INNERVISION

　


GE，英アマシャム社の買収を完了
GEヘルスケアを設立，ヘルスケアビジネスの創造へ
　

　JRC2004会期中の4月8日（木），米ゼネラルエレクトリック（GE）が英アマシャム社の全発行済み株式を取得し，買収を完了したことを発表した。英アマシャム社は，診断薬やライフサイエンス分野における世界的なリーディングカンパニーである。この買収により，GEの医療事業部門は従来のGEメディカルシステム（GEMS）から，「GE Healthcare（ヘルスケア）」と名称を変更した。
　新しいGE Healthcareは，「GE Healthcare Technologies」（医療用画像診断装置の開発・製造・販売やサービス，ヘルスケアITビジネス）と，「GE Healthcare Bio-Science」（旧英アマシャムのビジネスを継続）の2つの事業部門から構成される。
　なお，GE Healthcareのプレジデント兼最高経営責任者（CEO）に旧英アマシャムのチーフ・エグゼクティブだったWilliam Castell卿が，GE Healthcare Technologiesのプレジデント兼CEOにGE上級副社長であり，旧GEメディカルシステムのプレジデント兼CEOのJoseph Hogan氏が，GE Healthcare Bio-Scienceのプレジデント兼CEOとGEの取締役に，旧英アマシャムの最高執行責任者（COO）のPeter Loescher氏がそれぞれ就任した。これに伴い，GE Healthcareは英国，GE Healthcare Technologiesは米国，GE Healthcare Bio-Scienceは英国に本社を置く。
　今回の英アマシャム社買収によるGE Healthcareの誕生は，GEのヘルスケアビジネスの新たな幕開けであり，2004年の連結売上高が140億ドルを上回る巨大ヘルスケアビジネスを創造することが期待されている。さらに，造影剤などの医薬品の迅速な開発・製品化により，モレキュラーイメージングやテーラーメード医療を早期に実現することも可能になる。
　今後，医薬やバイオ，バイオリサーチ分野のサービスを国際的に提供することで，診断ヘルスケアにおける世界No.1の企業を目指す。
　

問い合わせ先
GE Healthcare　広報担当・松井
TEL 042-585-9249　フリーダイヤル　0120-055123
http://www.gehealthcare.com



● GE横河メディカルシステム・三谷宏幸社長インタビュー ●
　── 今回の英アマシャム社買収，そしてGE Healthcare設立のねらいは？
　三谷社長：私自身は，診断装置メーカーの発展する方向の1つだと考える。最初はアナトミカルな解体新書の世界，つまり，X線などで病変部を描出する形態診断のステージ，第2は，ファンクショナルイメージングというPETなどで機能を見るステージ，第3は，テーラーメード医療のステージがある。例えば，個々人のがんになりやすい因子を分子・遺伝子レベルで見て，予測・予防していくもの。診断薬・創薬　メーカーと診断装置メーカーが協力すれば，早期診断・テーラーメード医療の実現に大きな力を発揮できる。それが一番大きな目的，方向性ではないか。
　── 新会社GE Healthcareの誕生により，日本におけるGEYMS，および旧英アマシャム社関係のビジネスに変化は生じるか？
　三谷社長：日本における旧英アマシャム社の関連ビジネスとしては，日本メジフィジックス（旧英アマシャム社取得株式50％），アマシャムバイオサイエンス（旧英アマシャム社日本法人），造影剤供給の3つの形態があり，それらが日本のエンドユーザーに届けていた製品市場規模は1千億円くらいになる。大きな市場だけに，お互いの独自性や独立性を尊重して，どのように協力していけるか，時間をかけて考えていきたい。短期的には，日本メジフィジックスとわれわれが協力して，PET事業全体に対する啓発活動・ユーザーへの総合的な説明などができるのではないか。市場全体をひろげる啓発活動を行えば，結果的には競合他社にもプラスになる。日本メジフィジックスは他のモダリティメーカーと，われわれも他の製薬メーカーとの関係があるので，お互いに排他的にならず，協力できる範囲で協力していきたい。
　── GEYMSとしての今期の目標，見通しは？
　三谷社長：GEYMSは今期も二桁成長を目指す。MRIやCTの市場が横ばいになってきているため，PETやマンモなど，新しい市場をつくっていくことにも力を入れたい。サービス面でも，ユーザーの生産性を一緒に考えていくとか，もっとお客さんのためになるさまざまな分野をひろげていって大きく発展しいていきたい。
ITEM2004，GEYMSブースにて