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MRI  MRI

イムリス
可動式術中MRI装置
「イムリスニューロ」
日本国内発売開始

(2009/6/2)

●問い合わせ先
イムリス(株)
TEL 03-3242-3095(代表)
FAX 03-3242-6336
www.imris.co.jp

イムリスニューロ

 カナダに本社を置くインテリジェント手術室のリーディングカンパニー,IMRISの日本法人であるイムリス(株)は,このほど可動式術中MRI装置「イムリスニューロ」の認証を取得し,国内での発売を開始する。

 脳腫瘍の手術中にMRI画像を撮像できる装置は国内でもすでに数施設で導入されている。これにより,術中に,がんがどこまで浸潤しているかをより正確に把握することができ,再発率や後遺症の発現率を低減させることが期待されている。しかし,これまでの装置は,手術中に患者を手術台に乗せたままMRIへ移動させて撮像するため,その操作が複雑で,メディカルスタッフの負担も大きく,十分に活用しにくいとされていた。

 「イムリスニューロ(IMRISneuro®)」は,これまでの装置とは反対に,手術台を固定し,MRI装置を移動させて撮像するという画期的な方式を採用したインテリジェント手術室の導入パッケージ。患者の安全性を向上しつつ,特に術者などメディカルスタッフの負担を大きく軽減させることができる。

 術中MRIを搭載したインテリジェント手術室の専業メーカーとなるイムリスの専門知識と経験は世界でも高く評価され,「イムリスニューロ」の発売以来2年余りで,ボストンこども病院や,メイヨークリニック,クリーブランドクリニック,ジョンズホプキンスホスピタルなど世界の先進的医療機関27ヵ所で採用されるなど,豊富な実績を持っている。

●主な特長

■脳腫瘍の摘出に貢献する高磁場術中MRI

脳腫瘍の摘出手術では,腫瘍の取り残しによる再発を防ぎ,脳機能領域を傷つけることによる後遺症を防ぐことが重要となる。しかしながら,脳は非常に柔らかくデリケートな臓器であるうえ,腫瘍と正常脳との明確な境界が存在しないために,肉眼で正確に摘出部位を判断するのが困難。そのため,言葉や運動といった機能部位の近くに腫瘍がある場合には正確な摘出が難しく,再発の危険性が残る。
また,頭がい骨を開けた時の脳の膨張や腫瘍を摘出したことによる脳の変位が起こるため,術中MRIによるリアルタイムの画像データを元に切除部位を的確に判断することが,術後の再発と後遺症を防ぐためにも重要。
「イムリスニューロ」に搭載されている1.5テスラの高磁場MRIは神経細胞まで明瞭に映し出し,安全性の高い脳神経外科手術に貢献する。

■患者を動かさず,MRIを移動する。逆転の発想で手術のゴールドスタンダードを損なわない

これまでの術中MRI検査では既存のMRI装置を利用するため,手術中の患者をMRI室に移動し,撮影をしなければならなかった。そのため,移動の時間や数々の安全確認を行う必要があり,撮像を終えて手術再開までに時間を要した。また,MRIを手術室内に置く場合には,術中に手術器具の磁場の影響を常時注意する必要があり,安全性への対応が負担となっていた。
「イムリスニューロ」はイムリスの特許技術により,患者を動かさず,MRIを移動させます。この逆転の発想により,患者の術中の安全性を第一とし,手術のゴールドスタンダードを可能な限り損なわずに術中MRI画像支援手術を実現した。

■可動式術中MRIを搭載したインテリジェント手術室をトータルで提供

院内に術中MRI手術室を設置するには,MRI対応の手術台,RFコイル装着可能な頭部固定装置,手術情報マネジメントシステム,大画面データ表示スクリーンといった機器の選択から,磁気シールド手術室の設計や施工などの工程管理,導入後の安全性マニュアルの整備や安全性教育に至るまで,専門的知識と大変な労力と時間を要する。
「イムリスニューロ」はこれら全てを一括で提供するインテリジェント手術室導入パッケージ。導入までの医療機関での労力を最小限にし,予期しない追加の費用も大幅に削減できる。

■フレキシブルなインテリジェント手術室

「イムリスニューロ」のインテリジェント手術室は,手術でMRIを使用しないときには,MRIが格納された部屋が通常の一般診断用MRI検査に使用できるため,手術室の効率を高められる。
また,二つの手術室の間にMRI待機ルームをいれて,両方の手術室で術中MRI撮像にするなど,多様な形態のインテリジェント手術室を用意している。