第45回日本核医学会総会

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コンセプトは"Hybrid Imaging"。新開発高性能LSOクリスタルで空間分解能が飛躍的に向上。

中西 啓さん
(プロダクトマネージャー)
中西 啓さん (プロダクトマネージャー)

 コンセプトは“Hybrid Imaging”です。1つはPET/CTですが,2004年,薬事承認を取得し,日本でもすでに数十台納入しています。従来の感度重視型だけでなく,分解能を重視したものが薬事承認を取得し,CT部分はこれまでの2列,16列に加えて,6列CTを搭載した「biograph(バイオグラフ)6」の発売を開始しました。
PET/CTの性能を決めるのは,実はPETの性能です。そこで,biographシリーズの特長ですが,PET部分に新開発の高性能型検出器,特許を取得したLSOというクリスタルを搭載しています。非常に高感度ですので,身体から出てくる信号を無駄なくキャッチでき,5mCiと低投与量のFDGデリバリーでも放射線を効率良く画像化して高画質を実現します。しかも,従来よりもクリスタルを細分化することで,空間分解能が飛躍的に向上しています。CTとPETを離すことで起こる位置ズレを防ぐためCTとPETは一体型にしていますが,その分ガントリが長くなり,閉所恐怖症の方にとっては圧迫感が増してしまいます。そこで,弊社ではPET/CTの形状を工夫し,ガントリの入り口と出口をすり鉢状に広げました。開口径は70cmなので,もしこれが最初から最後まで70cmのままだと結構圧迫感があるのですが,すり鉢状にしたために,実際の検査では頭がPETの方に出るときには十分な広さがあり,閉塞感も少なくなります。もちろん,ガントリ一体型でもCTとPETそれぞれの単独撮影は可能です。
また,私たちのPET/CTは寝台移動型ですが,寝台のたわみによるCTとPETの画像のズレを防ぐため,寝台を支柱ごと前後させる方式を採りました。つまり,寝台は支柱から遠ざかるほどたわみが大きくなりますが,支柱ごと動かすことで, CTを撮るときもPETを撮るときも,そのたわみ方は同じになります。この寝台はPET/CT用に開発していまして,寝台の制御はリニアモーターで行っているので,0.1mmの制御も可能と,非常に精度の高い設計になっています。
“Hybrid Imaging”のもう1つの製品としてSPECT・CTがありますが,今回は模型のみを展示しました。今後,薬事承認がおり次第,販売していきたいと考えています。


●PET/CT「「biograph(バイオグラフ)」
PET/CT「「biograph(バイオグラフ)」
PET部に新開発の高分解能検出器“LSO”クリスタルを搭載。40nsecと非常に短い蛍光減衰時間により,より多くの放射線の計測が可能になった。また,これまでの1ブロック当たりの総クリスタル数が64から169個に細分化し,飛躍的に空間分解能が向上。スライス間隔も2mmにまで小さくなったことで,より精密な撮影が可能となり,これまで発見できなかった小さな病巣や頭部の診断も可能になるという。

●コンソール
コンソール
PETとCTが同じ環境で操作でき,1台でPET撮影,CT撮影,それぞれの画像処理,画像の重ね合わせが可能。同社が約5年前から取り組んでいる“syngo”プロジェクトにより,コンソールは全モダリティ共通のインターフェイスとなっている。

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