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取材報告

2011
グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンが
「病院ダッシュボード」のプレスセミナーを開催

渡辺幸子 氏(代表取締役社長)
渡辺幸子 氏
(代表取締役社長)

椛島博彰 氏(相澤病院)
椛島博彰 氏
(相澤病院)

  医療機関向けのコンサルティングを行う(株)グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンは2011年4月7日(木),ベルサール八重洲(東京都中央区)において,4月1日から展開し始めたWeb型のデータ分析サービス「病院ダッシュボード」に関するプレスセミナーを行った。病院ダッシュボードは,医療機関が持つ,財務,DPC,レセプトなどのデータをもとに,同社がその分析を行い,その結果をWebを用いて活用できるようにするサービス。自動車がダッシュボードにある速度計などの計器を見れば簡単に運転できるように,このサービスを活用することで医療機関経営を容易にするというコンセプトから,この名称が与えられた。

  プレスセミナーでは,まず代表取締役社長の渡辺幸子氏が,米国のグローバルヘルスコンサルティングの事業展開や欧米の300以上の医療機関でコンサルティングを行ってきた実績を紹介した。さらに,渡辺氏は,日本法人で2010年に約90病院のコンサルティングを行い,同社が提供する経営データ分析ツールの「EVE」が2010年までに約600病院で採用されたことなどを説明した。

  続いて,同社の情報マネージメント部のマネジャーである濱野慎一氏が,Webを用いた病院ダッシュボードの概要を解説した。濱野氏は,医療機関ではデータが膨大化,分散化している上に,それを分析するノウハウと時間がなく,さらに戦略立案力も不足しており,タイムリーな問題把握が困難であると,現在の医療機関経営における問題点を指摘。そうした問題を解決するツールとして病院ダッシュボードが開発されたと述べた。そして,サービスの特長として,Webを活用して,必要な情報を可視化し,財務,診療,マーケットの情報をトータルで把握できることに加え,コンサルティング会社のノウハウを生かした改善手順や問題のタイムリーな把握ができる点をPRした。

  さらに,このプレゼンテーションを引き継いで,病院ダッシュボードの利用方法を説明したコンサルタント部門のマネジャーである相馬理人氏は,他院とのベンチマークなどが可能な「財務分析」,他院とのDPCデータのかい離が一目でわかる俯瞰マップや改善への手順を示すロードマップ機能を持つ「診療分析」,地域の医療ニーズなどがわかる「マーケット分析」の各機能を紹介した。なお,DPCデータの分析は,2011年4月の時点で45疾病に対応しており,今後90疾病まで対象を広げる予定だという。

  この後,評価病院として病院ダッシュボードのパイロット版を導入した社会医療法人財団慈泉会相澤病院の診療情報管理課課長である椛島博彰氏がその使用経験を報告した。同院では診療情報管理課から院内各所へ情報を提供する件数が年々増加している。さらに同課は,クリニカルパスの管理やDPCデータ作成など業務が多岐にわたっており,業務の効率化が求められていた。その武器となる分析ツールとして,病院ダッシュボードを導入したことで,従来のデータ抽出から分析,可視化のためのグラフ作成などの業務が省力化された。椛島氏は,こうした分析時間の短縮化に加え,問題点の共有や財務データの利用もできるようになったことなどを導入のメリットとして挙げた。最後に椛島氏は,継続的にPDCAサイクルを回していく上で,職員のActを起こすための,Plan,Do,Checkを行うツールとして病院ダッシュボードは役立つと述べた。

  病院ダッシュボードは,1年間の利用料が90万円(税別)となっている。バージョンアップには無料で対応するほか,オプションで外来分析,手術分析,がん臨床指標,看護必要度なども提供する。同社では,初年度100施設,5年後1000施設の導入をめざすとしている。


●問い合わせ先
株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン
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