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取材報告

2011
メディプラザが「クリニックITフォーラム 2011」を開催

4題の講演が行われた講演会場
4題の講演が行われた講演会場

大西大輔 氏(メディキャスト)
大西大輔 氏
(メディキャスト)

高橋 弘 氏(麻布医院)
高橋 弘 氏
(麻布医院)

宮川一郎 氏(習志野台整形外科内科)
宮川一郎 氏
(習志野台整形外科内科)

藤原久郎 氏(前藤原ENTクリニック)
藤原久郎 氏
(前藤原ENTクリニック)

藤原氏の講演後に行われたクラーク入力の実演
藤原氏の講演後に行われた
クラーク入力の実演

盛況だった体験会場
盛況だった体験会場

  2011年12月11日(日),医療関連商品常設総合展示場のメディプラザは,「クリニックITフォーラム 2011——最近のクリニックIT事情と,ちょっと未来のITクリニック像」を開催した。会場は日本科学未来館(東京都江東区)。メディプラザは,メディキャストが運営する電子カルテシステムといった医療向けIT製品などの常設展示場である。当日は,IT化に取り組んだ医師による講演会と,企業の製品展示・デモンストレーションを行う体験会の2箇所に会場を分け,来場者が自由に行き来できるようにプログラムが構成された。

  講演会では,まずメディキャストのメディプラザ統括マネージャーである大西大輔氏が「医療IT最新事情〜医療ITのいまと未来を探る〜」をテーマに講演した。大西氏は,診療所の電子カルテシステム普及率を紹介した上で,かつてレセプトコンピュータだけだった診療所のシステムが,現状では電子カルテシステムとPACS,予約システムの3システムが導入されるようになっていると説明。今後の方向性として,膨大な患者数,診療科別,在宅医療,リスク,クラウド,地域連携という6つのポイントに対応できるシステムが鍵となるとの見方を示した。そして,それぞれのポイントについて解説。患者のため,スタッフのため,地域のため,未来のためという視点でIT化に取り組むことが大事だとまとめた。

  続いて,麻布医院院長の高橋 弘氏が登壇した。高橋氏の講演テーマは「院内IT化のこだわり」。麻布医院は,院内の省スペース化やX線検査などのデータ管理といった観点から電子カルテシステムを導入した。高橋氏はそのシステム選定において,予約やレセコン機能,処方せんの書きやすさ,検査データの取り込み機能などを重視したと説明。また,病名入力や自由診療のカルテ作成の容易さ,価格などのポイントにも言及した。まとめとして高橋氏は,サポートが最も重要であり,サポート部門だけでなく,営業などの導入担当者の対応を重視すべきと述べた。

  3番目は,習志野台整形外科内科院長の宮川一郎氏が「iPadの医用アプリの有効性」をテーマに講演した。宮川氏は,患者満足度向上の視点から,診療所内にiPadを導入。医療情報の配信や問診票アプリを用いて,患者が待ち時間を長く感じないような工夫をしている。さらに,オープンソースのDICOMビューワである「OsiriX」とPACS,電子カルテシステムを組み合わせた画像参照環境についても解説。他院から持ち込まれたDICOM画像の参照など,地域連携においてもOsiriX,iPadが有効に活用されていると述べた。さらに,宮川氏は患者参加型医療を進めるための医用画像の3Dアニメーションを収録した「IC動画HD」などを紹介した。

  最後の講演は,藤原ENTクリニック院長だった藤原久郎氏が「医療クラークの電子カルテ入力」と題して,自身の経験を紹介した。藤原氏は,患者増に伴う診療の効率化を図るために,電子カルテシステムの入力をクラークが行うような院内体制にしたと説明。紙のメモを併用し,内容の充実したカルテを,多忙な診療環境の中で作成したノウハウについて解説した。このような運用により,同クリニックでは,医師の負担が軽減できただけでなく,クラークの医療知識向上に伴い看護師などの職員の学びの意欲が芽生え,全体のモチベーションが上がり,医療の質も向上したという。最後に藤原氏は,チーム医療の観点からも,電子カルテシステムをコミュニケーションツールとして使用するために,クラークの活用が重要だとまとめた。藤原氏の講演後には,会場内でクラーク入力のデモンストレーションが行われた。

  一方,体験会では,会場中央の相談コーナーを取り囲むように15のブースが設けられた。三洋電機(株)は電子カルテシステムとPACSの一体型システム,予約システムとの連携のデモンストレーションを実施。日立メディカルコンピュータ(株)は,(株)日立メディコの超音波診断装置「Avius」,日立アロカメディカル(株)の「プロサウンドα6」の実機を展示して,電子カルテシステムとの連携を紹介した。また,コニカミノルタヘルスケア(株)は画像ファイリングシステムの「REGIUS Unitea」やワイヤレスFPDの「Aero DR」を展示。ナナオはiPadと「RadiForce MX241w」の連携や,タッチパネルモニタを紹介した。このほか,ソフトバンクモバイルは,iPadを10台用意し,医療向けアプリを来場者にアピールした。

  当日は講演会,体験会ともに多くの参加者が来場。体験会では熱心に,担当者から説明を受ける場面が見られ,フォーラムは大盛況であった。

電子カルテシステムとPACSの一体型システムを展示した三洋電機
電子カルテシステムとPACSの
一体型システムを展示した三洋電機
電子カルテシステムとPACS,超音波診断装置の連携を紹介した日立メディカルコンピュータ
電子カルテシステムとPACS,
超音波診断装置の連携を紹介した
日立メディカルコンピュータ
コニカミノルタヘルスケアは,REGIUS UniteaとAero DRなどを出品
コニカミノルタヘルスケアは,
REGIUS UniteaとAero DRなどを出品
ナナオはiPadとRadiForce MX241wでのDICOM画像の連携表示を紹介
ナナオはiPadとDICOM画像の連携した
ソリューションを紹介
ソフトバンクモバイルはiPadと医療向けアプリをPR
ソフトバンクモバイルは
iPadと医療向けアプリをPR
 

●問い合わせ先
メディキャスト株式会社
メディプラザ事業部
TEL 03-5259-8100
http://www.medi-plaza.com/