120-864-522
URL:https://www.goodmankk.com/goodnet/