INNERVISION



ベンダーの意見交換の場も兼ねるコネクタソン。フランス,カナダ,韓国,台湾からも技術者が参加。

 


IHE-J臨床企画委員会委員長の
岡崎宣夫氏


JRC 2004に先立ち
IHE-Jのコネクタソンを実施
CyberRad 2004では,
恒例のガイド付きツアーデモを企画

 

 医療情報システムのスムーズな連携を目指す標準化活動であるIHE-Jが,2004年2月16日(月)〜18日(水)の3日間,事務局のJIRA((社)日本画像医療システム工業会)において,初の本格的なコネクタソンを行った。“コネクタソン”とは,ConnectとMarathonを組み合わせた言葉で,システムがIHEの定めるテクニカルフレームワーク(TF)の仕様にどの程度準拠しているかを評価するための場で,各システム同士の接続確認が行われる。わが国では今回が初めての実施となり,ベンダー20社から約100名が参加。RIS,PACSなど30以上にも及ぶシステムについて評価された。
 IHE-Jの基となるIHEは,放射線部門などの情報システムの連携を図るために,1999年のRSNA(北米放射線学会)で提唱された。翌年ヨーロッパでも活動が開始され,日本では,2001年7月にIHE-Jとして発足。学会,行政,業界団体が協力しながら,わが国の実情に合わせた取り組みが進められている。このIHE-Jでは,活動の成果として,標準規格適用ガイドラインである日本版TFを作成しいる。
 今回のコネクタソンでは,この日本版TFに基づき,放射線部門での業務の流れを示す統合プロファイルであるSWF(日常検査のワークフロー),PIR(患者情報の整合性確保),CPI(画像表示の一貫性確保),SINR(画像および数値を含むレポート)を中心に,臨床検査のワークフローを含めて,接続可能かどうかがテストされた。コネクタソン実施前に2回のワークショップが行われており,参加ベンダー各社には事前に配布されたMESAツールでシステムの確認が義務づけられている。初日である16日は,機器の搬入と準備テスト,翌17日には,個別テストとして,個々の機器,システム間の接続が行われた。これに引き続き,最終日の18日には,実際の病院における運用を想定したシナリオに沿って,ワークフローに合わせてシステムが連携しているかを確認する総合テストが実施された。
 テストの結果については,4月8日(木)〜10日(日)にパシフィコ横浜で開催されるJRC 2004において公表されることになっている。また,アネックスホールで行われるCyberRad 2004では,「e-Hospitalへの最短コース─君にもできる標準的電子カルテとPACSの導入─」をテーマにした展示が行われ,これに連動する形で,恒例となったガイド付きツアー形式のデモンストレーションが企画されている。このデモンストレーションでは,19社35システムの出展を予定。放射線部門をモデルに,SWF,PIR,CPI,SINRのプロファイルによるマルチベンダーのシステム連携を体験できる。IHE-Jの臨床企画委員会委員長を務める岡崎宣夫氏(アリゾナ大学放射線科客員教授)は,「アメリカでもコネクタソンを行っているが,それに負けない熱気にあふれる取り組みになっている。この成果によってユーザーは,より満足度の高いシステムを導入できるようになるので,IHE-Jのデモに期待してほしい」と述べている。

問い合わせ先
社団法人 日本医療画像システム工業会 担当:大林勇雄
〒113-0034 東京都文京区湯島2-18-12 湯島KCビル4F
TEL 03-3816-3450 FAX 03-3818-8920
http://www.jira-net.or.jp/ihe-j/index.html

 

CyberRad 2004でのIHEデモンストレーションプログラム
(CyberRad 2004ミニシアター1)
日 時
内 容
時 間
  4月8日

  4月9日

  4月10日
  IHE入門
  ツアー
  IHE入門
  ツアー
  IHE入門
  IHE入門
 12:00, 13:30, 15:00
 12:30, 14:00, 15:30, 16:30
 9:30, 11:00, 13:30, 15:00, 16:30
 10:00, 11:30, 14:00, 15:30, 17:00
 10:00, 11:30, 13:00
 10:30, 12:00, 13:30