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取材報告

2012
「第2回Advanced CT・MR研究会」が開催される

CT当番幹事:森谷浩史 氏(大原医療センター)
CT当番幹事:森谷浩史 氏
(大原医療センター)

MR当番幹事:今井 裕 氏(東海大学)
MR当番幹事:今井 裕 氏
(東海大学)

MR研究会代表幹事:杉村和朗 氏(神戸大学)
MR研究会代表幹事:杉村和朗 氏
(神戸大学)

CT研究会代表幹事:片田和広 氏(藤田保健衛生大学)
CT研究会代表幹事:片田和広 氏
(藤田保健衛生大学)

  2012年6月16日(土),17日(日)の2日間,軽井沢プリンスホテルウエスト(長野県北佐久郡)において,「第2回Advanced CT・MR研究会」が開催された。この研究会は三次元CT・MRI研究会と医用デジタル動画像研究会が統合されたAdvanced CT研究会,日本MRアンギオグラフィー研究会と3T MR研究会が統合されたAdvanced MR研究会の2つの研究会による合同開催という形で行われた。なお,第1回の研究会は2011年5月28日に千里ライフサイエンスセンター(大阪府豊中市)において併催された。第2回研究会の当番幹事は,Advanced CT研究会が大原綜合病院附属大原医療センター放射線科の森谷浩史氏,Advanced MR研究会が東海大学医学部専門診療学系画像診断学の今井 裕氏が務めた。初日に挨拶を行った森谷氏は,第1回はそれぞれの研究会が並行して行われたが,今回はテーマごとにCTとMRIを対比できるようにプログラムを構成したと述べた。また,今井氏は,モダリティの進歩によって撮像技術も複雑になっていることから,診療放射線技師の参加者には,その最先端の技術をこの研究会で学んでほしいと挨拶した。

  初日のプログラムは7部に分けて行われた。森谷氏,今井氏の開会の挨拶に続き,まずテルモ(株)共催のスポンサードセッション,中枢神経系が行われた。座長は順天堂大学の青木茂樹氏と山形大学の細矢貴亮氏。このセッションでは,秋田県立脳血管研究センターの木下俊文氏が,320列面検出器CTの脳神経領域への応用として,4D-CTA像とperfusion像を同時取得した症例などを提示した。このほか,頭部救急でのデュアルソースCTの臨床応用(大阪大学・渡邉嘉之氏),脳血管障害のMRI診断(杏林大学・土屋一洋氏),脳底穿通動脈の画像解剖(東北大学・高橋昭喜氏)の発表が行われた。

  続いて行われたAdvanced CTランチョンセミナー「最新CT技術の臨床応用」は,(株)フィリップスエレクトロニクスジャパン,シーメンス・ジャパン(株),東芝メディカルシステムズ(株),(株)日立メディコ,GEヘルスケア・ジャパン(株)が共催した。座長は森谷氏と聖マリアンナ医科大学の中島康雄氏。天草地域医療センターの中浦 猛氏がi-Dose4とO-MAR,東邦大学医療センター大森病院の白神伸之氏がSAFIREなどの被ばく低減技術,広島大学病院の立神史稔氏が320列面検出器CTとAIDR 3D,日本医科大学の林 宏光氏がSCENARIAのIntelli IP,東京女子医科大学東医療センターの町田治彦氏が心臓CTのSnapShot Freeze法と,各社の最新技術の使用経験を報告した。

  午後に行われた胸部のセッションでは,名古屋大学の長縄慎二氏と山口大学の松永尚文氏が座長を務めた。まずCTに関し,神奈川県立がんセンターの山田耕三氏が肺野微小病変の質的診断,弘前大学の小野修一氏が胸部でのデュアルエナジーCTについて発表。さらにMRIでは,聖マリアンナ医科大学の栗原泰之氏が肺結節,大阪大学の澄川裕充氏が縦隔疾患についての診断法を解説した。

  この後,Advanced CT・MR特別講演が行われた。座長は,東京大学の大友 邦氏と東北大学の森 一生氏。最初に「MRI:形態から機能そして代謝へ」と題し,MR研究会の代表幹事である神戸大学の杉村和朗氏が,高磁場化による高分解能化,高度化する機能診断,トレーサーとしての造影剤などを説明。MRIは無限の可能性を秘めていると述べた。続いて,CT研究会代表幹事である藤田保健衛生大学の片田和広氏が,320列面検出器CTの開発経緯や,最新バージョンの「Aquilion ONE Vision Edition」での症例画像を供覧した。

  引き続き行われた全身・広範囲のセッションでは,昭和大学の後閑武彦氏,日本医会大学武蔵小杉病院の田島廣之氏が座長を務めた。全身外傷CTについては,大田原赤十字病院の水沼仁孝氏が,動脈疾患のCT診断については,東北大学の高瀬 圭氏が発表。さらに,大阪府立成人病センターの中西克之氏がMRIの広範囲撮像での骨軟部病変診断,群馬大学の天沼 誠氏が血管病変のMRIでの全身スキャンについて報告した。

  次いで,第一三共(株)共催のスポンサードセッション,心が設けられた。座長は,愛媛大学の望月輝一氏,国立循環器病研究センターの内藤博昭氏。岩手医科大学循環器医療センターの吉岡邦浩氏が冠動脈CTのプロトコール,松山ハートセンターよつば循環器クリニックの東野 博氏が心筋血流・perfusion CT,国立循環器病研究センターの山田直明氏が心筋疾患のMRI診断,三重大学の佐久間 肇氏が心臓MRIをテーマに発表した。

  この後,会場を移して,ポスターセッションとカクテルパーティが行われ,研究会の初日は終了した。なお,両研究会は合併されることとなり,来年は6月15日(土),16日(日)の日程で行われる。当番幹事は熊本大学・山下康行氏が務める。


●問い合わせ先
Advanced CT・MR研究会事務局
神戸大学大学院医学研究科内科系講座放射線医学分野
TEL 078-382-6104 FAX 078-382-6129
E-mall deprad-admr@med.kobe-u.ac.jp


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