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3Dを始めてみよう!

【月刊インナービジョンより転載】

●zioTerm2009のMPRを使ってみよう!(2010年3月号)

CTやMRIなどのボリュームデータの観察方法の一つにMPR(Multi Planar Reconstruction:任意多断面再構成)があります。任意断面を表示することでボリュームデータを効率的に観察できます。

MPRとは

ボリュームデータをある平面で切り出して再構成した画像が「MPR:Multi Planar Reconstruction(またはMulti Planar Reformat)」です。ボリュームデータの観察では,Axial(横断面)/Coronal(冠状断面)/Sagittal(矢状断面)の3断面での観察が主流となっています。CoronalとSagittalも,ある面を固定して切り出したMPRの1種であると言えます。MPRではAxial方向だけでは把握しづらい屈曲した部位や蛇行した血管などの構造物の形状や範囲を把握しやすいという利点があります。

MPR表示が役立つ部位

MPRの特長は「ある任意の断面に沿って切り出す」ことです。連続性のある蛇行した管状の物体や,彎曲した臓器,骨などの表示に適していると言えます。ダブルオブリークMPRでは2方向から断面を指定できるので,心臓の右室,左室,右房,左房を同時に表示する四腔断面表示(4Chamber View)や血管の長軸・短軸の同時観察なども可能です。

MPRで心臓の四腔像を表示してみよう

zioTerm2009では,3Dで開いた直後はVRとAxial/Coronal/Sagittalの3断面が表示されています。「MPR」専用のレイアウトに切り替えるだけでMPRを表示できます。zioTerm2009では1方向のMPRだけでなく,2方向のMPR(ダブルオブリーク)で表示することもできます。
実際にzioTerm2009で心臓の長軸/短軸/四腔像を表示してみましょう。
1. 3Dで開く。
2. MPRレイアウトを選択する。
3. Axial方向のMPR(図1 (1))で参照線を指定し,図1 (2)のMPRに僧帽弁と心尖部が抽出されるように参照線を調整する。
4. 図2 (2)のMPR上の参照線を僧帽弁と心尖部を結ぶように調整し,図2 (3)に短軸が表示されるようにする。
5. 図3 (3)の短軸を調整すると,図3 (1)に四腔像が表示される。

図1 (1)で参照線を指定し,(2)のMPRに僧帽弁と心尖部が抽出されるように参照線を調整する。
図1 (1)で参照線を指定し,(2)のMPRに僧帽弁と心尖部が抽出されるように参照線を調整する。
図2 (2)のMPR上の参照線を僧帽弁と心尖部を結ぶように調整し,(3)に短軸が表示されるようにする。
図2 (2)のMPR上の参照線を僧帽弁と心尖部を結ぶように調整し,(3)に短軸が表示されるようにする。
図3 (3)の短軸を調整すると,(1)に四腔像が表示される。
図3 (3)の短軸を調整すると,(1)に四腔像が表示される。

●zioTerm2009 腹部のマスク処理をしてみよう!(2010年4月号)

CTの多列化に伴いボリュームデータを3D画像処理する機会が増えています。しかしボリュームデータを3Dで開くと,臓器の周囲には骨などの構造物があり,観察したい部位が隠れてしまっていることがあります。zioTerm2009のマスク処理を使って造影CTデータで血管,腫瘍,臓器とMPR断面を重ね合わせて,位置を把握する画像を作ってみましょう。

腹部領域でMPR断面を重ね合わせた画像を作ってみよう

造影腹部データを使った腹部領域のマスク処理例を見てみま しょう。
(1) マスクツールの「選択して残す」などを使用してV1タブに動脈と臓器,腫瘍を抽出します。臓器と腫瘍がわかりやすいようにオパシティカーブを調整し,色をつけます(図1)。
(2) V2タブに重ね合わせる断面を作成します。V2タブを選択して 「その他プリセット」からMPRを適用しMPR様の画像にします(図2)。プリセットを使うことで簡単に色やオパシティカーブを設定できます。
(3) 「加算」ボタンをクリックしてV1とV2を重ね合わせた表示にします。
(4) マスクツールの「平面カット」で任意の断面が表示されるようにカットします(図3)。
このように断面と重ね合わせた表示にすることで,腫瘍周囲の情報や血管と他臓器の位置の把握が容易になります。

図1 V1に動脈と臓器,腫瘍を抽出。オパシティカーブを調整してアンカーで色づけする。
図1 V1に動脈と臓器,腫瘍を抽出。オパシティカーブを調整してアンカーで色づけする。
図2 V2にプリセットのMPRを適用してMPR様の断面を表示する。
図2 V2にプリセットのMPRを適用してMPR様の断面を表示する。
図3  V1とV2を重ね合わせた表示にし,任意の断面が表示されるようにカットする。
図3 V1とV2を重ね合わせた表示にし,任意の断面が表示されるようにカットする。

●学会や研究に役立つzioTerm2009 実例:研究に活用されています!(2010年5月号)

「zioTerm2009」は研究・教育を用途として無料でお使いいただける 3D画像処理DICOMビューワです。
これまで9回にわたりzioTerm2009の機能や3D画像処理の基礎について紹介してきましたが,研究で活用されている例をご紹介します。

■海外での研究・討論用に……
  ユトレヒト大学・高原太郎先生(現・東海大学)

皆さんこんにちは。私はオランダでもWork Stationを使う必要がときどき生じます。しかし現地のものは使い勝手が悪いので困っていました。表示言語やマニュアルは英語(あるいはオランダ語)なので,どこにどんな機能があるのか会得するのは難しく,気の利いた画像ができないもどかしさがあったのです。今やどこにでも「Zioが使える」日本の優れた環境からは想像し難いことですが,ひとたび海を渡るとこういった厄介な問題を生じます。
それをzioTerm2009が根本から解決してくれました。放射線科医って,「画像を示せてなんぼ」のところがあります。講演・研究・会議などすべてで画像を示しますから,相談されたときにイメージした画像をさらりと作れれば信用も上がります。zioTerm2009なら完全に自分の操縦下にありますから,あえて英語表示にして外国人に楽しんでもらうことも。これらは皆さんがRSNAに行ったときにもできるわけです。初めてSkypeに出会い,RSNA会場からこどもの顔を見たときと同じぐらい感動しましたよ。

図1 7T MRIによりex vivoで撮影した ひとつのリンパ節の高精細VR画像
図1 7T MRIによりex vivoで撮影した
ひとつのリンパ節の高精細VR画像
図2 リンパ節本体の透明度を上げると,リンパ門や血管の立体的な構造が理解できる。
図2 リンパ節本体の透明度を上げると,
リンパ門や血管の立体的な構造が理解できる。
(元データは,Dr. Mies Kortewegのご好意による)

最新版のzioTerm2009は海外からのインターネット接続にも対応しました。海外の学会や出張でもzioTerm2009をインストールしたノートPCさえあればいつでも画像を参照することができます。インターネット接続によるユーザ認証でセキュリティも安心です。

zioTerm2009を入手するには

ザイオソフト社のWebサイトからユーザ登録後,個人のPCにダウンロードしてインストールします。zioTerm2009は研究・教育を目的としています。

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