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取材報告

2010
第29回日本医用画像工学会大会(JAMIT Annual Meeting 2010)が開催
テーマは「医用画像工学と臨床医学のコラボレーション」

開会挨拶をする今井 裕大会長
開会挨拶をする今井 裕大会長

CADコンテストの様子
CADコンテストの様子
右下は司会の北坂孝之氏(愛知工業大学),
上左から篠崎賢治氏,縄野 繁氏

遠藤啓吾氏
遠藤啓吾氏

飯沼 武氏
飯沼 武氏

栗林幸夫氏
栗林幸夫氏

佐久間 肇氏
佐久間 肇氏

陣崎雅弘氏
陣崎雅弘氏

市原 隆氏
市原 隆氏

次回大会長の勝俣健一郎氏
次回大会長の勝俣健一郎氏

  第29回日本医用画像工学会大会(JAMIT Annual Meeting 2010)が,7月30日(金),31日(土)に東海大学伊勢原キャンパス(神奈川県)にて開催された。
  冒頭に大会長の今井 裕氏(東海大学医学部)が挨拶を述べた後,前回第28回大会から始まったCADコンテストの公開審査が行われた。今回のテーマは“転移性肝腫瘍の抽出”で,評価委員を国際医療福祉大学の縄野 繁氏(委員長),九州がんセンターの篠崎賢治氏,栃木県立がんセンターの黒木嘉典氏,大阪大学医学部医学研究科の佐藤嘉伸氏が務めた。前回は12チームがエントリーしたのに対し,今回は15チームがエントリー。各チームとも病変部拾い上げのプログラミングに特徴があったが,評価委員間でもCADの精度に対する意見にズレがあったように,最終的にはCADを利用する臨床医の使用感と作成する工学者の到達地点とのズレを,いかに埋めるかが最終的な課題になってくるのではないかと思われた。

  特別講演1では,群馬大学大学院医学系研究科放射線診断核医学分野の遠藤啓吾氏が「核医学から医用画像工学に望む」と題し,これまで画像診断の発展を牽引してきたCTの進歩に医用画像工学が大きく寄与してきたが,核医学でも同様に,PET, SPECTの進歩に貢献してきた。核医学の特長である機能画像や分子イメージングの研究はCTやMRIでも行われているが,今後も核医学をリファレンスとして進められ,一方,核医学も他の形態画像技術を取り入れながら開発・研究がなされていくだろう。超高齢化社会を迎えるわが国では,効率の良い画像診断,よりやさしい低侵襲治療がますます求められるようになるため,その中で医用画像工学の役割はより重要となってくると締めくくった。

  総会,第28回大会奨励賞表彰式では,今年1月,逝去された日本医用画像工学会の名誉会員である梅垣洋一郎氏(元放射線医学総合研究所臨床研究部長)の追悼講演が行われ,放射線医学総合研究所名誉研究員の飯沼 武氏が「梅垣洋一郎先生を偲ぶ」と題し,梅垣氏の生前の写真をスライドに映しながら中山恒明賞などの業績を讃えた。

  続いて,慶應義塾大学医学部放射線診断科の栗林幸夫氏の司会のもと,シンポジウム1「心臓イメージング」が3名の演者により行われた。まず,三重大学医学部附属病院放射線診断科の佐久間 肇氏が,「MRIによる心筋ストレイン定量評価の最近の進歩」と題し発表を行った。佐久間氏は,同院で施行しているDENSE(displacement encording with stimulated echoes) MRIによる心筋ストレイン解析の紹介を中心に,心臓MRIの特長を解説した。次に,慶應義塾大学医学部放射線診断科の陣崎雅弘氏が,「心臓CTの現状と課題」と題し発表を行った。陣崎氏は,64列CT以降のCT開発の方向性としてDual Source CT,Area Detector CT,Gemstoneを用いた高分解能CTがあると紹介し,その中でも高分解能CTの高速スイッチングによるdual energy imaging(material decomposition,monochromatic imaging)の特性について解説した。最後に,藤田保健衛生大学医療科学部の市原 隆氏が「CT造影検査における心筋パーフュージョンイメージング(方法の研究)の現状」と題し発表した。CT,MRI造影剤による心筋血流の定量法について,デコンボリューション法,コンパートメントモデル解析法の原理や特徴を解説し,パトラック法が心臓CT,MRIに応用されているように,コンパートメントモデル解析法は目的に応じた最適化が可能なため,今後の臨床応用に期待できるとした。

  国立がん研究センターの森山紀之氏が司会を務めた教育講演1では,まず(株)島津製作所の田中修二氏が「直接変換方式FPDの開発─臨床応用と将来展望」と題して,医療機器がデジタル化,ネットワーク化していく中,同社のこれまでのFPD開発,製品化への過程,ならびにSUREエンジンやトモシンセシスなどの最新技術を紹介した。次に,藤田保健衛生大学医学部放射線科の片田和広氏が「320列面検出器CTの開発と意義」と題して,320列面検出器(Area Detector)CTの1ローテーション撮影のメリットとして,被ばく低減効果や4D撮影などを紹介した。また,片田氏は医工連携の面についても,両者間の関心のズレや研究発表のプロセスの違いなどが研究・開発の作業を難しくしていると問題点を指摘した。続いて,慶應義塾大学医学部の大熊 潔氏は「超音波診断装置の最近の進歩」と題し,エラストグラフィやARFI(Acoustic Radiation Force Impulse)など,現在の超音波診断装置における最新技術を紹介した。

  次回,第30回日本医用画像工学会大会(JAMIT Annual Meeting 2011)は,国際医療福祉大学保健医療学部放射線・情報科学科の勝俣健一郎氏が大会長を務め,2011年8月5日(金),6日(土)に国際医療福祉大学(大田原)にて開催される予定だ。

〈教育講演〉
森山紀之氏
森山紀之氏
田中修二氏
田中修二氏
片田和広氏
片田和広氏
大熊 潔氏
大熊 潔氏

ポスター展示会場にて自由討議の様子 ポスター展示会場にて自由討議の様子
ポスター展示会場にて自由討議の様子

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事務局
東京都文京区本郷6-2-9 モンテベルデ第二東大前504
(有)クァンタム内
TEL 03-5684-1636
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