多チャンネル化した受信コイルを用いたパラレルイメージングの登場と発展は,信号の分布を利用した画像のエンコード方法という類似点を持たせることができる,送信コイルの多チャンネル化(Parallel Transmit)によるパラレルイメージングへの期待を大きくしている。広い範囲を均一に励起するCP型送信コイルと異なり,Parallel Transmitシステムでは任意の部分を任意の強度で励起することが可能となる。これにより,3T以上の高磁場の装置におけるスライス断面内の均一な励起,特定の臓器だけを励起もしくは抑制することができ,これまではできなかった撮像手法に応用できるようになる。
  本稿では,シーメンス社製全身用3Tおよび7T装置に搭載したプロトタイプの8チャンネルのParallel Transmitシステムについて紹介する。

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