MRIに用いられるガドリニウム造影剤(gadolinium-based contrast agent:GBCA)による腎性全身性線維症(nephrogenic systemic fi brosis:NSF)については,画像診断医の間ではすでに広く知られている。腎機能障害のある患者,特に透析患者において発症しうるものであり,知ってさえいればほぼ確実に防止しうる副作用であることを,最初に強調しておきたい。
NSFは,2000年に新しい疾患概念として報告された1)。長い間,原因は不明とされていたが,2006年にGBCAによる副作用ではないかと報告され2),3),その後の多くの研究によって両者の関係に疑問の余地はない。
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