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取材報告

2010
日本画像医療システム工業会(JIRA)
加藤久豊会長の年頭所感記者会見と新年会を開催


加藤久豊JIRA会長
加藤久豊JIRA会長

 (社)日本画像医療システム工業会は,1月8日(金),年頭所感記者会見と新年会をKRホテル東京で開催した。JIRA会長による年頭所感の発表会見は毎年恒例だが,今年は昨年7月に会長に就任した加藤久豊氏(富士フイルムメディカル)の初めての会見となった。

JIRAの2010年の重点活動方針は,次の7項目となっている。
(1) 行政への施策提言と連携強化
(2) 医療画像IT産業の成長促進
(3) 適正な診療報酬を求める活動と提言
(4) 医療機器の「安全・安心」への取り組み推進
(5) 国際活動の強化
(6) 国際整合を踏まえた標準化活動の強化
(7) JIRA基盤の強化

 加藤会長は,記者会見後に行われた新年会の挨拶で「強いもの,賢いものが生き残るのではなく,変化できるものが生き残る」というダーウィンの言葉を引用して「2010年を区切りの年として,JIRAも社会や技術の変化に迅速に対応できるような組織を構築し,これからの10年の計の1年目として基盤をつくっていく」と述べた。加藤会長の年頭所感の概要は次のとおり。

 昨年は,世界不況の中で各国が行き詰まりからの脱却を模索し,日本では政権交代によって新しい改革,成長への取り組みが始まり,またITのさらなる発展・普及でその技術の活用で社会が急激に変化した。
 この状況は,画像医療システム分野にも影響してきており,「アナログからデジタルへ」「ハードウエアからソフトウエアへ」というシフトが急激に進んだことで,CADや遠隔診断システムなどのソフトウエアやネットワークの重要性が大きく高まった。実際に,JIRAの会員も172社中80社以上がIT関連企業になっており,昨年の上半期市場統計のモダリティ別の売上高では画像IT関連がX線装置に次いで第2位になった。その中で,医療用としてのソフトウエアやアプリケーションの技術の確立と適正な評価,経済的な裏付けが求められている。
 一方で,医療機器マーケットは,中国やインド,ロシアなどの新興国をはじめ,ドイツやイギリスのEUでも市場の成長が予想されている中で,国内は2009年度上半期の統計で88%に留まっている。国内市場の伸び悩みと輸出入の低迷打開への取り組みが求められる。

 こういった状況の変化に対応するひとつのアクションとして,JIRAでは「JIRA将来構想プロジェクト」を立ち上げた。“画像医療システム産業の新しいダイナミズム”を形成することをねらいとして,次のようなアクションプランをまとめた。
(1) 急速な時代変化に対応できる迅速な意志決定の実現
(2) 産業育成と適正評価のための行政への施策提言と連携強化
(3) 画像医療IT産業の成長促進
(4) これらを推進するためのJIRAの組織の見直しと最適化
JIRAとしては,このプランを踏まえて,7つの重点活動方針に取り組んでいく。

 迅速な意志決定と行政との連携強化では,新しい組織として「JIRA産業戦略室」を新設し活動する。また,画像医療IT産業の成長促進では,「JIRA-IT特区」活動を強化して行政や海外情報の共有化と成長促進施策の具体化などを進めていく。
  これらの活動を進めるためJIRAの組織体系を見直して,政策企画会議や横断的な委員会の新設など,組織の最適化を検討して6月の総会までに決定していく。


●問い合わせ先
社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)
TEL 03-3816-3450(代)
http://www.jira-net.or.jp