脳神経外科領域における頭頸部の3D-CT Angiography(3D-CTA)は,シングルヘリカルCTの時代より活用されており,いまではマルチスライスCTの登場により広範囲,高精細なボリュームデータを短時間で取得が可能となり,脳動脈瘤や頸部頸動脈狭窄症などの術前診断に欠くことのできない重要な検査となっている。
  CT装置の進歩と同様に,カテーテルや塞栓物質などの治療器具やDSA装置の進歩により,脳神経外科領域の治療法には,より低侵襲な脳血管内治療が選択肢として加わり急速に普及し始めている。それを受け,脳血管撮影の役割は診断から治療へと移行し,その診断の役割として3D-CTAは重要となり,3D画像の作成は臨床的な知識や解剖だけでなく,治療法を熟知し開頭術,血管内治療それぞれに適したボリュームデータの活用が必要となる(図1)。
  脳血管内治療の分類には塞栓術,血管形成術,血栓溶解術などがあり,さまざまな疾患が適応となる。当院では,診療放射線技師が脳血管内治療の助手として積極的にかかわっており,本稿では,その経験をもとに脳動脈瘤および頸動脈狭窄症に対しての脳血管内治療術における3D-CTA画像作成について紹介する。

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