ホーム の中の取材報告の中の 2011の中のつくば市,筑波大学,インテル 産・官・学が協調し,ICTを活用した地域連携プロジェクトをスタート

取材報告

2011
つくば市,筑波大学,インテル
産・官・学が協調し,ICTを活用した地域連携プロジェクトをスタート

左から吉田和正氏(インテル代表取締役社長),市原健一氏(つくば市長),山田信博氏(筑波大学学長)
左から吉田和正氏(インテル代表取締役社長),市原健一氏(つくば市長),山田信博氏(筑波大学学長)

東京のサテライト会場にも中継された
東京のサテライト会場にも中継された

  茨城県つくば市,国立大学法人筑波大学,インテル(株)は,3者が連携してグローバル社会に対応した新しい都市文化の構築をめざす「つくば2015:つくばが変わる,日本を変える」プロジェクトを開始する。スタートにあたって,7月26日(火),つくば市のつくばサイエンス・インフォメーションセンターで,つくば市長の市原健一氏,筑波大学学長の山田信博氏,インテル代表取締役社長の吉田和正氏が出席して記者発表会を開催した。記者会見の模様は,テレビ会議システムを利用して東京都内の会場にも中継された。

  同プロジェクトでは,情報通信技術(ICT)を活用して,つくば市における人材養成,起業家支援,コミュニティの活性化,市民の健康づくりなどの分野で,これからの日本の課題解決に向けた新しい事業の提案と実証に取り組み,自治体発のモデルとして全国に発信していく。プロジェクトの中での役割は,つくば市は実証フィールドの提供と,住民のニーズと将来の課題認識に基づいた先進的な施策の提案を行い,筑波大学は教育研究機関として人材育成や専門的な知見の提供と活用を,インテルは先進的技術とグローバル企業としての経験と知見の提供と活用を行う。

  プロジェクトは,2015年をひとつの区切りとして評価を行うが,2011年は以下のようなプログラムの内容で実施予定で,一部はすでにスタートしている。

【ひとづくり】
〈未来を拓く人材養成〉
・小中学生を対象とした教育日本一をめざす,つくば独自の次世代型教育カリキュラムの創設
・タブレット型PCや思考誘発型授業「Intel® Teach」を活用したICT教育環境の整備
・スーパー・サイエンス・リーグの実施
〈高度人材養成〉
・インテルの社員研修プログラム「Intel University」をベースにした,世界で通用するコミュニケーション力向上講座の開設
・高度IT人材養成プログラム
〈起業家支援〉
・筑波大学大学院生,大学発ベンチャー,つくば市内のベンチャー企業などを対象とした起業家教育講座の開講(7月2日にキックオフイベントを開催)
・Intel Global Challengeへの参加支援

【まちづくり】
〈コミュニティの活性化〉
・WiMAXなどのブロードバンドサービスなど先進的な技術を活用した情報伝達システム環境の構築
・市民活動ソーシャル・ネットワーキング・サービスの構築
〈市民の健康づくり〉
・コンティニュア規格に対応した機器・サービスを利用した,市民の健康意識を高める健康づくりプログラムの実施

  市原市長は「少子高齢化や人口減少などの課題を解決するためには,自治体だけでなく大学や企業などの社会的役割が大きい。つくば市が先例となって,3者の連携による新しいまちづくりのモデルを,ここから発信していきたい」と述べた。また,山田学長は「複雑化し,限られた資源を活用しなければならない現代では最適化が求められるが,違う価値観を持つ3者が連携することで新たなイノベーションを発信できる」と,今回のプロジェクトの意義を説明した。吉田社長は,「ICTはあくまで脇役ではあるが,情報技術の発展が地方からの情報発信を可能にし,住民のニーズにあった問題解決への糸口を提供できる。ICTの提供によって,さまざまな課題解決の支援を行うことがインテルのミッションでもある」と,プロジェクトにかける意気込みを語った。

  「市民の健康づくり」プログラムでは,つくば市民を対象として,ICTを活用して個人のニーズに最適化された健康づくりプログラムを策定し,コンティニュア・ヘルス・アライアンスの規格に対応した健康機器やサービスなどを活用して,予防医学に取り組む。2011年度は,つくば市職員を対象にした実証実験,効果測定を実施し,市民への展開をめざす。


●問い合わせ先
つくば市 企画部企画課 小川
TEL 029-883-1111(内5250)
筑波大学 企画室 橋本
TEL 029-853-2052
インテル 広報室 中村
TEL 03-5223-9100