innavi net画像とITの医療情報ポータルサイト

ホーム

シーメンスヘルスケアが新ビジネスモデルの構築やDXの推進などの事業戦略を発表

2020-8-24

森 秀顕社長新しいビジネスモデルの構築やデジタル化の推進をアピール

森 秀顕社長新しいビジネスモデルの
構築やデジタル化の推進をアピール

シーメンスヘルスケア(株)は2020年8月20日(木),オンラインでの事業戦略発表会を開催し,代表取締役社長の森 秀顕氏が新たなビジネスモデルの構築やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進による成長をめざすとアピールした。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は同社にも影響を与えており,森社長は国内市場が正常化するのは2021年4月以降と見込んでいる。一方で,2020年4〜6月が“底”であり,そこからは抜け出していると指摘した。また,世界市場について,Siemens Healthineersでは4〜6月の落ち込みからの反動で需要が回復しつつあり,10月以降大幅な改善が予想されるという。このような状況において,COVID-19関連のトピックスとして森社長は,研究用試薬として抗体検査キットを5月から受注しているほか,人工知能(AI)によるCT画像解析支援臨床研究ソフトウエアを国内では4月から共同研究,海外では5月からライセンス提供を開始したと紹介した。

厳しい状況が続くものの,Siemens Healthineersは,顧客の価値向上として,(1)プレシジョン・メディシンの拡充,(2)医療サービス提供の変革,(3)ペイシェント・エクスペリエンスの向上,(4)医療デジタル化の推進を掲げ,ビジネスを展開している。さらに近年,事業領域を拡大しており,イメージング(画像・超音波診断)だけでなく,ダイアグノスティクス〔ラボラトリーダイアグノスティクス,point-of-care(POC)〕,アドバンストセラピー(先進治療)の3領域で幅広いソリューションを提供している。

その最も新しい展開が8月4日に発表されたSiemens Healthineersによる放射線治療システム大手の米国バリアンメディカルシステムズ社の買収であろう。Siemens Healthineersでは,2017〜2025年の経営計画として,“Reinforcing”“Upgrading”“New growth”の3期に分けた成長戦略を描いているが,今回の買収は,Upgrading期の計画としていた,成長が見込める周辺事業への参入を象徴するものである。買収などにより,従来のコア事業とのシナジーによって組織全体を格上げして成長を加速させていくと森社長は説明している。バリアンメディカルシステムズ社の買収についても,診断・治療を包括した先進的ながん治療を推進するためであり,2021年上半期までに買収手続きが完了する予定だ。このほかにも,Siemens Healthineersは,2019年12月に血管内治療支援ロボットを手がける米国コリンダス社を買収している。

このようなグローバルでの展開の中で国内市場を請け負うシーメンスヘルスケアについて,森社長は,イメージング,ダイアグノスティクス,アドバンストセラピーの事業領域に対し,「新たなビジネスモデルの構築」「One Healthineersとしてのアプローチ」「デジタルカンパニーの推進」に取り組むと述べた。イメージング事業では,“デジタル”をキーワードに挙げて,画像診断装置だけでなく,AIソフトウエア“AI-Rad Companion”や遠隔検査プロトコール支援システムの「syngo Virtual Cockpit」などによる新たなマーケットを創出する。AI-Rad Companionは,6月から国内で胸部CT画像AI解析受託サービスを開始しており,今後,MRIでの脳体積計測や前立腺がんのMRIガイド下生検のAIソフトウエアの提供も準備している。また,ダイアグノスティクス事業では,免疫・生化学統合分析装置「Atellica Solution」をはじめとしたAtellica製品のポートフォリオの拡充などを行っていく。一方,アドバンストセラピー事業について森社長は,一例として,2019年11月に発売した血管撮影装置「Artis icono D-Spin」でのワンストップ・ストローク・マネジメントによって,CTやMRI検査を省略した迅速な診断・治療が可能になると紹介した。

AI-Rad Companionの胸部CT画像AI解析受託サービス

AI-Rad Companionの胸部CT画像AI解析受託サービス

 

Artis icono D-Spinによるワンストップ・ストローク・マネジメント

Artis icono D-Spinによるワンストップ・ストローク・マネジメント

 

さらに,これらのソリューションを提供していくための新たなビジネスモデルの構築としては,医療機関とのパートナーシップやmanaged equipment service(MES)を展開する。また,デジタルカンパニーの推進については,医療機器のデジタル化だけでなく,社内業務においてもRPAなどの導入によるDXを図っていくとしている。

発表会の中で森社長は,イメージング事業,ダイアグノスティクス事業,アドバンストセラピー事業の3事業のうち,最も成長が見込まれるのはダイアグノスティクス事業だと述べたほか,Siemens Healthineersとしてはアドバンストセラピー事業を拡充が期待されると説明した。また,森社長は2020年はレントゲン博士がX線を発明してから125年の節目であることについて触れ,Siemens Healthineersの歩みを振り返りつつ,心を新たにイノベーションを起こしたいと力強く語った。

 

●問い合わせ先
シーメンスヘルスケア(株)
TEL 0120-041-387
https://www.siemens-healthineers.com/jp/